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2024/05/31

急性冠症候群のリハ後の機能回復の因子

Determinants of Functional Improvement After Cardiac Rehabilitation in Acute Coronary Syndrome

High Blood Press Cardiovasc Prev (IF: 1.72; Q3). 2021 Nov;28(6):579-587.


【背景】
心リハ(CR)は急性冠症候群(ACS)後の二次予防に有効である
目的は、ACS後の心リハを行った患者で運動耐容能(6MWTで評価)と機能改善に影響する因子を見つける事。

【方法】
298人(mean age 61.6 ± 10.2)
イタリアの病院にて心リハプログラムに参加した患者。
全ての患者は、既往歴、臨床的、機器による心臓病学的なデータを収集。
6MWTは心リハ開始前(6MWT-1)と後(6MWT-2)に行い、距離の変化(Δmeters)を機能改善の指標として使用。

【結果】
多変量回帰モデルに、6MWT-1、6MWT-2、Δmeters、%Δmetersを投入
標準的な回帰係数では、年齢、BMI、心拍数が運動耐容能(6MWT-1、6MWT-2)の決定因子であった。
一方、年齢、性別、BMIは、機能改善(Δmeters)の決定因子であった。

【考察】
ACS後の心リハの機能改善は、主に心臓に関する変数以外が主に関連していた。
その代わり、変化するもの(BMI)と不変的なもの(年齢、性別)の両方の内因性に関連していた。


・心リハプログラムの内容
合計5週間、25セッション
日常的な有酸素運動を主なプログラムの活動にした。
持続して45分のバイク、安静15分後、45分の自重トレーニング
運動強度は、個別の能力と耐久性によって調整
精神科医による、生活習慣の変化や感情機能のコントロールについて介入

2024/05/30

心筋梗塞後のリハ 週5回を4週行い、身体機能著明に改善

Cardiac Rehabilitation and Physical Performance in Patients after Myocardial Infarction: Preliminary Research

J Clin Med. 2021 Jun; 10(11): 2253.


【背景】
心血管疾患、特に心筋梗塞は、近年健康に対する主な脅威である。
心臓リハビリテーション(CR)は、とくに身体活動を向上し、再発を予防する。
この研究の目的は、MI患者の心リハ前後での身体機能を評価すること。

【方法】
126人が対象
心リハ病棟に2回入院:MI後3ヶ月と最後のリハビリセッション終了後6カ月
心リハは、20日間実施(週5回を4週)
運動負荷試験はトレッドミルで行い、身体機能として6分間歩行試験を使用。
健康状態によって、適切なリハビリモデルに割り当てられた。

【結果】
運動負荷時間とMETs、最大酸素摂取量、6MWTスコアは対照群と比べ2倍改善していた。

【考察】
MI後のCRは身体機能を著明に改善させる。


2023/09/20

急性心不全患者の自宅退院を予測するカットオフ-膝伸展筋力、SPPB、BI-

Examination of independent predictors of discharge disposition in acute phase hospitalized heart failure patients undergoing phase I cardiac rehabilitation

Eur J Phys Rehabil Med (IF: 2.87; Q2). 2020 Dec;56(6):780-786.


【背景】
急性心不全(HF)患者は増加している。退院先(disposition)は、心臓リハビリテーション(CR)の主なアウトカムの一つである。
しかし、急性期HF患者でCRを行った患者の自宅退院基準に関するデータはほとんど存在しない。

【目的】
急性期のガイドラインに沿ったCRを行ったHF患者で自宅退院を予想する明確な基準を明らかにすること。

【方法】
急性期病院での介入研究。
対象は、320例の急性期HF患者。日本のガイドラインに沿ったCRを実施。
膝伸展筋力、運動耐容能、SPPB、Barthel Index、MMSE、CONUTを入院時と退院時に評価
退院時、患者は、自宅退院グループ(n=255)と自宅以外のグループ(n=65)に分けた。
自宅退院を独立して予測する因子とカットオフをロジスティック回帰分析とROC曲線で評価。

【結果】
入院時の膝伸展筋力、運動耐容能、SPPB、BI、MMSEは自宅退院グループが有意に高値であった。
しかし、入院時のHF重症度とCONUTはグループ間で有意差なかった。
退院時、自宅退院群では、自宅以外のグループよりも、膝伸展筋力、運動耐容能、SPPB、BI、MMSEは自宅退院で高く、CONUTは有意に低かった。
多変量解析では、入院時の膝伸展筋力とSPPB、入院日数、退院時BIは、自宅退院の独立した予測因子であった。
自宅退院を予測するカットオフ値は、
・入院時膝伸展筋力≧12.1㎏
・入院時SPPB≧3点
・退院時BI≧80点

【考察】
入院時の膝伸展筋力とSPPBは、自宅退院困難な患者を早期に発見できる可能性を示唆した。
さらに、CRの目標設定として、BI≧80点が、急性期HF患者が自宅退院が有効である可能性を示した。

本研究は、自宅退院困難な患者の早期発見と、適切なリハビリの目標設定に貢献する。

2022/04/09

肺高血圧症の運動療法

Standardized exercise training is feasible, safe, and effective in pulmonary arterial and chronic thromboembolic pulmonary hypertension: results from a large European multicentre randomized controlled trial

European Heart Journal, Volume 42, Issue 23, 14 June 2021, Pages 2284–2295,


【目的】
この前向きランダム化、対照群、多施設研究の目的は、肺高血圧症(PAH)と慢性血栓塞栓性肺高血圧症(CTEPH)患者に対する運動療法が有効で安全であるかを検討すること。

