2019/12/23

肺がん術後の理学療法は入院中の身体活動を向上させる。

In-hospital physiotherapy improves physical activity level after lung cancer surgery: a randomized controlled trial.

Physiotherapy (IF: 2.534) 2019 Dec;105(4):434-441.

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/30871894

<目的>
肺がんの手術を行った患者は、理学療法がルーチンに処方される。ルーチンに使用されているにも関わらず、術後の身体的な回復の効果に関して示されていない。
目的は、術後の理学療法が、病院での身体活動レベルと運動耐容能を改善させるかを検討すること。

<方法>
単盲検無作為化比較試験
大学病院胸部外科にて、肺がん選択的胸部手術を行った患者94名において、在院日数を評価
介入は、日常的な理学療法の実施。モビライゼーション、歩行、肩の運動、呼吸練習。
対称グループは、理学療法を行わない。
アウトカムは、病院での身体活動を加速度計(Actigraph GT3X+)を用いて測定、6MWT、肺機能、息切れスコア

<結果>
介入群の方が、術後最初の3日間において、より活動的で、1時間あたりの歩数が多かった。
6MWTと肺機能(FEV1.0)は著明な違いは無かった。

<考察>
病院で理学療法を行った患者は、術後初日の身体活動レベルが高かった。しかし、6MWTや肺機能の値では違いが無かった。
術後早期の身体活動レベルの向上が臨床的に重要であり、さらなる検討が求められる。