Dis Colon Rectum (IF: 4.58; Q2). 2020 Apr;63(4):538-544.
【背景】
プロトコル化されたパスは、手術の結果に大きな改善をもたらした。追加の利益は、既存のリスクを変えるための集中的な努力を要する。
プレハビリテーションプログラムは、リスク減少のための道を提供する。
【目的】
ウェアラブルデバイステクノロジーを用いて、直腸がん術前の活動レベルを監視することで、術前活動が術後アウトカムに影響するかを評価すること。
【方法】
前向き非ランダム化試験。大規模大学医療センターにて実施。2018年1月から2019年2月に選択的直腸がん手術を行った患者。
患者は、ウェアラブルデバイスの使用法について説明され、術前30日間装着。
患者を術前歩数で、5000歩/日以上の活動グループと5000歩/日未満の比活動グループに分けた。
単変量解析で術後合併症の発生を比較。
多変量回帰モデルで術前活動が術後合併症に与える影響についてベースラインのリスクを調整して解析。
【結果】
99人が参加。40人(40.4%)が活動グループに分類。
活動グループの患者は、全体の合併症(11/40 (27.5%) vs 33/59 (55.9%); p = 0.005)、重度の合併症(2/40 (5%) vs 12/59 (20.3%); p = 0.032)が少なかった。
多変量解析にて、術前活動が多いことは、術後合併症が少ないことと関連していた(OR = 0.386; p = 0.0440) 。
合併症、重度の合併症のモデルの予測能力は、身体活動を追加することで向上した。
【考察】
直腸がんの手術を行う患者の術前身体活動レベルは向上させる余地がかなりある。そして、活動が少ないことは、術後合併症と関連していた。
これらのデータは、ウェアラブルデバイスを用いて術前運動プログラムを監視することで手術成績に影響するかどうかの介入研究が必要であることを示した。