2025/03/21

イギリスのCOPD管理における身体活動の費用対効果

Cost-effectiveness of physical activity in the management of COPD patients in the UK

Int J Chron Obstruct Pulmon Dis. 2019 Jan 15:14:227-239.


【背景】
GOLDガイドラインで、疾患進行抑制のために運動が推奨されているが、身体活動(PA)の促進への保健当局による投資が少ない。
この研究の目的は、イギリスのCOPD患者において、通常のPA vs 座りがちなライフスタイルでの費用対効果を推定する事。

【方法】
影響、QOL、経済的な根拠におけるCOPD患者のPAの影響は、文献から取得し、身体活動を行っているCOPD患者と座りがちなCOPD患者を比較するために、Markov microsimulation modelへ入力して使用した。
GOLDの分類にて健康状態を層別化した。
基本のケースでは、PAに関する費用はゼロを推定され、生涯にわたる期間が用いられ、費用と影響は3.5%削減された。
解析は、 UK National Health Service(NHS)により行われた。
不確実な入力と仮定は、シナリオと感度分析で推定した。
アウトカムは、QALY(cost/quality-adjusted life year)と年間コストとした。

【結果】
今回のモデルでは、イギリスのCOPD患者のPAの影響は、死亡率の減少(-6%)、入院の減少(-2%)、生存年延長(+0.82)、QALY改善(+0.66)、総費用を2568ポンド(およそ495,423円)抑制した。
cost/QALYとcost/Yearが支配的であった。
PAは月額35£未満で費用節約効果があり、コストあたりの費用対効果は月額202£未満で費用対効果。
主なモデルは、年齢とPAが死亡や増悪入院に影響していた。

【考察】
COPD管理においてPAを含めることは長期間の臨床的効果をもたらす。
NHSが仮に運動のみを推奨した場合、今回の結果は健康に対する費用節約効果があるかもしれない。
もしNHSがPAへの資金影響を行えば、費用対効果は高いかもしれない。