J Thorac Dis. 2017 Jun;9(6):1584-1591.
<背景>
手術可能な肺がん患者や慢性呼吸器疾患患者にとって、身体機能は重要である。
目的は、周術期呼吸リハ(PR)が、身体機能やQOLに有効であるかを検討した。
<方法>
208人のCOPD患者(平均年齢63歳、%FEV1.0 62%)が周術期PRに参加。
患者の72%に初発の肺がんを認めた。
術前リハのみ参加が68人。
術前後に参加したのが72人。
術後のみ参加が68人。
PRプログラムは、呼吸練習、個別トレーニング、禁煙。
肺機能、6MWTをリハ前後に測定。
QOL(CATとmMRC)も同様に測定。
<結果>
%FEV1.0と6MWTが著明に改善。
PRの効果として、FVC、握力、mMRC、CATでも著明な改善を認めた。
平均集中治療期間は、術前PRは3.8日、術後PRのみは3.6日
<考察>
手術前後にPRを行うことは、運動耐容能とQOLを改善させる。
・ハンガリーで2012年から2015年に、208人の周術期COPD患者を対象に実施
・個別トレーニングプログラム
午前に30分の呼吸練習、胸郭モビライゼーション、呼吸コントロール、吸入、排痰、心理状態の改善、禁煙、個別トレーニング
個別の運動:サイクリングorトレッドミルでの持続orインターバルトレーニングを10-30分、1日2-3回、最大強度の60-80%
リハ期間は3週間
息切れと下肢疲労感のBorg scaleがともに「7」を目標に負荷を漸増
PRE:術前のみ介入 PPO:術前後介入 POS:術後のみ介入 |
以下は、原著の表を参照・・・
・術前後に介入しても、術前の6MWDまで術後に回復はしていなかった。
・術後のみでも、6MWDは改善していた。