2017/04/29

短期間に繰り返し呼吸リハを行うことの効果は?

Magnitude of exercise capacity and quality of life improvement following repeat pulmonary rehabilitation in patients with COPD

International Journal of COPD 2017:12 1085–1091

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28435241

<背景>
メンテナンスと呼吸リハを繰り返し実施しているCOPD患者は、12-24カ月にわたって、その効果を享受している。しかし、効果の程度やプログラム間のインターバル期間中の"現実世界"での状態は、臨床での必要性によって判断されており、根拠が不十分である。
したがって、今回、繰り返しの呼吸リハの効果をCOPDコホートにて調査した。

<方法>
12カ月で、141人のCOPD患者が2回の呼吸リハを完了して、3回以上の呼吸リハを完了したのが35人。直線混合モデル(linear mixed-effects models)を使用して、6分間歩行距離(6MWD)、SGRQ、HADSの程度と変化を各呼吸リハ毎に比較。 Tukey’s post hoc 検定を使用し、6MWD、SGRQ、HADSの変化の影響について検定。

<結果>
1秒量(FEV1.0)の平均経年変化は39mL/年。各呼吸リハにおいて、6MWDは改善した。平均SGRQの改善は、リハ1回目、2回目では有意な改善が見られたが、3回目は有意な改善は得られなかった。HADSも同様の改善であった。

<結論>
呼吸リハを繰り返し行った患者において、運動耐容能の改善は各セッションで効果があり、各呼吸リハセッション間で差は無かった。健康関連QOLと気分の改善は、1回目と2回目は得られたが、3日目は得られなかった。

・オーストラリアの2つの大学病院で、1回以上呼吸リハを行ったCOPD患者を対象とした後方視研究。
・患者選択基準は、最低2回の呼吸リハを完了しており、最低18回の運動セッションを行い、12か月間フォローした患者。
・評価はリハ開始時と終了時に実施。呼吸リハ間のインターバルは、最後の運動セッションを行ってからの日数。

・リハプログラム:週3回、8-12週実施。内容は、20分の平地歩行、10分の有酸素運動(トレッドミルやエルゴ)、20分の上下肢筋トレ、毎週の教育セッション。自宅でも週4回は運動するように自宅エクササイズを推奨。

・プライマリーアウトカムは6MWD(MCIDは30mとした)。セカンダリーアウトカムはSGRQ(MCIDは4点)、HADS(MCIDは1.5点)

・平均年齢68歳、%FEV1.0 40%前後。各セッションの間隔は約1カ月。


各セッションの6MWDの変化。
リハをすれば有意な改善があるが、ベースラインの歩行距離は年々減少している。


点数が低いほど、QOLが良好である。3回目は有意差なし。


点数が高いと、不安抑うつ傾向が強い。3回目は有意差なし。

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1カ月おきに介入すると、体力的な回復は見込めるが、QOL、精神面の改善は少なかった。
繰り返し入院する人に聞くと、また同じことの繰り返しやね。と言われる。
飽きさせないように考えないといけないなと。

2017/04/28

COPD増悪入院:早期リハ介入vs 通常リハ介入

Outcomes after early and delayed rehabilitation for exacerbation of chronic obstructive pulmonary disease: a nationwide retrospective cohort study in Japan

Respiratory Research (2017) 18:68

https://respiratory-research.biomedcentral.com/articles/10.1186/s12931-017-0552-7


<背景>
COPD増悪のリハビリを早期に行う効果についてはいまだ議論されている。この研究の目的は、国家入院データベースを使用して、COPD増悪のリハを早期に行うか、遅れて行うかのアウトカムを比較すること。

<方法>
日本の診療報酬データベースを使用して、COPD増悪で病院へ搬送された患者で、入院中にリハを行っていて、自宅へ退院した患者を調査。
患者は、早期リハグループ(入院後48時間以内に介入)と遅れてリハを提供するグループへ分けられた。
アウトカムは、90日以内の再入院、入院期間、退院時のADL(Bathel Index≧15点)。
複数に帰属するデータは除外。早期リハとアウトカムを比較するために、リスク補正し、治療効果と基本的な変数の方法を使用した。

<結果>
12572人が対象。うち、8459人は遅れてリハグループ、4113人は早期リハグループ。治療効果を補正したモデルでは、早期リハは90日以内の再入院率が少なく、入院期間が短かった。
退院時のADLには差は無かった。基本的な変数の解析では同じような結果であった。

<結論>
早期リハは、90日以内の再入院率を減少させ、増悪での入院期間を短縮する。


・早期リハの定義は、内容や頻度に関わらず、入院から48時間以内に呼吸リハを開始していること

・遅れてリハの定義は、入院から48時間以降に開始された呼吸リハ。
・ADLの評価に関して、COPD患者で、Bathel Indexが15点未満であると、病院での死亡率が高いという報告がある。そのため、退院時のBathel Indexが15点以上であるかをアウトカムとした。


・平均年齢79歳前後
・90日以内の再入院:1843人(21.8%) vs 809人(19.7%) (p=0.007)、入院期間:30.4日 vs 20.3日(p<0.001)

・入院期間の延長は、運動耐容能を低下させ、再入院率を高めてしまうかもしれないと言われている。今回の結果は、早期リハ介入がこのような影響を予防できることを示唆している。



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久しぶりに急性期リハ、早期介入を肯定する論文だった。
しかも日本のデータを使用した結果であることが、特に意義がある。

介入の内容までは問われていないので、そこは気になるところ。

2017/04/26

ICU退室後のリハビリと情報提供を強化することは、有効か?


