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2026/02/04

酸素療法による運動能力向上は予後と関連しない

Exercise response to oxygen supplementation is not associated with survival in hypoxemic patients with obstructive lung disease.

 Int J Chron Obstruct Pulmon Dis. 2018 May 17;13:1607-1612. 



<目的>
動作時低酸素血症のある患者において、酸素療法による運動への反応、効果を予測できるかを検証すること。

<対象>
室内気(RA)と酸素使用にて2回6MWTを行った患者
全ての患者は、RAにて低酸素血症(4%以上の低下もしくはSpO 2<88%)を認めた
酸素療法によるレスポンダーの定義:MIDである26m以上の改善があった患者

<統計解析>
student t検定:背景比較
t検定:酸素付加ありとなしで6MWTのパラメーターの比較
カプランマイヤー検定とlog-rankテスト:酸素療法の反応と生存時間の比較
Cox回帰モデル:死亡率に最も影響する変数を同定

<結果>
174例の患者が対象(男性50%)、平均年齢70歳
疾患の内訳:COPD116例、気管支拡張症44例、重症喘息13例
長期間酸素療法の内訳:長期酸素療法使用80例、動作時のみ酸素使用90例

酸素療法による6MWDの比較
酸素付加:平均6MWDは254m→283mに改善、MID達成77例
息切れmBorgscale:平均1.4ポイント改善
MID達成の予測因子:RAでの6MWDが短いこと(ロジスティック回帰分析)

生存期間
平均生存期間:66ヶ月、84例が亡くなっていた
酸素療法の反応と死亡率に有意な差は見られなかった
死亡リスクの予測因子:6MWTでの低酸素が著明、RAでの6MWDが短い、男性、低BMI、低ヘモグロビン
気流閉塞(肺機能)との関連は認めなかった。

2026/01/28

嚢胞性肺線維症における運動療法の効果 SR and MA 2022

Effectiveness of Physical Exercise Interventions on Pulmonary Function and Physical Fitness in Children and Adults with Cystic Fibrosis: A Systematic Review with Meta-Analysis

Healthcare (Basel). 2022 Nov 3;10(11):2205.

PMID: 36360546


<目的>
運動療法は、嚢胞性肺線維症cystic fibrosis (CF)の治療において、いくつかの有益な効果があり、死亡率減少と関連している。
小児もしくは成人のCF患者における運動療法の身体機能、肺機能への効果を検証すること。


<結果>
・肺機能
1秒量は変わらない。吸気圧と呼気圧(≒呼吸筋力)は改善
・運動機能
小児において最大酸素摂取量の改善はなかったが、筋力の改善を認めた。
成人において、高強度有酸素運動は、最大酸素摂取量と筋力の改善を認めた。

<考察>
小児および成人のCF患者において、運動介入は、筋力、心肺予備能、呼吸機能の改善を認めた。
しかし、肺機能の十分な改善は得られなかった。
最も有効なプログラムは、筋力もしくは心肺高強度インターバルトレーニングであるが、データ数は限定的である。

2021/06/13

気管支拡張症患者における5回起立テストの妥当性と反応性

The five-repetition sit-to-stand test (5STS) in patients with bronchiectasis: validity and reponsiveness

European Respiratory Journal 2020 56: 1830;


【背景】
5回起立(5STS)は下肢機能の評価であり、上肢の支持なしでできるだけ素早く椅子から5回起立を行う時間を測定する。COPDにおける妥当性は報告されているが、気管支拡張症でのデータはない。
目的は、気管支拡張症患者における5STSの妥当性と反応性を評価する事。

【方法】
5STS、シャトルウォーキングテスト(ISW)、MRC息切れスコア、CRQを133人の気管支拡張症患者を対象に、8週間の外来リハビリ前後で評価。

【結果】
ベースライン評価にて、5STSとMRC、ISW、CRQ 疲労感と著明に相関していた(r=0.34, -0.56, -0.23)。
呼吸リハ後、5STS、ISW、CRQ total、MRCは大きく改善。効果量は、0.48, 0.55, 0.25 and 0.39。
5STSの呼吸リハ後の変化は、ISW、CRQ、MRCの変化と関連していなかった。

【考察】
気管支拡張症患者のPRにおいて、5STSは反応しており、効果量は0.48であった。
5STSの変化は、そのほかのアウトカムとは関連しておらず、これまでのPRアウトカム評価の情報を追加することが必要かもしれない。

2020/08/13

成人気管支拡張症の身体活動量と入院の関係

 Association between physical activity and risk of hospitalisation in bronchiectasis

