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2022/05/08

直腸がん周術期の術後合併症リスク-ウェアラブルデバイスで検証-

Wearable Technology in the Perioperative Period: Predicting Risk of Postoperative Complications in Patients Undergoing Elective Colorectal Surgery

Dis Colon Rectum (IF: 4.58; Q2). 2020 Apr;63(4):538-544.


【背景】
プロトコル化されたパスは、手術の結果に大きな改善をもたらした。追加の利益は、既存のリスクを変えるための集中的な努力を要する。
プレハビリテーションプログラムは、リスク減少のための道を提供する。

【目的】
ウェアラブルデバイステクノロジーを用いて、直腸がん術前の活動レベルを監視することで、術前活動が術後アウトカムに影響するかを評価すること。

【方法】
前向き非ランダム化試験。大規模大学医療センターにて実施。2018年1月から2019年2月に選択的直腸がん手術を行った患者。
患者は、ウェアラブルデバイスの使用法について説明され、術前30日間装着。
患者を術前歩数で、5000歩/日以上の活動グループと5000歩/日未満の比活動グループに分けた。
単変量解析で術後合併症の発生を比較。
多変量回帰モデルで術前活動が術後合併症に与える影響についてベースラインのリスクを調整して解析。

【結果】
99人が参加。40人(40.4%)が活動グループに分類。
活動グループの患者は、全体の合併症(11/40 (27.5%) vs 33/59 (55.9%); p = 0.005)、重度の合併症(2/40 (5%) vs 12/59 (20.3%); p = 0.032)が少なかった。
多変量解析にて、術前活動が多いことは、術後合併症が少ないことと関連していた(OR = 0.386; p = 0.0440) 。
合併症、重度の合併症のモデルの予測能力は、身体活動を追加することで向上した。

【考察】
直腸がんの手術を行う患者の術前身体活動レベルは向上させる余地がかなりある。そして、活動が少ないことは、術後合併症と関連していた。
これらのデータは、ウェアラブルデバイスを用いて術前運動プログラムを監視することで手術成績に影響するかどうかの介入研究が必要であることを示した。




2021/10/18

術前フレイルの有無と術後せん妄の関係

The Association of Preoperative Frailty and Postoperative Delirium: A Meta-analysis

Anesth Analg (IF: 5.11; Q1). 2021 Aug 1;133(2):314-323.


【背景】
フレイルと術後せん妄(postoperative delirium:POD)は、65歳以上の患者に共通している。しかし、術前フレイルとPODの関係について特徴づけることは難しく、フレイルの数の多さとPOD評価ツールで妥当性のあるものがいくつかしかないためである。
さらに、フレイルとノンフレイルを明確に分けるカットオフが明記されている評価ツールはいくつかしかない。
術前フレイルとPODの関係についてのメタアナリシスを行った。

【方法】
入院し、手術を行い、平均年齢65歳以上の患者において、術前フレイルとPODを比較した研究を探索。
採用基準は、1999年以降の英語論文。
術前フレイルとPODは、フレイルとせん妄の明確なカットオフのあるツールで評価していなければならない。
文献は独立した2名で精査。
バイアスリスクと交絡の存在をまとめた。

PODとフレイルが関連しているオッズ比を算出。

有意水準は、両側5%未満。

【結果】
9件の研究がメタアナリシスの対象となった。
Friedスコアもしくは修正版が5文献にて採用されていた。
フレイルの有病率は18.6%から56%。
せん妄は、7文献でConfusion Assessment Method (CAM) もしくは Confusion Assessment Method for the Intensive Care Unit (CAM-ICU) で評価。
Delirium Observation Scaleが1文献、Intensive Care Delirium Screening Checklistが1文献で採用されていた。
PODの発生率は7%から56%。
バイアスリスクは、1文献で低く、4文献で中等度、3文献で重度、1文献で致命的と指摘された。
フレイルとノンフレイルでのPODのオッズ比は、2.14倍で、95%CI1.43-3.19。

ファネルプロット解析では、出版バイアスの有無を明確に裏付けるものではなかった。

【考察】
今回のメタアナリシスにおいて、65歳以上の周術期患者における術前フレイルとPODに著明な関連があるエビデンスが示された。

2021/05/25

肺がん術前の身体活動量と術後アウトカムの関係

Preoperative Physical Activity Predicts Surgical Outcomes Following Lung Cancer Resection

Integr Cancer Ther (IF: 2.379; Q1). Jan-Dec 2021;20:1534735420975853.