【方法と結果】
欧州10か国、11の施設において、PAH/CTEPHに特化したリハビリプログラムを実施。
129人の患者がエントリーされ、疾患特異的薬物療法を完了した116人(58人ずつをランダムに2群に振り分け)が対象(85人女性、平均年齢53.6歳、平均肺動脈圧46.6mmHg:WHO機能分類で、class2 53%、class3 46%;PAH98人、CTEPH18人)。
トレーニンググループは、病院にて標準化されたリハプログラムを平均25日間実施し自宅でも継続した。
プライマリーエンドポイントは、6MWDの変化で、トレーニンググループにおいて平均34.1m向上(95%CI:18-51m、p<.0001)。
運動療法は実施可能で、安全であり、良好な忍容性を認めた。
セカンダリーエンドポイントはQOLもSF-36の精神項目で7.3ポイントの向上を認めた(p=.004)。
WHO機能的クラス分類(training vs. control: improvement 9:1, worsening 4:3; χ2P = 0.027) と最大酸素消費も対照群と比較して、運動したグループで改善を認めた(0.9 ± 0.5 mL/min/kg, P = 0.048) 。

【考察】
これは最初の対施設間の大規模ランダム化比較試験で、PAHとCTEPH患者において、薬物療法に運動療法を加えることが安全、実現可能、有効であることを示した。
この研究を含め、標準的な病院でのプログラムが開始されており、欧州10か国において成功した。

・欧州10か国(オーストリア、ベルギー、ドイツ、イタリア、リトアニア、オランダ、ポルトガル、スコットランド、スペイン、スイス)の11施設において、共通のプロトコルを使用した運動療法を実施
・対象基準:前毛細血管性肺高血圧症(precapillary PH):右心カテーテルでPAHもしくはCTEPHと診断された患者。18歳以上、WHOクラス分類Ⅱ-Ⅳ、最低2か月間PAHをターゲットにした治療を行っている。
・除外基準:門脈圧亢進症や複合型先天性心疾患によるPH、HIV、肺静脈閉塞性疾患。さらに、離床的に関連する肺疾患、左心疾患、活動性肝疾患、急性感染症、歩行不可、ヘモグロビンが正常値の75%未満、収縮期血圧<85mmHg、最近の失神、運動に影響する筋の問題。

・研究期間:15週間。ランダムにトレーニンググループ、コントロールグループに分けた。
トレーニンググループ:最初の10-30日は院内(stayed in-house)で行い、その他11-12週を自宅でプログラムを実施。
コントロールグループ:自宅にて通常通りの活動を実施。

・プライマリーエンドポイント:ベースラインと15週目の6MWDの変化。
・セカンダリーエンドポイント:ベースラインと15週目の最大酸素消費量の変化、WHOクラス分類、NT-proBNP、QOL、安静時と運動負荷試験時の心電図異常の有無

・トレーニンググループの内容:最初の期間は5-7日/週、自宅では3-7日/週。
運動強度は、ベースライン運動テストでの最大負荷の40-60%。




2020/08/20

肺高血圧症の運動療法の効果と安全性 systematic review and meta analysis

 Effectiveness and safety of exercise training and rehabilitation in pulmonary hypertension: a systematic review and meta-analysis

J Thorac Dis (IF: 2.046). 2020 May;12(5):2691-2705.



<背景>
肺高血圧(PH)は肺動脈血管抵抗の上昇が特徴の慢性の進行性の疾患で、予後不良であり活動制限を多く生じる。
PHに対して薬物療法の多くが使用されているが、ほとんどの患者が運動耐容能低下とQOL低下を生じている。
運動療法は、運動耐容能とQOLを向上させる可能性があるが、十分な研究がなされていない。
このレビューの目的は、PH患者への運動療法が安全で有効であるがを評価すること。

<目的>
2018年12月までの文献を検索。
このレビューのプライマリーアウトカムは6MWDの変化。
さらに、最大酸素摂取量、安静時肺動脈圧、安静時心拍数、最大運動時心拍数、嫌気性代謝閾値(AT)、最大運動負荷、QOLも評価

<結果>
651人、17文献が対象。
メタアナリシスの結果、6MWD、最大酸素摂取量、最大HR、QOL(SF-36)が著明に改善。
さらに、運動療法によって主な合併症は生じなかった。

<考察>
運動療法は、運動耐容能の改善やQOLの改善と関連していた。
また、安定しているPH患者に安全に行うことができる。
しかし、PH患者の運動療法の効果や安全性を確立するために、さらに大規模な多施設共同研究が必要である。

・対象PHの主な分類はクラス1(48%)とクラス4(24%)
・PHに対する治療を行っており、過去2か月間に入院や薬の変更がない患者(安定の定義)
・運動方法:低負荷の有酸素運動(エルゴメーター、トレッドミル)、呼吸練習、レジスタンストレーニング
・運動強度は多くの研究で最大運動耐容能の60-80%
⇒よく使用されていた運動処方:Mereles D et al .Circulation 2006
・ほとんどの研究が、入院や外来での介入を対象にしている


【6MWD】
3週間の運動療法後に約70m改善
12-15週の運動療法後、約75m改善
A:randam effect analysisの結果
B: 3週間のトレーニング後
C:parallel 介入と介入前後比較の結果

【安静時肺動脈圧】
3週の運動療法後、肺動脈圧の低下(-2.71mmHg)を示した
12-15週の介入でも低下を認めた

【運動の安全性】
490人中、17人でイベントが発生(発生率3.46%)
疾患の進行や右心不全、死亡など重大なイベントは報告されなかった。