European Respiratory Journal 2020 55: 1902138

https://erj.ersjournals.com/content/55/6/1902138?ctkey=shareline&utm_medium=shareline&utm_source=02138-2019&utm_campaign=shareline

<背景>
気管支拡張症(BE)患者は、健康な同年代よりも活動的な生活様式が少ない。しかし、入院との関係については説明されていない。
目的は、1)身体活動の変化との関係、2)成人気管支拡張症患者で増悪によって入院した患者の座っている時間との関係を調査

<方法>
評価項目:肺機能、QOL、運動耐容能、気管支拡張症の重症度、身体活動量
身体活動は、1週間以上SenseWear armband を装着し、1日の歩数と座っている時間を測定
気管支拡張症の増悪による入院回数と最初のイベント発生までの時間を1年の追跡後まで記録

<結果>
64人のBE患者が対象。15人(23%)がフォローアップ期間に入院。
入院した患者は、入院しなかった患者と比べて、臨床的に重症であり、1日の歩数が少なく、1日の歩数が少なかった。
1日6290歩未満もしくは座っている時間が1日7.8時間以上であると、1年のフォロー後のBE増悪による入院リスクが高かった。
特に、座っている時間が1日7.8時間以上であることは、1年以内に入院しているリスクが5.9倍であった。

<考察>
ベースラインで低い身体活動と座っている時間が長いことはBE増悪入院のリスクが高いことと関連していた。

今後の研究で、これらの妥当性が明らかになれば、身体活動や座っている時間が重症スコアの項目となるかもしれない。

2018/12/16

気管支拡張症の英国胸部学会ガイドライン:リハのみ抜粋(Thorax 2019)

British Thoracic Society Guideline for bronchiectasis in adults

https://thorax.bmj.com/content/74/Suppl_1/1?etoc=

 Thorax 2019;74(Suppl 1):1–69.

【安定期の介入】
<どの患者の気道クリアランスを指導すべきか>
⇒個別にクリアランス法を指導する
⇒最初の評価にて、患者の状態について教育すべきであり、(吸入/経口治療、運動について)補助的に適切なアドバイスを行うことが、患者の気道クリアランステクニックの効果を高めるかもしれない

<どの排痰法を指導すべきか>
⇒しばしば、ACBTや呼気陽圧振動が用いられる
⇒体位ドレナージ(ポジショニング)は、禁忌でなければ気道クリアランスの効果を高めるかもしれない
⇒強制呼気(ハフィング)をすべての気道クリアランス法に取り入れるべき
⇒胃食道逆流の症状がある場合は、座位での気道クリアランスを実施する
⇒気道クリアランスを促進するために、通常の身体活動(+ハフィング)を奨励されるべき。
⇒効果が無い場合や患者が許容できない場合は、胸壁振動器具や肺内パーカッションベンチレーターの使用を検討

【どのくらいの時間排痰を行うべきか】
⇒排痰の頻度や期間は、患者個別に必要に応じて決めるべき
⇒最低10分、最高30分のクリアランス介入を進言する。これらの介入の後、患者は2回のハフィングまたは咳を患者が疲労感を感じ始めるまで行う
⇒1日1、2回の介入を推奨するエビデンスは無い


【増悪時の排痰介入】
⇒徒手的な排痰手技は、増悪で疲労している患者において、気道クリアランスを向上させるかもしれない
⇒呼気陽圧呼吸や非侵襲的換気は、呼吸仕事量の増加している患者に考慮し、より長い治療セッションや体位ドレナージに耐えられるかもしれない


【呼吸リハビリテーション】
・息切れ(mMRC≧1)によって機能制限のある患者は個別の呼吸リハを提案する
・トレーニング効果を高める方法として吸気筋トレーニング考慮する
⇒気管支拡張症の教育は運動プログラムにおいて重要
⇒運動耐用能の評価として6MWT、ISWTを呼吸リハ前後に実施する。
⇒呼吸リハは、運動と教育セッションを適切な質を持った健康ケア提供者によって提供されるべき






2018/12/08

成人気管支拡張症の管理ガイドライン【ERS2017】

European Respiratory Society guidelines for the management of adult bronchiectasis

Eur Respir J 2017; 50: 1700629

http://erj.ersjournals.com/content/50/3/1700629.short

<背景>
成人の気管支拡張症は、慢性的な病態であり、多くの患者でQOL低下や頻回の増悪と関連している。これまで国際的なガイドラインは無かった。

成人気管支拡張症の管理のための欧州呼吸器学会(ERS)ガイドラインは、適切な治療調査と治療戦略を文献のシステマティックレビューによって提示する。

呼吸器科医、微生物学、理学療法士、胸部外科、プライマリーケアによる学際的グループによって、気管支拡張症の管理に関連する方法論と最も妥当なクリニカルクエスチョンを検討した。

