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2026/04/05

6MWD中の低酸素は、予後不良

Factors Associated with Exercise-Induced Desaturation in Patients with Chronic Obstructive Pulmonary Disease.

Int J Chron Obstruct Pulmon Dis. 2020 Oct 23;15:2643-2652. 


<背景、目的>
6MWTはCOPD患者の身体機能の評価に有用である。
近年、6MWT中の低酸素が増悪や死亡リスクを悪化させる可能性が示されている。
この研究では、運動時低酸素(exercise induced desaturation:EID)が、リスク因子となるかを検討することである。

<方法>
2013年から2017年の間にデータベース研究への参加を承認した成人COPD患者が対象
評価項目は、年齢、性別、BMI、既往歴、薬物療法、肺機能検査

<結果>
1768例のCOPDが対象
932例(52.7%)でEIDを認めた
836例(47.3%)でEIDを認めなかった

EIDを生じていたグループは、6MWDがより短かった(352m VS 426.5m)
多変量ロジスティック回帰分析の結果、高齢、女性、1秒量の低下、心房細動(Af)の存在が、6MW T中の低酸素を予測した
EIDグループは、1年間の増悪頻度が多かった(0.59回 vs 34.13%)
afのあるCOPD患者は、1年間のうちに、入院や増悪の日がより高かった。

<考察、まとめ>
本研究では、高齢、1秒量が低いこと、女性は、EIDのリスク因子でっあった。
6MWT中の低酸素血症は、1年以内の頻回なCOPD増悪と関連していた。

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低酸素の弊害として予後や増悪との関連があるのかも?
低酸素だから増悪するのか、低酸素によって低活動になりやすいために増悪するのか。。

2026/02/04

酸素療法による運動能力向上は予後と関連しない

Exercise response to oxygen supplementation is not associated with survival in hypoxemic patients with obstructive lung disease.

 Int J Chron Obstruct Pulmon Dis. 2018 May 17;13:1607-1612. 



<目的>
動作時低酸素血症のある患者において、酸素療法による運動への反応、効果を予測できるかを検証すること。

<対象>
室内気(RA)と酸素使用にて2回6MWTを行った患者
全ての患者は、RAにて低酸素血症(4%以上の低下もしくはSpO 2<88%)を認めた
酸素療法によるレスポンダーの定義:MIDである26m以上の改善があった患者

<統計解析>
student t検定:背景比較
t検定:酸素付加ありとなしで6MWTのパラメーターの比較
カプランマイヤー検定とlog-rankテスト:酸素療法の反応と生存時間の比較
Cox回帰モデル:死亡率に最も影響する変数を同定

<結果>
174例の患者が対象(男性50%)、平均年齢70歳
疾患の内訳:COPD116例、気管支拡張症44例、重症喘息13例
長期間酸素療法の内訳:長期酸素療法使用80例、動作時のみ酸素使用90例

酸素療法による6MWDの比較
酸素付加:平均6MWDは254m→283mに改善、MID達成77例
息切れmBorgscale:平均1.4ポイント改善
MID達成の予測因子:RAでの6MWDが短いこと(ロジスティック回帰分析)

生存期間
平均生存期間:66ヶ月、84例が亡くなっていた
酸素療法の反応と死亡率に有意な差は見られなかった
死亡リスクの予測因子:6MWTでの低酸素が著明、RAでの6MWDが短い、男性、低BMI、低ヘモグロビン
気流閉塞(肺機能)との関連は認めなかった。

2026/01/22

酸素療法のレスポンダー

 Does correction of exercise-induced desaturation by O(2) always improve exercise tolerance in COPD? A preliminary study

Respir Med. 2008 Sep;102(9):1276-86.


●summary
Reserch Question:運動誘発性の低酸素血症を補正することは、COPD患者の運動耐容能や心肺適応能力の向上に寄与するか?
運動負荷試験での連続運動時間が、酸素投与の有無で変わるかで評価


【対象、方法】
中等度から重度のCOPD患者25例
軽度の低酸素血症を呈す(安静時SpO2よりも4%以上の低下かつ漸増運動負荷試験で3分間以上SpO2<90%の時間がある)
除外:運動テストを行えない、病状不安定(過去2ヶ月以内の増悪歴)、長期酸素療法使用