<目的>
肺切除術を行った患者の術前身体活動レベルが術後合併症の発生を予測するかどうかを評価すること。

<方法>
90人の患者に対して、入院前の身体活動レベル(歩数)を歩数計で15日連続で記録。
アウトカムは、循環器および呼吸器合併症、入院日数、30日以内の再入院率

<結果>
78人の患者データが解析対象(12人はコンプライアンス得られず除外)
歩数で4群に分けた:1低い身体活動から4高い身体活動
グループ間に、年齢、性別、喫煙歴、COPD、BMI、%FEV1.0、KCO、循環的なリスク因子に違いはなかった。
合併症総数の違いを、3.4群vs1.2群で認めた(8 vs 22; P = .01). 
身体活動レベルが高いと、入院日数が短い傾向(P > .05)にあった(3.4群は中央値4日と5日、1.2群は6日)。

<考察>
術前身体活動レベルは、術後合併症を予測し、術後合併症のリスク層別化や術前介入の影響、最終的に短期間のアウトカム改善に影響することができる。

・身体活動レベル(平均±SD)
quartile1:967±656歩
quartile2:2672±656歩
quartile3:4196±528歩
quartile4:7673±2047歩
各グループ約20人ずつ
全体の歩数の平均は3888歩/日



2021/03/20

術前PAレベルは術後アウトカムに関連するか(肺がん sr and meta-analysis)

Is preoperative physical activity level of patients undergoing cancer surgery associated with postoperative outcomes? A systematic review and meta-analysis

Eur J Surg Oncol (IF: 3.959; Q1). 2019 Apr;45(4):510-518.


<背景>
術前身体活動(PA)レベルと術後アウトカムへの影響、特に肺がん手術を行う患者については明らかになっていない。

<目的>
肺がん手術を行う患者を対象に、術前PAレベルが術後の合併症、入院日数(LOS)、QOLと関連するかを検証すること。

<方法>
2017年11月にMEDLINEなどでPAレベルと術後合併症、LOS、QOLを対象にした研究を探索。バイアスリスクは、Quality in Prognosis Studies (QUIPS) toolを用いて評価。
可能であれば、ランダム効果モデルを用いて、オッズ比や95%信頼区間を算出。

<結果>
13の研究が対象(5523人)。多くの研究で、低いもしくは中等度のバイアスあり。
より高い術前PAレベルは術後合併症の減少とは関連していなかった(OR = 2.60; 95%CI = 0.59 to 11.37) 
LOSの短縮 (OR = 3.66; 95%CI = 1.38 to 9.6)、術後QOL(OR = 1.29; 95%CI = 1.11 to 1.49).とは関連していた。

<考察>
今回の文献では、より高い術前PAレベルの患者は、より術後のアウトカムが良好であり、LOSが短く、QOLが良いことを示唆した。
より高い質の研究で、術前PAと術後アウトカムの関連についての研究が必要である。

2021/03/13

肺がん術前身体活動と術後身体活動、入院日数は関係するか。

Functional Recovery After Lung Resection: A Before and After Prospective Cohort Study of Activity

Ann Thorac Surg (IF: 3.639; Q1). 2019 Jan;107(1):209-216.


<背景>
術後の回復は胸部外科において重要な指標である。患者の活動モニターは術前後において追跡が可能である。
術前の身体活動、肺切除範囲、術式と、活動量計を用いた入院と外来での身体活動の回復の関係を調査した。

<方法>
前向き観察コホート研究。手術の30日前から術後30日間まで活動量計を装着。
活動量は、歩数で記録。3つのグループに分けた。
術前と術後の身体活動、入院日数(Length of stay:LOS)、術式の関係について、患者背景や臨床特性、手術の詳細を補正した一般化された回帰モデルを用いて評価。

<結果>
66人の患者が参加。平均年齢66.1歳、女性32人
低活動(21人)、中等度活動(27人)、高活動(18人)に分類。
性別、併存症、切除範囲、術式にグループ間に違いはなかった。
年齢、併存症、切除範囲、術式、合併症で補正したモデルにおいて、術前高活動は入院、外来ともに術後の高活動と関連していたが、LOSとは関係なかった。

<考察>
LOSはいくつかの要因で補正後、術前と術後の身体活動とは関連していなかった。
しかし、術前と術後の活動の関係は、年齢や術式、切除範囲やその他の要因に関係なかった。
入院と外来患者において、回復過程をデザインし、介入を行うための枠組みを提供した。

・LOSや合併症、再入院、死亡率のような術後回復に関するアウトカムの研究は盛んにおこなわれている。
・術後の活動が遅くなると、予防可能な合併症を引き起こす可能性がある。さらに、高い身体活動は、QOL向上、慢性疾患の予防、精神障害の予防に関連する。
・この研究の目的は、肺切除術を行った患者の術前と術後の身体活動を測定し、より高い身体活動レベルがLOSを減少させるかについて検討すること。

・2015-2017年に単施設(Virginia Mason Medical Center, Seattle, WA)で行われた観察研究。
・活動量測定には、Fitbit Zipを使用。
→低コスト($50)でバッテリー持ちがよく、記録ができる。足首にストラップで装着。

・歩数を測定し、術前30日間と術後入院期間を含め30日間装着。
・患者報告型の活動量(the Rapid Assessment of Physical Activity (RAPA) questionnaire)も、開始時、術後初回外来時に評価。




2021/03/07

周術期リハの終了基準

Discharge criteria from perioperative physical therapy

Chest (IF: 8.308; Q1). 2002 Feb;121(2):488-94. 