9つのクリニカルクエスチョンが生成され、これらの疑問に答えられるシステマティックレビューや無作為比較試験、観察研究が公表されているなかから識別された。

エビデンスの質や推奨レベルはGRADEアプローチを採用した。

結果として、増悪の治療、病原体の根絶、長期間抗菌薬治療、抗炎症、粘液活性薬、気管支拡張剤、外科治療、呼吸理学療法の基礎となるガイドラインを示した。

これらの推奨は、ヨーロッパの気管支拡張症患者のケアの質の基準となり、アウトカムの改善に利用することができる。

疾患の悪循環の概念と治療(筆者改変)


呼吸理学療法の介入フローチャート(筆者改変)

Q1.通常の理学療法(気道クリアランス、呼吸リハ)は、コントロール群(介入なし)よりも効果があるか?

A1.慢性的に排痰困難がある患者には、1日1-2回、気道クリアランス方法を教えるべきである(推奨度:弱、エビデンス;低)

A2.運動耐容能の低下のある患者には、呼吸リハに参加し、通常の運動療法を提供すべきである。
すべての介入は、患者の症状や耐久性、疾患の状態を考慮すべきである。
(推奨度:強、エビデンス;高)

2017/09/07

気管支拡張症の運動の効果

The short and long term effects of exercise training in non-cystic fibrosis bronchiectasis – a randomised controlled trial

Respir Res. 2014 Apr 15;15:44.

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24731015

<背景>
運動療法は、非嚢胞性肺線維症型気管支拡張症に対して推奨されているが、長期間の効果については明らかになっていない。無作為化試験を行い、運動療法の効果を明らかにし、気道クリアランス療法(ACT)と運動耐容能、HRQOL、急性増悪の発生を調査すること。

<方法>
無作為に8週間の監視下トレーニングとACTを行うグループと、コントロールグループに分かれて実施。プライマリーアウトカムは運動耐容能とHRQOL、セカンダリーアウトカムは、咳関連QOL(レスター咳質問票)、心理的症状(HADS)。ベースラインと介入期間終了後と6か月後、12か月後に実施評価を実施。

<結果>
85人の患者がリクルート。運動療法によって、シャトルウォーキング距離、6分間歩行距離が延長したが、6か月後と12か月後には維持されていなかった。運動療法は、息切れと疲労感を減少させたが、咳関連QOLには影響しなかった。運動療法は、急性増悪の頻度がコントロールグループよりも少なく、最初の増悪までの期間も長かった。

<結論>
気管支拡張症に対する運動療法は短期間で、運動耐容能を改善し、12か月のうち息切れ、疲労感、増悪にもいくらか効果があった。

・介入内容:週2回の運動を8週間。トレッドミルや平地歩行をISWTの最大速度の75%で処方。自転車エルゴを最大負荷の60%で処方。上下肢筋トレをダンベルもしくは自重を使って実施。
・運動負荷は、セッションごとに患者の症状に合わせて増加
・自宅での運動を1周目に提示し、非監視下での運動を週に3-5回行うように指導し、日誌に記録。
・排痰(ACT)はACBTを全ての患者に指導。

・コントロールグループは、ベースラインで中等度の身体活動を30分、週うちなるべく多く行うように指導。8週間のうち週2回まで電話でコンタクトをとり、一般的なアドバイスをうけることができたが、運動に関してのディスカッションは行わない。


運動耐容能評価の変化。A)ISWT、B)6MWT
介入直後は改善しているが、そのごはベースライン近くまで減少。維持は出来ていない。


健康関連QOL(CRDQ)
息切れと疲労感のみが9週間後改善。

最初の増悪までの期間(p<0.047)

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運動することで体力や息切れはもちろん、増悪にも影響する可能性が示されている。
それでも1年に1回は増悪している。
まったく増悪しないというのは難しい。

2016/10/11

嚢胞性肺線維症の排痰にNIVを使用した

Non-invasive ventilation used as an airway clearance treatments improves lung function during an acute exacerbation of cyctic fibrosis:a randomised trial

J Physiother. 2015 Jul;61(3):142-7

 

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26096013

 

目的

嚢胞性肺線維症の急性増悪時に非侵襲的換気(NIV)は気道クリアランスの付属として有効かを検討すること。

 