・運動誘発性低酸素血症の定義
安静時よりも4%以上のSpO2低下
漸増運動試験で3分間のSpO2<90%あり

・漸増運動試験
エルゴを使用した漸増運動負荷試験
最大運動負荷(Wpeak)、最大酸素摂取量(VO2 peak)の既定、運動時の低酸素血症の探索を目的に実施

酸素療法のレスポンダーを同定する方法
・定常運動負荷試験
運動負荷試験で得られたWpeakの60%負荷で4回実施
室内気(air)と酸素投与の状況をランダムに2回ずつ実施
ペダルの回転数は50-70rpm
SpO2、息切れ、疲労感、持続時間(Tlim)を測定
実施中のSpO2が90-95%を維持できるようにFiO2を調整

・自覚症状(息切れ、下肢疲労感)の評価
VASを使用
客観的な下肢疲労感の評価のために表面筋電計で評価

・酸素療法のレスポンダーの定義
ネガティブレスポンダー(R-,酸素に反応しなかった)基準
→室内気のTlimよりも酸素投与しても10%以上Tlimが短かった(=酸素投与しても連続運動時間が変わらないor短かい)
ポジティブレスポンダー(R+,酸素に反応した)基準
→室内気のTlimよりも10%以上Tlimが長かった(=酸素投与することで連続運動時間が長くなった)

この10%という基準は、Jollyの基準( Effects of supplemental oxygen during activity in patients with advanced COPD without severe resting hypoxemia)に従って定義したとのこと

【結果】
R+は14例、R-は7例,酸素付加してもTlimが変わらなかったのが4例
R+はTlimが68%増加
R-は、低酸素血症や運動強度が同程度にもかかわらず、室内気の方がより長く運動できていた。

●酸素療法のレスポンダーの違いは?
R+の方が、呼吸数や換気量が低かった。
循環動態では、心拍数と心拍出量が少なかった。
:酸素投与により呼吸数や心拍数が少ない方が酸素療法による持続運動時間を延長が見込める?

なぜ?
→中枢神経系の受容体の影響がこの現象を説明できる。
末梢化学受容体は、酸素療法によって刺激される。この刺激は、脊髄内の呼吸中枢や循環中枢への求心性の反応を活性化させる。
この反応が症状の自覚を減少させ、換気や心臓の反応を減少させた。
→呼吸数が減少することで、動的肺過膨の減少に影響し、換気予備量を増大させることで、息切れ症状の緩和に影響したのではないか。


2025/09/12

6MWDと5回起立、30秒起立の関連、カットオフ

 A comparative study of the five-repetition sit-to-stand test and the 30-second sit-to-stand test to assess exercise tolerance in COPD patients

Int J Chron Obstruct Pulmon Dis. 2018 Sep 10;13:2833–2839.



目的
起立テストはCOPDの運動耐容能評価で用いられるが、どの起立テストが運動耐容能の低下を予測するのか、比較したものは無い。
5回起立(5STS)、30秒起立(30STS)を比較し、どちらが6MWD低下を予測するかを検証した。

Population
 安定期COPD患者128例

Exposure
 5STSと30STSを行い、その際の息切れmBorg Scaleを質問
 その他の評価項目:肺機能、mMRC、CAT、大腿四頭筋力(QMS)

Comparison
 対照群はなし

Outcome
 6MWDやその他評価と5STS,30STSの相関
 6MWD<350mを予測する5STSと30STSのカットオフを算出


【結果】
・相関
5STSと30STS:negativeな強い相関(r=−0.783, P<0.001).
5STSと6MWD:(r=−0.508, P<0.001) 
30STSと6MWD:(r=0.528, P<0.001)

・6MWD<350mを予測するカットオフ
5STS:6.25秒(感度76.0% 特異度62.8% AUC0.731)
30STS:21.5回(感度62.0% 特異度75.0% AUC0.724)

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5STS 6.2秒って結構速いなという印象。
30秒の方が持久力反映するのかと思いきや、思ったよりも相関係数に差が無かった。

2025/03/21

イギリスのCOPD管理における身体活動の費用対効果

Cost-effectiveness of physical activity in the management of COPD patients in the UK

Int J Chron Obstruct Pulmon Dis. 2019 Jan 15:14:227-239.