<目的>
周術期理学療法から退院すべき患者の評価指標としての、退院基準とスコアリングシステムの妥当性と信頼性について検討すること。

<方法>
術後理学療法退院スコアリングツール(the postoperative physiotherapy discharge scoring tool (POP-DST))は、患者が周術期リハを終了すべきかをスコアリングするツールである。
5項目(移動、呼吸音、拝痰、酸素化、呼吸数)で構成され、6点から15点でスコアリングする。
13点以上が退院基準。
POP-DSTの妥当性は、フォーカスグループと郵送アンケートで検討。
検者間信頼性は、2人のセラピストに術後の患者を評価させた。
妥当性は、POP-DSTスコアとセラピストの判断する退院基準との比較で検証。
加えて、PTを終了する患者は、7-10日フォローし、呼吸器症状の悪化が無いかを追跡した。
対象は、144人の周術期患者。

<結果>
検者間信頼性は、中等度の高さであった(級内相関係数0.76、r=0.77)。
このツールでの終了基準とセラピスト判断の終了基準に強い関連を認めた(kappa range 0.91-0.96)
POP-DSTで術後肺合併症が進行しない患者の予測能力は94%。

<考察>
POP-DSTは術後の患者におけるPTを終了するかの意思決定を促すツールであった。
強い妥当性、信頼性を示した。
より完全な妥当性を示せるよう検証すべきである。

2021/03/01

大腿骨頚部骨折術前のアルブミン値が、術後肺炎の予測因子

 Preoperative Serum Albumin Level As A Predictor Of Postoperative Pneumonia After Femoral Neck Fracture Surgery In A Geriatric Population

Clin Interv Aging (IF: 3.023; Q1). 2019 Nov 13;14:2007-2016. 


<目的>
大腿骨頚部骨折は、高齢者に多い。術後肺炎は、致命傷であり、術後の合併症として最も多い。
しかし、低アルブミン血症の患者が術後肺炎の発症しやすさが懸念されているが、検討したものはない。
新たに発症した術後肺炎と低アルブミン血症の関係を検討し、低アルブミン血症が高齢者で大腿骨頚部骨折後の肺炎発症の独立したリスク因子となるかについて検討した。

<方法>
西安市赤十字会医院(中国)で2018年に大腿骨頚部骨折の手術を行った65歳以上の患者
術後30日間の記録を後方視的に検索
術後肺炎のあったグループとなかったグループに分け、臨床的特性を比較。
2項ロジスティック回帰分析にて、患者背景、術前並存症、検査結果、手術要因による術後肺炎のリスク因子を同定した。

<結果>
720人の患者が対象。54人が術後肺炎発症。発症率は7.5%。
術後肺炎患者は、入院日数が長かった。
ロジスティック回帰分析にて術前血清アルブミンレベル(OR5.187)、COPD(OR3.819)、脳卒中の既往(OR3.107)、受傷から手術までの時間(OR1.076)が、術後肺炎発症の独立した予測因子であった。

<考察>
術前の血清アルブミンレベルが、術後肺炎の予測因子であり、COPD、脳卒中の既往、手術までの時間も考慮された。
大腿骨頚部骨折後の手術を行う患者において、術前の血清アルブミンレベルを周術期のモニタリング項目に加えるべきである。

2020/10/23

肺がん術後の理学療法介入で、術後活動量は増えるか?

 In-Hospital Physiotherapy and Physical Recovery 3 Months After Lung Cancer Surgery: A Randomized Controlled Trial

Integr Cancer Ther (IF: 2.379; Q1). Jan-Dec 2019;18:1534735419876346.


<背景>
肺がんは、がんの種類で最も多く、死因の一つである。手術は、根治治療の第一手段である。術後合併症予防のために、理学療法がルーチンで処方されるが、これらのエビデンスは限定的である。
この研究の目的は、入院中の理学療法が、術後運動耐容能、身体活動、肺機能へ影響するかを検討すること。

<方法>
107人の患者が対象。単施設での単盲検ランダム化試験。
入院中に理学療法を行う群と行わない群(コントロール群)にランダムに振り分け。
評価は、術前と、術後3か月後に実施。
入院中の理学療法の内容は、早期離床、歩行、呼吸練習、胸郭可動域訓練。
運動耐容能は6MWTで評価。
身体活動レベルは、加速度計と高齢者用IPAQを使用。

<結果>
全対象者の術後3か月後の運動耐容能は、術前と比べて低下していた有意に低下していた)(p=.047)
2群間で、運動耐容能、身体活動性、肺機能、息切れに明らかな違いはなかった。
しかし、介入群の自己報告身体活動レベルが、術前から術後3か月後に著明に増加しており、
コントロール群では認められなかった。

<考察>
肺がん術後の理学療法を入院中に行った群で、術後3か月後の運動耐容能、身体活動、肺機能に優位性は見られなかった。






2020/10/13

術後合併症の発生をSPPB10点未満で予測

 Short-Physical Performance Battery (SPPB) score is associated with
postoperative pulmonary complications in elderly patients undergoing lung
resection surgery: A prospective multicenter cohort study

Chron Respir Dis (IF: 2.168; Q2). Jan-Dec 2020;17:1479973120961846.


