2019/12/13

肺がん患者への運動テストの実用性

The Utility of Exercise Testing in Patients with Lung Cancer

J Thorac Oncol (IF: 12.46) 2016 Sep;11(9):1397-410.

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27156441


術前病態や死亡率と種々の臓器への治療侵襲は、肺がん治療と関連している。
治療選択肢として、ベネフィットと損害の重みを評価することが必要である。

運動テストは、患者の身体機能や運動耐容能を評価するために行われる。
肺がんにおいて、肺がん切除のリスク層別化評価するためによく用いられる。
近年、手術を行わない患者やがんサバイバーを含めて、運動評価方法について議論されている。

このレビューでは、肺がんと運動評価の生理学について述べる。


肺がん患者を対象にした運動評価を4つの場面(肺切除術術前、切除術後、予後、トレーニング効果の評価)に分けて調査した。

運動テストの種類は、心肺運動負荷試験、6分間歩行試験、シャトルウォーキングテスト、階段昇降試験。

最後に、治療を行ううえで、考慮すべきリスク評価の枠組みの概念について述べる。

【肺がんと運動テストの生理学】
肺がん患者において、運動制限は、がんや併存症、医療の影響をうける。がん関連の貧血や筋委縮、筋機能障害が酸素含量や使用を制限している可能性がある。
換気とガス交換の制限は、主に肺疾患に併存しており、変時不全(chronotropic incompetence;心拍予備能の低下)や循環障害は、心疾患合併による虚血やリモデリングによって拍出量が制限される。
肺がん治療は呼吸器や循環器の障害を引き起こす。
がんに付随する不活動は、併存症であり、筋力やコンディショニングの減少に影響し、さらなる運動耐容能低下を引き起こす。

【6MWT】
6MWDは呼吸不全と関連しており、6MWD>300mは術後90日の生存率を予測した。これらの報告から、ERS/ESTS(欧州呼吸器学会/欧州呼吸外科学会)では、術前評価に6MWTを推奨した。
6MWTが肺がん切除前において重要な役割をもつ。
6MWTが300-500m以上は、周術期合併症のリスクが低い。

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