【背景】
GOLDガイドラインで、疾患進行抑制のために運動が推奨されているが、身体活動(PA)の促進への保健当局による投資が少ない。
この研究の目的は、イギリスのCOPD患者において、通常のPA vs 座りがちなライフスタイルでの費用対効果を推定する事。

【方法】
影響、QOL、経済的な根拠におけるCOPD患者のPAの影響は、文献から取得し、身体活動を行っているCOPD患者と座りがちなCOPD患者を比較するために、Markov microsimulation modelへ入力して使用した。
GOLDの分類にて健康状態を層別化した。
基本のケースでは、PAに関する費用はゼロを推定され、生涯にわたる期間が用いられ、費用と影響は3.5%削減された。
解析は、 UK National Health Service(NHS)により行われた。
不確実な入力と仮定は、シナリオと感度分析で推定した。
アウトカムは、QALY(cost/quality-adjusted life year)と年間コストとした。

【結果】
今回のモデルでは、イギリスのCOPD患者のPAの影響は、死亡率の減少(-6%)、入院の減少(-2%)、生存年延長(+0.82)、QALY改善(+0.66)、総費用を2568ポンド(およそ495,423円)抑制した。
cost/QALYとcost/Yearが支配的であった。
PAは月額35£未満で費用節約効果があり、コストあたりの費用対効果は月額202£未満で費用対効果。
主なモデルは、年齢とPAが死亡や増悪入院に影響していた。

【考察】
COPD管理においてPAを含めることは長期間の臨床的効果をもたらす。
NHSが仮に運動のみを推奨した場合、今回の結果は健康に対する費用節約効果があるかもしれない。
もしNHSがPAへの資金影響を行えば、費用対効果は高いかもしれない。

2025/03/05

COPDとILD リハ前後でFIMは向上 FIMが生存に寄与する可能性

Pulmonary rehabilitation and functional independence: Impact on survival in patients with fibrotic interstitial lung disease or chronic obstructive pulmonary disease

Respir Med
2025 Feb:237:107933.
 


【背景】
呼吸リハビリテーション(PR)はILDやCOPD患者の身体機能を改善させる。
PRによる機能改善の影響が、その後の生存に影響するか明らかになっていない。
目的は、PRによる機能的自立度とPR3年後の生存との関連について検討すること。

【方法】
対象は線維性ILDとCOPD患者
3週間の入院呼吸リハを実施
FIMはリハ開始時と終了時に評価
FIMと患者背景、臨床的/身体的パラメーターの相関を分析した。PRから死亡/肺移植/打ち切りまでの時間を評価し、ベースライン/FIM変化/上昇、下降で層別化した。

【結果】
223人の患者が対象(ILD76例、COPD147例)平均年齢はILD69歳、COPD67歳。
両グループとも、FIM合計と運動点数は著明に向上した。
ベースラインのFIMはPRによるFIMの変化と負の相関を示し、6MWD変化とFIMの変化は正の相関を示した。(ベースラインFIMが低いとFIM変化は大きく、6MWDの変化が大きいとFIMの変化も大きい傾向)
FIM運動項目が1ポイント上がるごとに、死亡リスクは3%低くなる。

【考察】
入院呼吸リハは、ILDやCOPDのFIMを改善させる。ベースラインFIMとFIMの変化はリハ実施3年後の生存率向上と関連していた。
これは、慢性呼吸器疾患患者においてリハの重要性を強調し、ADL自立の段階でも重要であることを示した。

2025/03/02

COPDとILDの呼吸筋力動員の違い

Differences of ventilatory muscle recruitment and work of breathing in COPD and interstitial lung disease during exercise: a comprehensive evaluation

ERJ Open Res
2024 Jul 8;10(4):00059-2023.
 


【背景】
COPDと間質性肺疾患(ILD)は代表的な慢性呼吸器疾患であり、QOLに影響する。呼吸筋の役割と違いは未だ明らかになっていない。
この研究の目的は、COPDとILDの運動中の呼吸筋の動員割合と負荷(仕事量)の評価をすること。

【方法】
COPD、ILD、健常者(各20例)の感覚メカニクス(sensosry-mechanical)の関連を比較。
その他の評価は、肺機能、非侵襲的・侵襲的な呼吸筋力、表面筋電図、呼吸機能評価。

【結果】
COPDとILDで健常者と比べて静的呼吸筋力は低くないが、運動テストの結果は低く、横隔膜圧(Pdi)は上昇していた。
食道圧は低下し、胃内圧(Pga)は上昇していた。
COPDにおいて、吸気時にPgaは特に上昇していた。
ILDにおいて、補助吸気筋力の動員が特に多く、一方COPDでは、呼気吸気ともに使用を認めた。
神経力学的非効率性(呼気量に対応しない神経呼吸駆動の増加)は両疾患で認められた。COPDでは、固有呼気終末陽圧(PEEPi)と呼気呼吸仕事を克服するための弾性呼吸仕事がかなり増加するが、ILDでは、非PEEPiの弾性呼吸仕事が全呼吸仕事の中で最も高い割合を占める。

【結論】
 COPDおよびILDでは、呼吸筋の早期活動および呼吸仕事量の増加が、呼吸困難、運動不耐性、換気の神経力学的非効率性に大きく寄与している。P diの発生機序は疾患間で異なっていた。

2024/10/23

動的肺過膨張と心血管系の反応

Cardiovascular effects of exercise induced dynamic hyperinflation in COPD patients-Dynamically hyperinflated and non-hyperinflated subgroups

PLoS One (IF: 3.24; Q2). 2023 Jan 20;18(1):e0274585.