<背景>
肺切除術を予定している高齢者は、しばしば身体機能が低下しており、術後呼吸器合併症の高いリスクがある。
目的は、肺切除術を予定している患者において、術前の身体機能が術後呼吸器合併症に影響するかを検証すること。

<方法>
前向き多施設共同研究。患者特性と術後呼吸器合併症をSPPBスコア10点未満と10点以上に分けた。
術後呼吸器合併症は、Clavien-Dindo classification systemのgradeⅡ以上と定義。
術後呼吸器合併症への身体機能の影響を多変量階層ロジスティック回帰分析を使用。

<結果>
SPPB≧10点が331人、SPPB<10点が33人で比較された。
SPPBスコアが低い患者では、術後呼吸器合併症が発症するリスクが非常に高かった。(p < 0.001).
SPPBスコアが低いことは、術後呼吸器合併症の高いリスクと関連していた (odds ratio, 8.80; p < 0.001)。

<考察>
SPPBは、周術期患者の身体機能評価として優れたツールである。
SPPBで低身体機能であることは、肺切除術後の呼吸器合併症を予測するかもしれない。

・POD7での呼吸器合併症の発症リスクは、SPPB10点未満は、7.02倍

2020/07/01

肺高血圧症患者への運動介入効果

Exercise Training Improves Peak Oxygen Consumption and Haemodynamics in Patients With Severe Pulmonary Arterial Hypertension and Inoperable Chronic Thrombo-Embolic Pulmonary Hypertension: A Prospective, Randomized, Controlled Trial

Eur Heart J . 2016 Jan 1;37(1):35-44. 


<目的>
右心機能や肺循環をまだ侵襲的に評価していない肺高血圧症(PH)、右心不全患者に対する運動の影響を調べること。
前向きランダム化比較試験で最大酸素摂取量、血行動態、今後の合併症に対する運動療法の効果を検討した。

<方法>
87人の肺動脈高血圧と手術可能な慢性血栓塞栓性肺高血圧患者で安定期の治療を行っている患者。
無作為にコントロールグループと介入グループに分けた。
薬物治療は介入期間中は変更しなかった。
安静時と運動時の右心カテーテルと非侵襲的評価をベースラインと15週後に実施。
プライマリーエンドポイントは最大酸素摂取量の変化。
セカンダリーエンドポイントは血行動態の変化。


<結果>
トレーニンググループで最大酸素摂取量は著明に増加。
安静時と運動中の心係数(Cardiac Index:CI)、平均肺動脈圧、肺血管抵抗、6MWD、QOL、運動耐容能はトレーニンググループで著明に改善。

<考察>
週4-7回の低強度運動は、最大酸素摂取量、血行動態、合併症の発生を有意に改善させた。
安静時と運動時のCIが上昇しているのは、右心室機能の改善を示しているかもしれない。
今後、大規模多施設共同での結果が必要である。


・対象
肺高血圧、手術可能なor慢性血栓塞栓性肺高血圧症(CTEPH)、慢性右心不全患者
過去2ヶ月安定期治療を行っている
コントロールグループは、介入期間中に運動やいかなるアドバイスも受けない

・リハビリプログラム
期間:入院3週と自宅運動12週
時間、頻度:入院中は1日最低1.5時間(合計)を毎日、自宅では1日最低15分を週5回実施
内容:インターバルで低負荷のサイクルエルゴメーター、ウォーキング、1.0kg以下のダンベル運動、呼吸練習(週5日)

酸素療法:運動中SpO2 <90%となる患者に対しては、酸素3-10L/minの酸素吸入を行いながら運動。
運動と並行して、メンタルトレーニングも実施。



2020/06/24

術後1年以内の死亡率に影響するのは

Association of Functional, Cognitive, and Psychological Measures With 1-Year Mortality in Patients Undergoing Major Surgery

JAMA Surg. 2020;155(5):412-418.


