2020/10/23

肺がん術後の理学療法介入で、術後活動量は増えるか?

 In-Hospital Physiotherapy and Physical Recovery 3 Months After Lung Cancer Surgery: A Randomized Controlled Trial

Integr Cancer Ther (IF: 2.379; Q1). Jan-Dec 2019;18:1534735419876346.


<背景>
肺がんは、がんの種類で最も多く、死因の一つである。手術は、根治治療の第一手段である。術後合併症予防のために、理学療法がルーチンで処方されるが、これらのエビデンスは限定的である。
この研究の目的は、入院中の理学療法が、術後運動耐容能、身体活動、肺機能へ影響するかを検討すること。

<方法>
107人の患者が対象。単施設での単盲検ランダム化試験。
入院中に理学療法を行う群と行わない群(コントロール群)にランダムに振り分け。
評価は、術前と、術後3か月後に実施。
入院中の理学療法の内容は、早期離床、歩行、呼吸練習、胸郭可動域訓練。
運動耐容能は6MWTで評価。
身体活動レベルは、加速度計と高齢者用IPAQを使用。

<結果>
全対象者の術後3か月後の運動耐容能は、術前と比べて低下していた有意に低下していた)(p=.047)
2群間で、運動耐容能、身体活動性、肺機能、息切れに明らかな違いはなかった。
しかし、介入群の自己報告身体活動レベルが、術前から術後3か月後に著明に増加しており、
コントロール群では認められなかった。

<考察>
肺がん術後の理学療法を入院中に行った群で、術後3か月後の運動耐容能、身体活動、肺機能に優位性は見られなかった。