【背景】
呼吸数増加と呼気制限は動的肺過膨張(DH)を誘発し、胸腔内圧の上昇により静脈還流の悪化に関連し、1回拍出量(SV)や心拍出量(CO)へ悪影響を及ぼしているかもしれない。
COPDにおいて、運動に対する循環の適応不良がDHと関連しているのか、心血管能力自体が低下しているのか明らかになっていない。
COPD患者の一部のみが運動中の動的肺過膨張を呈している。

【方法】
肺のメカニズムと心血管の変化を示すために、運動中の動的肺過膨張のある、もしくは無いCOPD患者を対象として、新たに研究を設定した。
33人の同じ重症度と左室駆出率のCOPD患者を対象とした。
非侵襲的なデバイスを用いてthe left ventricular ejection time index (LVETi) を含む心血管パラメーターと運動中の最大吸気量(IC)を測定した。

【結果】
21人のCOPD患者がDHを呈しており、12人はDHは無かった。
最大負荷時と安静時の差を計測した。
ΔSVとΔCOはDH無しグループのほうが高かった
(ΔSV: non-DH 9,7 ± 13,22 ml vs. DH -3,6 ± 14,34 ml, p = 0.0142; 
 ΔCO: non-DH 2,26 ± 1,46 l/min vs. DH 0,88 ± 1,35 l/min, p = 0.0024).
LVETi はどちらのグループでも違いはなかった
最大負荷時の酸素運搬能(DO2)は、DH無しの方が高かった。

【考察】
COPDにおいて、運動時の心血管系の運動適応は低いことは、運動時の肺過膨張が関連している可能性があると結論付けた。


2024/10/17

口すぼめ呼吸の効果 systematic review

Effects of acute use of pursed-lips breathing during exercise in patients with COPD: a systematic review and meta-analysis

Physiotherapy (IF: 3.36; Q1). 2018 Mar;104(1):9-17.


【背景】
口すぼめ呼吸(PLB)は、COPD患者が息切れ軽減のために広く用いられている呼吸戦略であり、運動耐容能向上のための呼吸戦略として広く指導されている。
目的は、運動中のCOPD患者を対象に、PLBをしようすることの急性効果を、運動パフォーマンス、息切れ、換気パラメーター、酸素飽和度をっ用いて検証する事

【方法】
運動中のCOPD患者に対する呼吸戦略としてPLBについて検討した横断研究、ランダム化、準ランダム化比較試験を対象とした。

【結果】
8件の研究が対象。
メタアナリシスの結果、運動中のPLBの効果は、分時換気量と呼吸数を減少させることであった。
6MWDには統計的な有意差は認めなかった。

【考察】
PLBは運動中のCOPD患者の分時換気量と呼吸数を減少させた。
PLBによる恩恵を受けられる患者(responder)については不明のままである。
今後の研究では、運動耐容能や症状についての質の高い検証が必要である。



2024/09/27

トレッドミルとエルゴの運動における違い

Perceptual and Physiologic Responses During Treadmill and Cycle Exercise in Patients With COPD

CHEST 2009; 135:384-390

【背景】
エルゴメーターは、呼吸器疾患患者における伝統的な運動方法である。
これは知覚的な反応ではなく、トレッドミルよりも好みの運動であるために用いられている。
我々の仮説は、
1)息切れと酸素摂取量はエルゴよりもトレッドミルの方が高い
2)下肢疲労感とVO2には回帰直線的な関連がある。これはトレッドミルよりもエルゴの方が強い。

【方法】
20人のCOPD患者。エルゴとトレッドミルでの運動中の息切れと下肢疲労感の経時的な変化を記録した。

【結果】
エルゴの方が下肢疲労感と息切れをより早期に感じていた。
最大の息切れの程度はトレッドミルのほうが高かった。一方下肢疲労感はエルゴの方が高かった。
息切れの回帰直線、VO2と分時換気量はトレッドミルの方が高かった。
下肢疲労感とVO2の回帰直線はトレッドミルとエルゴで同等であった。
最大VO2は、トレッドミルの方が高かった。