<背景>
多くの高齢者は術後死亡率のリスクが高いにも関わらず、大手術を行う。身体機能、認知機能、心理状態を評価し、高齢者の健康に関して重要な要素が知られているにも関わらず、術後アウトカムの悪化リスクの評価として使用されていない。

<目的>
身体機能、認知機能、心理機能を評価し、大手術を行った高齢者の1年間の死亡率との関係を調査すること。

<方法>
66歳以上の高齢者が対象。大手術は、腹部大動脈瘤、冠動脈バイパス術、大腸切除術を含む。

<主なアウトカム>
術後1年間の死亡率。
ADL、手段的ADL、歩行できないこと、認知機能、抑うつの既往をから関連する要素を評価。

<結果>
1341人の患者が対象
平均年齢76歳、55%は女性。
患者の内訳は、
腹部大動脈瘤 7%
冠動脈バイパス術 42%
大腸切除術 42%

17%の患者が1年以内に死亡。

年齢、併存症、術式、性別、人種、収入、教育を補正し、1年以内の死亡率と関連していたのは、
1つ以上のADL介助(adjusted hazard ratio [aHR], 2.76; P = .001)
1つ以上の手段的ADL介助(aHR, 1.32; P = .05)
歩行困難(aHR, 1.64; P = .01),
認知症(aHR, 1.91; P = .03)
抑うつ(aHR, 1.72; P = .01)

リスク因子が増えると、1年以内の死亡率が増加した。(0 factors: 10.0%; 1 factor: 16.2%; 2 factors: 27.8%)

<考察>
高齢者のコホートにおいて、223人(17%)が大手術後1年以内に死亡しており、身体機能、認知機能、心理機能が死亡率と関連していた。
身体機能、認知機能、心理機能を術前に評価することが手術の意思決定や患者への説明に組み込まれる必要がある。

2020/05/17

胸部外科の周術期リハの効果

Effectiveness of perioperative pulmonary rehabilitation in thoracic surgery.

J Thorac Dis. 2017 Jun;9(6):1584-1591.


<背景>
手術可能な肺がん患者や慢性呼吸器疾患患者にとって、身体機能は重要である。
目的は、周術期呼吸リハ(PR)が、身体機能やQOLに有効であるかを検討した。

<方法>
208人のCOPD患者(平均年齢63歳、%FEV1.0 62%)が周術期PRに参加。
患者の72%に初発の肺がんを認めた。
術前リハのみ参加が68人。
術前後に参加したのが72人。
術後のみ参加が68人。
PRプログラムは、呼吸練習、個別トレーニング、禁煙。
肺機能、6MWTをリハ前後に測定。
QOL(CATとmMRC)も同様に測定。

<結果>
%FEV1.0と6MWTが著明に改善。
PRの効果として、FVC、握力、mMRC、CATでも著明な改善を認めた。
平均集中治療期間は、術前PRは3.8日、術後PRのみは3.6日

<考察>
手術前後にPRを行うことは、運動耐容能とQOLを改善させる。


・ハンガリーで2012年から2015年に、208人の周術期COPD患者を対象に実施
・個別トレーニングプログラム
午前に30分の呼吸練習、胸郭モビライゼーション、呼吸コントロール、吸入、排痰、心理状態の改善、禁煙、個別トレーニング

個別の運動:サイクリングorトレッドミルでの持続orインターバルトレーニングを10-30分、1日2-3回、最大強度の60-80%
リハ期間は3週間
息切れと下肢疲労感のBorg scaleがともに「7」を目標に負荷を漸増

Figure 2
PRE:術前のみ介入
PPO:術前後介入
POS:術後のみ介入

以下は、原著の表を参照・・・
・術前後に介入しても、術前の6MWDまで術後に回復はしていなかった。
・術後のみでも、6MWDは改善していた。

2020/02/12

胸腔鏡下肺切除術後の理学療法が必要な患者の特性

Video-assisted thoracoscopic lobectomy: which patients require postoperative physiotherapy?

Physiotherapy (IF: 2.534) 2019 Jan 11.

https://www.physiotherapyjournal.com/article/S0031-9406(19)30006-9/fulltext

<背景>
胸部術後の理学療法は、肺容量減少の抑制、分泌物クリアランスの予防、活動性の改善のために推奨されている。しかし、VATSで最小限の侵襲の患者に対して、理学療法を行うことが求められているとは言えない。
目的は、VATS肺葉切除を行い、リハを行った患者で、純粋な問題の発生頻度を調査。理学療法で効果のあった患者のベースラインの患者因子を評価。

<方法>
ガンなどにて肺葉切除を行った患者を前向きに収取し、研究。
標準的な肺合併症(PPCs)予防のために、看護師が術後1日目(POD1)に離床を実施。
理学療法評価は、POD1に全患者に実施。リハ介入の可能性や治療について指示した。
アウトカムは、肺合併症の発生、入院もしくは行動治療ユニットの在室日数。

<結果>
285人中、209人(73%)が、活動量減少予防のために理学療法を実施。23人(8%)は排排痰について、65人(23%)は、肺容量切除の特異的な治療を実施。76人(27%)は、入院期間が著明に短く、合併症なく改善していることを反映した。
COPD、BMI、術前活動量、年齢は、独立して理学療法介入と関係していた。

