Respir Med (IF: 3.42; Q2). 2023 Dec:220:107436.
【背景】
離床試験において、COPDの肺機能と胸郭拡張には正の相関があることが報告されている。COPD患者の胸郭拡張が低下すると、肋骨の可動性と呼吸筋の機能的長さが損なわれ、最終的には、呼吸器系の有効性と機能を危険にさらす。
【方法】
30人の成人男性(平均年齢74.97歳)で重症COPDと診断されているものをランダムに胸郭モビライゼーションを行うグループとコントロールグループに分けた。
両グループとも標準的な教育と歩行を週2回、6週間実施。
介入グループはストレッチや関節モビライゼーションを含む胸郭モビライゼーションを追加して実施。
肺機能、呼吸筋力、胸郭可動域、頚部と胸部の可動範囲をベースライン、プログラム後、3か月後に評価した。
【結果】
呼吸筋力、胸郭拡張域、胸郭屈曲以外の胸郭可動域が著明に改善。
下部胸郭可動域は、最大吸気圧と最大呼気圧の増加と強く関連していた。
多変量回帰分析において、胸郭可動域、特に伸展と両側回旋は、下部胸郭可動域と強く関連していた。
【考察】
COPD患者のリハビリテーションにおいて、胸郭モビライゼーションを追加することは、胸郭伸展と回旋を改善させ、下部胸郭可動域を改善させた。
胸郭拡張能の著明な改善と最適な筋の機能的な長さを保つことは、呼吸筋活動を許容し、結果として、重症COPD患者の呼吸筋力を改善させた。