【考察】
COPD患者において、トレッドミル歩行とエルゴで異なる自覚症状と身体的な反応を示していた。
息切れの程度は、同じVO2レベルにおいてはエルゴの方がより高く感じていたが、身体的刺激(VO2 と VE)としては、トレッドミルの方が高かった。
下肢疲労感はエルゴを行う際の主な症状である。

インターバルトレーニングと持続トレーニングの比較

Effect of interval compared to continuous exercise training on physiological responses in patients with chronic respiratory diseases: A systematic review and meta-analysis

Chron Respir Dis. 2021 Jan-Dec; 18


【背景】
現在のエビデンスは、インターバルトレーニング(IET)と持続トレーニング(CET)は、運動耐容能、心肺機能、症状の改善に有益であるとされている。
しかし、これらの様式は、COPD患者でのみ検証されている。
このメタアナリシスの目的は、慢性呼吸器疾患患者における、IETとCETの運動耐容能、心肺フィットネス、動作時症状への影響について検討する事。

【方法】
2020年9月に各文献サイトを検索。
適格基準は、IETとCETを比較していること、運動耐容能、心肺フィットネス、症状を評価しているもの。

【結果】
13件のRCT(530人の慢性呼吸器疾患患者)がPEDroスケールでfairもしくはgoodの判定をされているものを対象
11件の研究に446例のCOPDが含まれている。
1件は、24例ののう胞性肺線維症(CF)、1件は60例の肺移植待機患者。

IETはCETと比べて、最大運動負荷が改善し、動作時息切れが低かった。
しかし、これらの改善亜h、MCIDまでは到達していなかった。
最大酸素摂取量(peakCO2)、最大心拍数(peakHR)、分時換気量(peakVE)、乳酸値(LAT)、下肢不快感は、両グループに著明な違いは無かった。

【考察】
IETは、CETと比べて運動耐容能の改善と動作時息切れ感が少なく運動が可能であった。
しかし、臨床的有効な改善までは至らなかった。

2024/09/24

短期運動療法+電話でのリマインダーは再入院回数を減少させる

Effect of short-course exercise training on the frequency of exacerbations and physical activity in patients with COPD: A randomized controlled trial

Respirology (IF: 6.42; Q1) 2021 Jan;26(1):72-79.


【背景】
これまでの研究において、COPD急性増悪後の早期呼吸リハプログラムは、再入院を予防し、QOLを改善させることができる安全かつ有効な介入である。
本研究では、AECOPD後に行う定期的な運動療法とリマインダーの電話連絡を含む短期間運動療法が、COPD患者の再入院を減少させ、身体活動量を増加させるのかを検討すること。

【方法】
対象
i)介入群(IG):4-8週の監視下運動療法と2週間おきに自宅での運動療法の継続を支持する電話連絡を行う
ⅱ)通常介入群(UG):専門家による介入を行わない
再入院は、12カ月以内を評価。
身体活動は、活動量モニターを使用して、ベースライン、3カ月、12カ月に評価。

【結果】
136例が対象(IG 68例、UG 68例)
年齢:75歳、男性132例、%FEV1.0 47.0%
12か月間の再入院数 IG vs UG=1.06回vs1.72回
最初の再入院までの日数:146.8日 vs 122.4日
12カ月時点の身体活動量は、両群に違いは無かった。

【考察】
今回のプログラムは、AECOPDの再入院回数を減らし、再入院までの日数を延長させた。
身体活動量と運動耐容能は改善しなかった。


2024/09/22

COPD増悪後の呼吸リハの効果 -肺機能に関わらず改善あり-

The severity of acute exacerbations of COPD and the effectiveness of pulmonary rehabilitation

Respir Med (IF: 3.42; Q2). 2021 


【背景】
COPD急性増悪(AECOPD)から回復中の患者に対して、呼吸リハは有効である。
息切れの程度に関わらず、AECOPDに必要なケアの違いによって回復に違いがあるのかについて県とした。

【方法】
1057例のAECOPD患者(入院291例、在宅管理766例)が対象。後方視研究。
AECOPD後に呼吸リハを実施。
6MWDをプライマリーアウトカム、Barthel index 息切れ指標(Bid)によって層別化して検討。
mMRC scale、SPPB、CATについても検討。

【結果】
全体を通して、6MWDは278mから335mへ著明に改善。
自宅管理と比較して、Bidによって層別化すると入院グループの方が6MWDは著明に改善していた。
入院において、Bidレベルが4や5よりもレベル3の方が著明に改善していた。
入院の方が、6MWDのMCIDを達成していた割合が多かった(75.9% Vs 56.7%)
全体的に、Bidと独立してアウトカムの改善が得られた。
ベースラインの気道閉塞とプログラムの効果には関連が認められなかった。

【考察】
入院呼吸リハは、息切れの重症度と独立して著明な改善を認めた。
ベースラインの気道閉塞の重症度とプログラムの効果には相関を認めなかった。

2024/09/21

呼吸リハ後に身体活動が改善するCOPD患者のベースライン特性は?