<考察>
VATS肺葉切除で多くの患者が理学療法介入が必要であることが示された。
筆者は、この手術を受ける患者すべてに理学療法評価をルーチンで実施することを推奨さうる。
COPD、BMI、術前身体活動、年齢は、もっとも術後理学療法の効果を享受すべき患者を早期に発見するために必要であるが、これらの因子は理学療法が必要であることを予測できない。

・患者は、手術当日に入院し、手術を受ける。術後は、集中治療室にて管理。疼痛コントロールは、硬膜外麻酔、脊柱もしくは全身オピオイド投与。
術後1日目の標準的ケアは、看護師によるベッド端座位から患者ができる限り、安全にできるところから早期モビライゼーションを実施。
また、術後1日目に、胸部外科専門の理学療法士は、無気肺、排痰、運動耐容能を評価。
理学療法士は、必要に応じて排痰などから開始。標準ケアよりも多く活動し、身体活動レベルを低下させないように介入。


2020/01/19

術前6MWD≦450mは術後肺炎と関連

Preoperative six-minute walk distance is associated with pneumonia after lung resection.

Interact Cardiovasc Thorac Surg. 2018 Feb 1;26(2):277-283.

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29049742

<目的>
肺切除術患者の術前身体機能と術後肺炎の関連についてあまり知られていない。
術前6分間歩行距離(6MWD)と術後肺炎の関係について検討した。

<方法>
名古屋大学病院にて肺切除術を行った患者を後方視的に検討。術前肺機能、6MWTを評価。
ロジスティック回帰モデルとROC曲線で臨床的変数と6WMD、FEV1.0、DLCOを比較。

<結果>
321人の患者が対象。うち、283人は初発の肺がん、38人が転移性肺がん
肺炎は13人の患者で発症し、術後入院期間が延長していた。
肺炎発症した患者の術前6MWDは肺炎の無い患者よりも著明に短い(425 vs 500 m, P = 0.002)
ROC曲線にて、6MWD ≤ 450 mが術後肺炎を予測するカットオフであった(感度69.2%、特異度71.1%)
ロジスティックモデルにて、術後肺炎と関連していたのは、6MWD<450m、%FEV1.0<80%、%DLCO<80%、血清アルブミン<3.5g/dl、術中出血量>200g

<考察>
術前6MWDは術後肺炎の発症と関連していた。


・周術期リハは、全患者に同様のリハを提供。モビライゼーション、歩行、呼吸練習、筋力トレーニング。
・術前1-14日実施(中央値1日)
・術後合併症は、術後30日間の発症を調査。術後合併症は、the Clavien–Dindo classificationで評価。

・肺炎は術後3-9日に発症。術後入院期間が延長していた。
・6MWD≦450mは肺炎発症リスクが5倍であった。
・低アルブミンが術後呼吸器合併症の予測因子であることは知られており、筋肉量の減少によって筋機能の異常が栄養不良の原因かもしれない。

The distribution of 6MWD (m) and postoperative pneumonia in analysed population (n = 321). 6MWD: 6-min walk distance.

Area under the receiver operating characteristics curves for the risk of postoperative pneumonia as determined by preoperative 6MWD, % of predicted values of FEV1 and DLco. DLco: diffusion capacity of the lung for carbon monoxide; FEV1: forced expiratory volume in 1 s; 6MWD: 6-min walk distance.

2019/12/23

肺がん術後の理学療法は入院中の身体活動を向上させる。

In-hospital physiotherapy improves physical activity level after lung cancer surgery: a randomized controlled trial.

Physiotherapy (IF: 2.534) 2019 Dec;105(4):434-441.

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/30871894

<目的>
肺がんの手術を行った患者は、理学療法がルーチンに処方される。ルーチンに使用されているにも関わらず、術後の身体的な回復の効果に関して示されていない。
目的は、術後の理学療法が、病院での身体活動レベルと運動耐容能を改善させるかを検討すること。

<方法>
単盲検無作為化比較試験
大学病院胸部外科にて、肺がん選択的胸部手術を行った患者94名において、在院日数を評価
介入は、日常的な理学療法の実施。モビライゼーション、歩行、肩の運動、呼吸練習。
対称グループは、理学療法を行わない。
アウトカムは、病院での身体活動を加速度計(Actigraph GT3X+)を用いて測定、6MWT、肺機能、息切れスコア

<結果>
介入群の方が、術後最初の3日間において、より活動的で、1時間あたりの歩数が多かった。
6MWTと肺機能(FEV1.0)は著明な違いは無かった。

<考察>
病院で理学療法を行った患者は、術後初日の身体活動レベルが高かった。しかし、6MWTや肺機能の値では違いが無かった。
術後早期の身体活動レベルの向上が臨床的に重要であり、さらなる検討が求められる。


2019/12/19

術前ピークフローが肺葉切除術後の肺合併症(PPCs)を予測

Can Preoperative Peak Expiratory Flow Predict Postoperative Pulmonary Complications in Lung Cancer Patients Undergoing Lobectomy?

