2026/05/02

喫煙と運動耐容能、身体活動、QOLの関連

Smoking status and its relationship with exercise capacity, physical activity in daily life and quality of life in physically independent, elderly individuals. 

Physiotherapy. 2015 Mar;101(1):55-61.  



<目的>

60歳以上の高齢者における喫煙歴と運動耐容能や日常生活での身体活動の関連を調べること。


<方法>
154例の高齢者を喫煙歴で4つのカテゴリーに分けた。
非喫煙者(n=57)、受動喫煙(n=30)、元喫煙者(n=45)、現喫煙者(n=22)

アウトカム:
運動耐容能=6MWD
身体活動=歩数
健康関連QOL=SF-36

<結果>
現喫煙者と元喫煙者は、非喫煙者よりも運動耐容能が低かった。
身体活動は違いはなかったが、現喫煙者において、ニコチン依存のレベルと負の相関を示した(ニコチン依存が高いと活動量が低い傾向)
SF-36の精神スコアは、受動喫煙と現喫煙者で低値を示した。

<考察>
高齢者において、現喫煙者は非喫煙者よりも運動耐容能が低かった。
身体活動はグループ間で違いはなかったが、喫煙との関連を示した。
タバコに曝露されることは、身体面と独立してSF-36の精神機能のスコアが悪いことと関連していた。


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あくまで相関、関連があったという結論であり、因果関係までは不明。
しかし、吸うひとは吸わない人(受動喫煙)にも悪影響を及ぼす可能性があることは重要な結論かと。

2026/04/17

長期酸素療法を行っている患者の座位時間と認知機能障害

Sedentary Time and Cognitive Impairment in Patients Using Long-Term Oxygen Therapy: A Cross-Sectional Study

Int J Environ Res Public Health. 2022 Feb 2;19(3):1726.


【背景】
身体不活動は慢性呼吸器疾患において死亡の予測因子である。
認知機能障害も呼吸器疾患患者によく見られる。
目的:長期酸素療法を行っている患者における座位時間と認知機能障害の関係を調査すること

【方法】
対象:長期酸素療法を行っている慢性呼吸器疾患患者96例
平均年齢77.3歳
身体活動量:IPAQで評価した座位時間
認知機能評価:MoCA
息切れ:mMRC

【結果】
座位時間の中央値は600分
MoCAの中央値は24ポイント
67例(70%)が軽度認知機能障害を有していた
多変量回帰分析にて、座位時間が息切れ、認知機能障害と独立して関連していた。

座位時間と認知機能障害、息切れに関連があるかも・・?

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limitationにも書いてあるが、因果関係を示すものではないが、何かしら関連はありそうな要素だなと。

2026/04/12

IPFにおける身体活動性の低下と肺生理学的な変化の関連

Physical activity decline is disproportionate to decline in pulmonary physiology in IPF. 

Respirology. 2021 Dec;26(12):1152-1159. 


【背景、目的】
IPF患者の日常の身体活動性は低下している。
疾患の進行度との関連は知られていない。
目的は、
1)12ヶ月の身体活動性の変化を追跡
2)疾患重症度マーカーやQOLとの関連
3)身体活動性の予測ツールの検討

【方法】
54例のIPF患者で、身体活動評価をベースライン、6ヶ月、12ヶ月に行なった患者
活動量は、sense wear armbandを連続した7日間装着
その他の評価項目は、HADS(不安、抑うつ)、SGRQ、Leicester咳評価、FVC、DLCO、6MWD

【結果】
平均歩数:ベースラインは3887歩、12ヶ月後の歩数は3326歩(p=0.02)
活動性の低下と12ヶ月後の総エネルギー消費量は、12ヶ月後に著明に低下
12ヶ月後の歩数の減少は、肺機能の低下よりも大きい割合を示した
歩数の変化は、%FVCや6MWDと弱い-中等度の相関を示した
歩数の変化は、長期予後とは関連はなかった