Baseline characteristics associated to improvement of patients with COPD in physical activity in daily life level after pulmonary rehabilitation

Respir Med (IF: 3.42; Q2). 2019 May:151:142-147.


【背景】
COPD患者の呼吸リハ(PR)後の日常身体活動レベル(PADL)の改善が目標であることは知られている。
PR後に身体活動のMIDに到達した患者としなかった患者のベースライン特性を比較することを目的とした。どのベースライン特性がより改善を予測するかを同定し、MID達成者のカットオフポイントを算出した。

【方法】
53例のCOPD患者
評価は、スパイロメトリー、息切れ、QOL、運動耐容能、死亡リスク、PADLレベル。
24セッションのPR終了後、PADLレベルを再評価した。

【結果】
MIDを達成したのは、低FEV1.0、運動耐容能、歩行時間、歩数、活動時間、エネルギー節約(EE)歩行、3METs以上のPADL時間、1.5METs以下の活動時間が長い患者であった。
MIDを達成した、不活動な患者と重度の身体不活動は、ハザード比でそれぞれ4.27、6.90。
PADL変化を予測した予測モデルの変数は、EE歩行、1.5METs以下の活動時間。
MIDを達成か否かの患者を識別するカットオフポイントは6525歩。

【考察】
肺機能が悪い、運動耐容能、PR前のPADLレベルが低いことは、PADLレベルの改善を予測した。
EE歩行と1.5METs以下の活動時間は、この変化をより予測した。
カットオフ値である6525歩はよりPADLレベルが高く改善する患者を同定することができた。




在宅酸素利用は身体不活動を予測

Impact of Home Oxygen Therapy on the Level of Physical Activities in Daily Life in Subjects With COPD

Respir Care (IF: 2.26; Q4). 2019 Nov;64(11):1392-1400.


【背景】
慢性低酸素血症のあるCOPD患者は、疾患の進行と身体活動の低下が制限因子である。
低酸素血症の是正は生理学的改善をもたらすが、酸素療法は社会的孤立と身体不活動と関連しているかもしれない。
しかし、いくつかの研究で、これらの患者における日常生活の身体活動レベル(PADL)を客観的に調査している。この研究の目的は、在宅酸素を使用しているCOPD患者と酸素療法を使用していないCOPD患者のPADLレベルを比較すること。
そして、在宅酸素療法がPADLレベルに関連するかを検討すること。

【方法】
29人の在宅酸素を使用しているグループと30人のコントロールグループで比較。
身体測定、スパイロメトリー、骨格筋力、ADL制限、息切れの程度、健康状態、PADLモニタリングを評価。

【結果】
在宅酸素を使用している方が、歩行時間が短く(p=.001)、活動レベル、3METs以上の活動時間、1.5METs未満の活動時間、歩数が少なかった。
身体不活動は、24例の在宅酸素患者(82.8%)、18例のコントロールグループに認められた(60%)。
酸素療法は、重度の身体不活動と関連していた。
酸素療法を使用してる時間は、PADLレベルを強く予測した。

