2020/08/21

長期入院病院でのFSS-ICUの有効性

 The Clinical Utility of the Functional Status Score for the Intensive Care
Unit (FSS-ICU) at a Long-Term Acute Care Hospital: A Prospective Cohort Study

Phys Ther (IF: 3.14). 2012 Dec;92(12):1536-45. 

<背景>
長期救急病院(LTACHs:長期入院を必要とする患者の治療を専門とする病院)は、短期入院の期間を超えて医学的な治療を必要とする患者が入院している。この病院機能での機能的なアウトカムの報告はわずかである。
目的は、(1)LTACH場面におけるFSS-ICU(the Functional Status Score for the Intensive Care Unit)の有効性を評価すること、(2)FSS-ICUと退院場所の関連を調査すること。

<方法>
対象は、LTACHに入院している101人の患者(中央値年齢70歳、女性39%)
退院先で5グループに分けた(1)自宅(n=14)、(2)入院リハビリ病棟(n=26)、(3)高度介護施設(n=23)、(4)長期ケア/ホスピス(n=13)、(5)短期療養型病院(n=25)
アメリカのLTACH38床のデータを8か月間、前向きに収集。
機能状態は、入院4日以内にFSS-ICUでスコア化し、退院まで2週間ごとに評価。


<結果>
退院までに、FSS-ICUスコアは9点から14点に改善。退院時のFSS-ICUスコアは退院先別に異なっていた
自宅:28点、入院リハ:21点、介護施設:14点、長期ケア/ホスピス:5点、短期療養型:4点(いずれも中央値)

<考察>
LTACHで治療を行っている患者は、退院までの期間でFSS-ICUスコアが改善していた。
FSS-ICUスコアは、退院先を差別化し、LTACHでの患者の機能的な改善を反映していた。

※FSS-ICUとは
5項目(寝返り、起き上がり、支持なしで座位、起立、歩行)から構成される。それぞれを0-7点で評価し、35点満点で評価するもの。
Zanniらの報告をもとにスコア化。
0点:身体的制限や治療状況のために遂行不可
1点:全介助
2点:最大介助(患者が25%以下の実施)
3点:中等度介助(患者が26-74%以下の実施)
4点:最少介助(患者が75%以上の実施)
5点:口頭指示のみ
6点:修正自立
7点:自立
-Example Scale for Scoring the Functional Status Score for the ICU*
FIMのスコアリングとほぼ同じ感じ。

転帰予測には有効か。