Zhongguo Fei Ai Za Zhi. 2017 Sep 20;20(9):603-609.

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28935013

<背景>
術後肺合併症(PPCs)、特に術後肺炎(postoperative pneumonia (POP))は、肺がん術後患者の早期回復に直接影響する。最大呼気流速(Peak expiratory flow (PEF))は、気道開通性や効果的な咳嗽に影響する。さらに、咳嗽の機能障害は、気道分泌物の蓄積を導くかもしれず、PPCsのリスクを増大させる可能性がある。
この研究の目的は、術前PEFがPPCsに影響するかを検討した。

<方法>
後方視研究。2014年から2015年に西中国の四川省大学病院で肺葉切除術を行った433人の肺がん患者が対象。
術前PEFとPPCsの関係を患者背景と臨床データを基に分析。

<結果>
術前PEF値は、PPCsのあったグループで著明に低下していた280.93±88.99 L/min vs 358.38±93.69 L/min
ロジスティック回帰モデルにおいて、PEFと手術時間が、PPCsの独立した予測因子であった。
ROC曲線で、PPCsを予測するカットオフ値は320L/min (AUC=0.706, 95%CI: 0.661-0.749)であった。
PEF<320L/minのグループでは、PEF>320L/minよりもPPCSの発生割合が多かった(26.6%vs9.4%)。

<考察>
術前PEFとPPCsは相関しており、PEFはPPCsの予測として有用かもしれない。

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2019/12/17

術前の高強度インターバル運動はアウトカムに影響しない?

Short-term preoperative exercise therapy does not improve long-term outcome after lung cancer surgery: a randomized controlled study

Eur J Cardiothorac Surg. 2017 Jul 1;52(1):47-54.

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28419206

<目的>
有酸素運動能力の低下は、肺がん患者における長期間生存率やQOLに影響するリスク因子である。
この無作為化試験は、肺がん手術前にリハビリを高強度インターバル(HIIT)で行い、心肺機能や長期間術後アウトカムへの影響を検討すること。

<方法>
周術期肺がん患者を無作為に通常ケア(n=77)とHITTを行う介入群(n=74)に分け術前のみ実施。
心肺運動負荷試験(CPET)と肺機能検査(FVC、FEV1、DLCO)を術前と1年後に実施。

<結果>
術前待期期間(中央値25日)中に、リハを行った患者は、中央値8回のHITTを実施。
1年後、通常ケアの91%、リハ群の93%が生存。
肺機能は、両グループで著明な違いなし。
術前CPETの結果と比較すると、両グループで似たような最大酸素摂取量の低下を示した。

<考察>
HITTを含めた術前短期間リハビリは、肺切除術後1年後の運動耐容能や肺機能を改善させなかった。

・介入内容
週3回エルゴメーターを用いたHITTを実施。
最大負荷の50%で5分ウォーミングアップした後、10分のセッションを2回。
最大運動負荷で15秒スプリントと15秒インターバルを実施。
2回のセッション間には4分間休憩。
終了後、クールダウンを最大負荷の30%で5分。
運動負荷は、それぞれのセッションにおいて最大心拍数に近づくように調整。
全患者に活動的な活動とリスク因子の管理についてアドバイス。

肺切除は、開胸もしくはVATSにて実施され、抗菌薬、排痰、硬膜外麻酔など標準的な周術期介入を実施。

ルーチン理学療法として、インセンティブスパイロを使用した深呼吸練習、咳嗽運動、活動介助を実施。

・術前のHITTを含む運動プログラムは、術前の運動パラメーターを改善させ、通常ケアと比べて術後肺合併症を45%減少させた。
・術後肺機能は、切除後最初の2週間はFVCとFEV1は直線的に減少し、その後3-6ヶ月かけて回復していくことは知られている。
術後酸素摂取量は肺機能の損失よりも大きい。
Preoperative and 1-year postoperative measurements of FVC (A), FEV1 (B) and KCO (C) in the UC () and the Rehab group (). No difference between the 2 groups, bars indicate standard deviation.
青:通常ケア
赤:介入群

Preoperative and 1-year postoperative measurements of VO2peak (A) and WRpeak (B) in the UC () and the Rehab group (). P-values for intra-group comparison, preoperative baseline versus 1-year post-resection are shown on top, bars indicate standard deviation.
青:通常ケア
赤:介入群

・術後の運動や毎日身体活動を行うようにといった患者教育を行っていなかったことが、通常ケアとリハ群で酸素摂取量が低下した要因かもしれない。

2019/12/13

肺がん患者への運動テストの実用性

The Utility of Exercise Testing in Patients with Lung Cancer

J Thorac Oncol (IF: 12.46) 2016 Sep;11(9):1397-410.