【考察】
IPFにおいて、12ヶ月後の歩数の減少は著明であり、肺生理学的な現象との低下とは不釣り合いだった。
疾患の進行を評価するのには有効な指標かもしれない。


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歩数は1年間で減少傾向なのは理解できる。
肺機能の低下とはさほど強い相関がなかった。。肺活量も多少関連があるのでしょうけど、それ以外の活動習慣や身体機能の方が身体活動性には関連がありそうな気もします。
この論文からは、4000歩程度歩ければ上出来と言ったところか。

2026/04/05

6MWD中の低酸素は、予後不良

Factors Associated with Exercise-Induced Desaturation in Patients with Chronic Obstructive Pulmonary Disease.

Int J Chron Obstruct Pulmon Dis. 2020 Oct 23;15:2643-2652. 


<背景、目的>
6MWTはCOPD患者の身体機能の評価に有用である。
近年、6MWT中の低酸素が増悪や死亡リスクを悪化させる可能性が示されている。
この研究では、運動時低酸素(exercise induced desaturation:EID)が、リスク因子となるかを検討することである。

<方法>
2013年から2017年の間にデータベース研究への参加を承認した成人COPD患者が対象
評価項目は、年齢、性別、BMI、既往歴、薬物療法、肺機能検査

<結果>
1768例のCOPDが対象
932例(52.7%)でEIDを認めた
836例(47.3%)でEIDを認めなかった

EIDを生じていたグループは、6MWDがより短かった(352m VS 426.5m)
多変量ロジスティック回帰分析の結果、高齢、女性、1秒量の低下、心房細動(Af)の存在が、6MW T中の低酸素を予測した
EIDグループは、1年間の増悪頻度が多かった(0.59回 vs 34.13%)
afのあるCOPD患者は、1年間のうちに、入院や増悪の日がより高かった。

<考察、まとめ>
本研究では、高齢、1秒量が低いこと、女性は、EIDのリスク因子でっあった。
6MWT中の低酸素血症は、1年以内の頻回なCOPD増悪と関連していた。

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低酸素の弊害として予後や増悪との関連があるのかも?
低酸素だから増悪するのか、低酸素によって低活動になりやすいために増悪するのか。。

2026/02/04

酸素療法による運動能力向上は予後と関連しない

Exercise response to oxygen supplementation is not associated with survival in hypoxemic patients with obstructive lung disease.

 Int J Chron Obstruct Pulmon Dis. 2018 May 17;13:1607-1612. 



<目的>
動作時低酸素血症のある患者において、酸素療法による運動への反応、効果を予測できるかを検証すること。

<対象>
室内気(RA)と酸素使用にて2回6MWTを行った患者
全ての患者は、RAにて低酸素血症(4%以上の低下もしくはSpO 2<88%)を認めた
酸素療法によるレスポンダーの定義:MIDである26m以上の改善があった患者

<統計解析>
student t検定:背景比較
t検定:酸素付加ありとなしで6MWTのパラメーターの比較
カプランマイヤー検定とlog-rankテスト:酸素療法の反応と生存時間の比較
Cox回帰モデル:死亡率に最も影響する変数を同定

<結果>
174例の患者が対象(男性50%)、平均年齢70歳
疾患の内訳:COPD116例、気管支拡張症44例、重症喘息13例
長期間酸素療法の内訳:長期酸素療法使用80例、動作時のみ酸素使用90例

酸素療法による6MWDの比較
酸素付加:平均6MWDは254m→283mに改善、MID達成77例
息切れmBorgscale:平均1.4ポイント改善
MID達成の予測因子:RAでの6MWDが短いこと(ロジスティック回帰分析)

生存期間
平均生存期間:66ヶ月、84例が亡くなっていた
酸素療法の反応と死亡率に有意な差は見られなかった
死亡リスクの予測因子:6MWTでの低酸素が著明、RAでの6MWDが短い、男性、低BMI、低ヘモグロビン
気流閉塞(肺機能)との関連は認めなかった。