【考察】
在宅酸素を使用しているCOPD患者は、PADLレベルが低下していた。
この結果は、酸素療法が重度の身体不活動とPADLレベルを予測するかもしれない。









2024/09/18

COPDの息切れのメカニズム

Dyspnea in COPD: New Mechanistic Insights and Management Implications

Adv Ther (2020) 37:41–60


息切れは、COPD患者において最も共通した症状である。動作時息切れを避けるために、多くの患者は、座りがちな生活スタイルに適応し、骨格筋のデコンディショニング、社会的孤立、ネガティブな心理的な影響をもたらしている。
この"息切れスパイラル"は、よく知られており、驚くことではないが、この不快な症状の軽減は、どのCOPDガイドラインにも述べられている重要な症状である。
現実には、この重要な目標はを達成することはしばしば難しく、症状管理を成功させるためには、この息切れのメカニズムを理解する必要があり、どのように治療戦略を立てれば、患者に有益であるかを理解することが必要である。
現在の活動関連の息切れに対する理論構造は、伝統的な需要ー供給のインバランス(不均等)がある。
このように、吸気神経ドライブ(IND)と呼吸と息切れの動的な反応の通常の同調を混乱させることが、COPDの息切れの基本構造であると信じられている。
悲しいことに、息切れ症状は、比較的固定した病態生理学的障害を有する重症COPD患者から取り除くことはできない。
しかし、症状を軽減するエビデンスは多く存在する。
INDを減少させる介入は、肺胞換気や呼吸力学、筋機能、感情的な側面などを妥協することなく、効果を得ることが出来る。
息切れ軽減のための共通した最終過程である、運動耐容能向上は、神経力学的な呼吸システムの不同調の軽減をもたらし、過度のINDによる換気アウトプットをマッチするための修復が行われる。
このレビューの目的は、最近の知見をレビューすることであり、息切れ改善効果のある複合的な介入と多面的アプローチの必要性、個別性を考慮した特異的なアプローチが必要性について述べる。

2024/08/05

COPD増悪フォロー中の早期からの監視下呼吸リハは死亡率が低い

Lower mortality after early supervised pulmonary rehabilitation following COPD-exacerbations: a systematic review and meta-analysis

BMC Pulm Med (IF: 3.32; Q2). 2018 Sep 15;18(1):154.
 

【背景】
呼吸リハ(PR)は、運動を含め多面的な監視下でのプログラムが行われ、COPD管理の重要なもののひとつである。
このシステマティックレビューとメタアナリシスでは、COPD増悪で入院した後の4週間以内に開始した監視下でのPRプログラムが、通常の増悪御ケアと比べて死亡率への影響を調査した。
副次アウトカムは、入院日数、COPD関連の再入院、HR-QOL、運動耐容能(歩行距離)、ADL、転倒リスク、ドロップアウト率。

【方法】
2017年にリサーチしたシステマティックレビューである。

【結果】
13件のランダム化試験(801名)が包含された。
メタアナリシスの結果、早期PRの方が、死亡率が相対的に低く、フォローアップ期間が有意に長かった。
早期PRは、入院日数を2.27日に減少させ、再入院率も減少。
さらに、早期PRは、HR-QOLと歩行距離を改善させ、ドロップアウト率には影響しなかった。
いくつかの研究で、不確実なバイアスリスクがあった。

【考察】
COPD増悪で入院した患者に対して、早期PR後の再入院数と入院日数、死亡率の減少に対して中等度のエビデンスが示された。
死亡率の長期的なエビデンスは十分ではないが、HRQOLと運動耐容能は、少なくとも12カ月は維持されていた。
したがって、COPD増悪入院した患者に対して、監視下のPRを早期に行うことを推奨する。
PRは、入院中もしくは退院後4週間後に開始すべきである。

2024/07/23

中等症、重症COPD患者における運動強度による効果の違い

Benefits of different intensities of pulmonary rehabilitation for patients with moderate-to-severe COPD according to the GOLD stage: a prospective, multicenter, single-blinded, randomized, controlled trial

Int J Chron Obstruct Pulmon Dis (IF: 2.77; Q1). 2019 Oct 8:14:2291-2304.


【目的】
呼吸リハビリテーションはCOPD患者管理の要素である。
目的は、中等症から重症のCOPD患者に対する運動療法の最適な強度について調査すること。

【方法】
2014年から2018年に行った前向き多施設研究
対象者はランダムに、運動負荷試験の結果によって決められた最大酸素摂取量の割合によって、異なる運動強度での呼吸リハを行う3グル―プに分けた。
運動療法の20週間後、低、中、高強度の運動介入による効果を比較し、最も最適な運動処方を決定した。

【結果】
中等症COPD患者において、中、高強度のグループで測定したすべてのパラメーターの著明な改善を認めた。
低強度グループと比べて、急性増悪の頻度や20週間後のmMRCスコアに有差はなかった。
重症COPD患者において、高強度グループにてすべての変数に著明な改善を認めた。
中等症COPDよりも、リハ前後の変化は小さかった。
さらに、the Hamilton Anxiety Scale(不安スコア)とBMIは、低強度グループと比べ有意差を認めなかった。

【考察】
高強度運動療法は、中等症から重症のCOPD患者において、有効であった。
中等症COPD患者は、より強度のあるリハが必要である。呼吸リハ介入による改善度合いは、重症COPDよりも高かった。
重症COPD患者において、高強度の運動は、患者の忍容性があればより有効かもしれない。