対象

40の成人嚢胞性肺線維症で、中等度から重度の患者。急性増悪で入院している。

 

介入

包括的な入院ケア(コントロールグループ)と同様のケアに気道クリアランス中のNIVを追加(介入グループ)を比較。介入は入院2日目から退院時まで実施。

アウトカムは肺機能、日中症状の程度、疲労感をthe Schwartz Fatigue Scaleで評価(7点から63点高得点ほど疲労が強い)QOL、運動耐容能、入院期間次回入院までの時間

 

結果

介入グループはFEV1.0が大きく改善していたが、統計的な有意差はなかったしかし退院時のFEV1.0はコントロールグループよりも良好であった疲労感も介入グループの方が良好

症状の程度やQOL、運動耐容能、入院期間、次回入院までの時間は両グループで変わりなかった。

 

結語

嚢胞性肺線維症の急性増悪で入院している患者にNIVを使用すると、FEV1.0と疲労感が改善した

 

・介入は、すべての患者にACBT(Active Cycle of Breathing Technique)を指導PTが徒手パーカッションやバイブレーション体位ドレナージ呼気陽圧呼吸などを追加して伝えるかを決めた

入院時にNIVに適応するためのセッションに参加2日目に機械を渡され理学療法中と安静時にNIVを実施

・症状の評価(呼吸困難と痰の量)VASを使用呼吸筋力も測定している。QOLは嚢胞性肺線維症特異的QOL評価(CFQ)を使用

・NIV併用した方がFEV1.0の改善が大きい

 

・吸気筋力は有意な改善

・再入院までの期間はほぼ同じような傾向。

 

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以前、気管支拡張症+COPD+喘息という方がいた。NPPVを使用してから喘息症状はほぼ無くなり、閉塞した気道を開くことで自己排痰もできるようになった。

今回は疲労感の軽減に有意差があったが、排痰をするということは非常にエネルギーを使うことを再確認。

NPPV併用することで痰量が増えて、かつ増悪も予防できればいいのだが。



2016/07/11

気管支拡張症患者の治療アドヒアランスと健康関連アウトカム

Treatment adherence and health outcomes in patients with bronchiectasis

McCullough et al. BMC Pulmonary Medicine 2014, 14:107

http://bmcpulmmed.biomedcentral.com/articles/10.1186/1471-2466-14-107

 

 

背景:気管支拡張症患者において、抗生剤の吸入とその他呼吸器系薬剤気道クリアランスのアドヒアランスが健康アウトカム(増悪肺機能QOL)と関係しているかを確認すること。

方法:気管支拡張症患者で吸入抗生剤(inhaled antibiotics)を1年間している患者を集めた。参加者の治療アドヒアランスとされる基準は、薬剤(修正薬剤保持スコアが80%以上)気道クリアランス(修正服薬スケールでスコアの80%以上)増悪は新たな経口もしくは点滴で抗生剤を開始したときとした。肺機能とQOL-B(気管支拡張症特異的QOL.点数が高いほどQOLは良い)はベースラインと12ヶ月後で比較した治療アドヒアランスと増悪肺機能QOL-Bの関連について相関分析を行った。

結果:75人の患者が参加35人(53%)と39人(53%)31人(41%)の患者は抗生剤の吸入薬とその他呼吸器系薬剤気道クリアランスのアドヒアランス得られた。12人(16%)の患者は全ての治療アドヒアランスが得られた。吸入抗生剤のアドヒアランスが得られた患者は、アドヒアランスが得られなかった患者と比べて、2,3回の増悪しかなく吸入抗生剤のアドヒアランスは、2,3回の呼吸器増悪と独立して関連していた。気道クリアランスのアドヒアランスは、QOL-Bの治療負担と、呼吸器症状の低スコアと関連していたそのほかの呼吸器薬剤のアドヒアランスアウトカムには関連は無かった治療アドヒアランスは%FEV1.0と関連はなかった

考察:治療アドヒアランスは気管支拡張症において低く呼吸器増悪を含む重要な健康アウトカムに影響及ぼしていた。アドヒアランスは気管支拡張症の管理の一部として測定されるようななるべきで今後気管支拡張症特異的なアドヒアランス戦略を評価すべきである

 

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あまり見ない評価スケールを使ってたので難しいけど、ちゃんと服薬して排痰をしっかりしていればある程度の増悪は防げるということみたい。

それでも、全てのアドヒアランスを得られても2,3回は増悪してしまうのか。

いかに増悪を防ぐか難しい病気である。