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27156441


術前病態や死亡率と種々の臓器への治療侵襲は、肺がん治療と関連している。
治療選択肢として、ベネフィットと損害の重みを評価することが必要である。

運動テストは、患者の身体機能や運動耐容能を評価するために行われる。
肺がんにおいて、肺がん切除のリスク層別化評価するためによく用いられる。
近年、手術を行わない患者やがんサバイバーを含めて、運動評価方法について議論されている。

このレビューでは、肺がんと運動評価の生理学について述べる。


肺がん患者を対象にした運動評価を4つの場面(肺切除術術前、切除術後、予後、トレーニング効果の評価)に分けて調査した。

運動テストの種類は、心肺運動負荷試験、6分間歩行試験、シャトルウォーキングテスト、階段昇降試験。

最後に、治療を行ううえで、考慮すべきリスク評価の枠組みの概念について述べる。

【肺がんと運動テストの生理学】
肺がん患者において、運動制限は、がんや併存症、医療の影響をうける。がん関連の貧血や筋委縮、筋機能障害が酸素含量や使用を制限している可能性がある。
換気とガス交換の制限は、主に肺疾患に併存しており、変時不全(chronotropic incompetence;心拍予備能の低下)や循環障害は、心疾患合併による虚血やリモデリングによって拍出量が制限される。
肺がん治療は呼吸器や循環器の障害を引き起こす。
がんに付随する不活動は、併存症であり、筋力やコンディショニングの減少に影響し、さらなる運動耐容能低下を引き起こす。

【6MWT】
6MWDは呼吸不全と関連しており、6MWD>300mは術後90日の生存率を予測した。これらの報告から、ERS/ESTS(欧州呼吸器学会/欧州呼吸外科学会)では、術前評価に6MWTを推奨した。
6MWTが肺がん切除前において重要な役割をもつ。
6MWTが300-500m以上は、周術期合併症のリスクが低い。

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ppo:predicted postoperative

2019/12/06

肺切除後の肺機能とシャトルウォーキングテストの回復

The Effect of Lung Resection on Pulmonary Function and Exercise Capacity in Lung Cancer Patients

Respir Care 2007;52(6):720 –726

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17521461

<目的>
肺がん患者で、肺機能と運動耐容能(シャトルウォーキングテスト)において肺切除の影響を調査すること。

<方法>
肺葉切除(73人)もしくは一側肺切除術(37人)の前、1カ月後、3か月後、6か月後に肺機能検査とシャトルウォーキングテストを実施。
全患者は標準的な後外側開胸術を実施。
88人の患者が全3回の術後評価を完了した。

<結果>
切除後6ヵ月で、葉切除術患者は術前FEV1.0の15%を喪失し、運動耐容能は16%減少。
一側肺切除患者では、FEV1.0の35%、運動耐容能の23%を喪失。

<考察>
葉切除患者において、機能回復が著明に減少しており、肺機能と運動耐容能の間に同様の低下を認めた。
一側肺切除術患者では、より大きな機能的回復の減少が見られており、肺機能と相対的な運動耐容能の減少は不均衡であった。
したがって、肺機能テストの値からは、一側肺切除患者では運動耐容能の減少を大げさに予測するかもしれない。
これは、肺切除を必要とする多くの肺がん患者で周術期合併症のリスクに対する備えに必要である。しかし、長期間の運動耐容能に関しては不明である。

・全患者は標準的な後外側開胸術を実施。術後理学療法は、呼吸練習と早期離床をそれぞれの患者に実施。

    

    



2019/10/01

術前短期間のリハ介入の効果

Preoperative short-term plus postoperative physical therapy versus postoperative physical therapy alone for patients undergoing lung cancer surgery: retrospective analysis of a nationwide inpatient database.

Eur J Cardiothorac Surg. 2018 Feb 1;53(2):336-341.

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28950377

<目的>
肺がん術前3日間の理学療法と術後理学療法の実施が、術後理学療法のみと比較して、術後呼吸器合併症(PPCs)の発生や30日後の死亡率を減少させるかを検討すること。

<方法>
日本のDPCデータベースを用いた後方視コホート研究。
2010-2015年に18歳以上で非小細胞肺がん手術を行い、術後1日もしくは2日目に理学療法を実施した患者が対象。
30日後死亡率とPPCs(肺炎、誤嚥性肺炎、呼吸不全)の発生を、術前3日間理学療法を行った群と術後理学療法のみを行った群を1:1で割り付けして比較した。

<結果>
21259人の患者が対象。
30日後死亡率は術前の理学療法の有無で有意差なし(0.2% vs 0.2%)。
PPCsの発生も有意差無し(2.4% vs 2.0%)

<考察>
術前短期間理学療法は、術後理学療法のみと比較して、30日後死亡率やPPCs発生を減少させなかった。


後方視なので、リハの内容までは精査出来なかった様子。
「日本では20分以上のリハセッションを受ける。評価、教育、運動療法、早期歩行、呼吸練習、排痰などが行われる」としか内容までは記載見当たらず。。