〇運動強度のグループ分け
・運動負荷試験の結果で強度を決定
・高強度→VO2max>70%
・中強度→VO2max>50-70%
・低強度→VO2max<50%


〇リハ内容
・20週間の入院による監視下の介入(10回の他職種による教育介入も含む)
・運動の頻度:週5日
・時間:40分(ウォームアップ10分、クールダウン10分含む)
・運動種類:個別に処方されたインターバル持久力トレーニング。歩行や筋力トレーニングなど
・20分の上下肢のサイクリング運動を負荷試験の50%強度から開始
・負荷は、10Wずつ漸増し、心拍数やSpO2が安定したら耐えられた運動と判断
・中止基準:SpO2<85%、血圧>200/100mmHg、心拍数>最大運動負荷時の85%

〇6MWTの結果(m、リハ前→リハ後)
中等症COPD
 低強度 292→303
 中強度 277→303
 高強度 271→326
重症COPD
 低強度 260→275
 中強度 260→283
 高強度 265→297

2024/07/19

胸郭モビライゼーションの肺機能への影響

Effect of chest wall mobilization on respiratory muscle function in patients with severe chronic obstructive pulmonary disease (COPD): A randomized controlled trial

Respir Med (IF: 3.42; Q2). 2023 Dec:220:107436.


【背景】
離床試験において、COPDの肺機能と胸郭拡張には正の相関があることが報告されている。COPD患者の胸郭拡張が低下すると、肋骨の可動性と呼吸筋の機能的長さが損なわれ、最終的には、呼吸器系の有効性と機能を危険にさらす。

【方法】
30人の成人男性(平均年齢74.97歳)で重症COPDと診断されているものをランダムに胸郭モビライゼーションを行うグループとコントロールグループに分けた。
両グループとも標準的な教育と歩行を週2回、6週間実施。
介入グループはストレッチや関節モビライゼーションを含む胸郭モビライゼーションを追加して実施。
肺機能、呼吸筋力、胸郭可動域、頚部と胸部の可動範囲をベースライン、プログラム後、3か月後に評価した。

【結果】
呼吸筋力、胸郭拡張域、胸郭屈曲以外の胸郭可動域が著明に改善。
下部胸郭可動域は、最大吸気圧と最大呼気圧の増加と強く関連していた。
多変量回帰分析において、胸郭可動域、特に伸展と両側回旋は、下部胸郭可動域と強く関連していた。

【考察】
COPD患者のリハビリテーションにおいて、胸郭モビライゼーションを追加することは、胸郭伸展と回旋を改善させ、下部胸郭可動域を改善させた。
胸郭拡張能の著明な改善と最適な筋の機能的な長さを保つことは、呼吸筋活動を許容し、結果として、重症COPD患者の呼吸筋力を改善させた。

2024/06/11

COPDの座りがちな生活習慣に影響する要因 BMJ open 2024

Influencing factors of sedentary behaviour in people with chronic obstructive pulmonary disease: a systematic review

BMJ Open Respir Res (IF: 2.81; Q1)2024 May 24;11(1):e002261.


【背景】
COPD患者は、座りがちな生活スタイルになっていることが多い。
座りがちな行動が増えると、健康への悪影響や平均寿命の短縮と関連する。

この混合方法(mixed-methods)のシステマティックレビューの目的は、COPD患者の座りがちな行動に影響している要因をまとめること。

【方法】
2023年3月に臨床図書司書(clinician librarian)によるサポートを基にデータベースを検索。
2人の独立した査読者によって論文のスクリーニングを実施
量的および質的データの統合が実施された。

【結果】
1037件が同定され、29論文が採用された(26件の量的研究、3件の質的研究)
多くの研究が先進国(高所得国)で行われていた。
座りがちな行動を促進する共通した要因は、疾患重症度、息切れ、並存症、運動耐容能、酸素療法の使用、歩行補助具の使用、環境的要因であった。
質的研究での詳しい調査の結果、知識の欠如、自己認識やモチベーションが含まれた。
しかし、趣味や活動に参加する際に楽しむために、意識的に座り続けている人もいた。

【考察】
COPD患者で座りがちな行動を促進する要素は多岐にわたっていた。これらの要素を同定し理解することは、今後の介入デザインやガイドラインに採用すべきである。
個々のニーズに合わせた多面的なアプローチは、座りがちな行動を改善する可能性を示した。