Increased Hospital-Based Physical Rehabilitation and Information Provision After Intensive Care Unit Discharge


JAMA Intern Med. 2015 Jun;175(6):901-10



<背景>
疾患の結果として、不活動や健康関連QOLの低下があるが、リハビリテーションの最適なタイミングや内容については明らかになっていない。

<目的>
身体的と栄養的リハビリテーションに追加して、ICU退室後の入院中の情報を提供することによるその後の死亡率HRQOL、一般的な不活動への効果を検討すること。

<対象>
スコットランド、エディンバラの2つの病院にて実施した2群間、無作為化盲検試験人工呼吸管理を少なくとも48時間実施してICUを退室した患者240人

<介入>
ICU退室後両グループとも理学療法とダイエット、作業療法、言語療法を実施。しかし、介入グループの患者は、運動の頻度を2,3回増やして減量に評価と治療を増加し個別の目標を設定疾患特異的な情報提供を十分に行った。

介入グループの治療は、リハビリ開業医によって実施、コーディネートした。


<アウトカム>
3か月時点のTheRivermeadMobilityIndex(RMI)(0-15点)高スコアほど活動性が高い

セカンダリーアウトカムは、HRQOL心理的アウトカム、症状の自覚12カ月中の費用対効果

 

<結果>
無作為化時のRMIは3点3カ月後は13点HRQOLは介入グループで変わらない疲労感疼痛食欲呼吸困難の症状に両グループに違いがなかった不安抑うつ心的外傷後ストレスの程度、握力、TUGは似ていた
6-12カ月のどのアウトカムにも違いが無かった。
しかし、介入グループの患者は、理学療法、栄養サポート、ケアの内容、情報提供に非常に満足していた。

<結論>
ICU退室後のリハビリテーションに、身体的療法や栄養療法に情報提供を追加したが、身体的な回復やHRQOLの改善は無かったしかし患者満足度は多くの側面で改善していた

 
・介入期間は、ICU退室後入院中3カ月以内にプライマリーアウトカムを評価

・通常のケアよりもリハビリの頻度や強度を増やした。

・情報提供の内容:

まずICUで家族に対して疾患の状態やケアについて主治医より説明
2つ目にICU在室中の重要なイベントについて説明
3つ目に退院前にICUを訪問
4つ目に、治療中に関連したことがあれば、情報提供

手厚く介入したほうが、運動の内容も高度なものまでできるようになっている。
退院時の指導も行えるようになっている。

しかし、身体機能のアウトカムを高めるまでには至らなかった。
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手厚く介入したほうが、患者満足度は高かった。
数字で結果が見えなくても、"専門職に関わってもらった"という事実が満足度につながっているのかもしれない。
良いことだけど、それに甘えず結果も出せると理想的だな。
"結果にコミット"しないとね、専門家なら。ラ○ザップに仕事取られる。

2017/04/23

ステロイド長期服用と身体機能の関係

Effect of long-term treatment with corticosteroids on skeletal muscle strength,functional exercise capacity and health status in patients with interstitial lung disease.

Respirology (2016) 21, 1088–1093


<背景>
副腎皮質ステロイド(コルチコステロイド)は、間質性肺疾患(ILD)の治療に時折使用される慢性的なステロイドの服用は、骨格筋力低下を引き起こすしかし慢性的なステロイド治療が、さらなる骨格筋力の低下を招くかどうかは明らかになっていない。 

<目的>
ILD患者において、慢性的なステロイド服用が、骨格筋力、運動耐容能、ADL健康状態に影響及ぼすかについて検討すること。

<方法>
47人のILD患者と51人のMRCがマッチしたステロイド治療を行っていないILD患者が対象評価は等尺性大腿四頭筋力(QF)、握力(HF)肺機能6MWTADLSF-36 

<結果>
QFと握力はステロイド服用グループの方が有意に低かった6MWDADLSF-36は有意差無かった骨格筋力とステロイド服用の総量には逆相関(負の相関)が認められた多変量解析において、ステロイド服用の総量は握力の独立した予測因子であった。 

<結論>
慢性的なステロイド治療は、ILD患者の筋力低下に寄与する筋力低下は、ステロイド服用の総量と逆相関の関係にあった。


・ステロイド服用患者は、少なくとも1カ月間服用している。
・服用期間は、ステロイドを開始してからの期間。平均1日量は期間中の平均服用総量は、1日量×服用期間
ADL評価は、the Kats basic ADL scaleを使用

・平均年齢68歳前後間質性肺疾患の内訳は、IPF膠原血管病関連間質性肺炎過敏性肺炎、その他IIP
1日のステロイド服用量は平均20.4±16.0mg/day服用総量は8217.6±9106.5mg免疫抑制剤はステロイドグループで40.4%コントロールグループで7.8%の患者が服用


服用量と筋力(大腿四頭筋力と握力)
月間の服用量(c,d)よりも服用開始からの総服用量(a,b)の方が、強い相関がある。

ICUでの標準的なリハビリテーションは在院日数を短縮する?


Standardized Rehabilitation and Hospital Length of Stay Among Patients With Acute Respiratory Failure

JAMA.2016;315(24):2694-2702



<背景>
ICUにおける身体的リハビリテーションは、急性呼吸不全患者のアウトカムを向上させるかもしれない。


<目的>
標準的なリハビリテーションと通常のICUケアを比較すること。

 
<方法>
アメリカ、ノースカロライナ州の単施設での無作為化試験。人工呼吸管理が必要で急性呼吸不全を呈した成人患者を対象(平均年齢58歳)無作為にリハグループ(150人)と通常ケア(150人)に分けた


<介入内容>
リハは、退院まで毎日実施。内容は、受動的ROM-ex理学療法漸増抵抗運動
通常ケアは、専門チームからオーダーされてから平日に理学療法を実施。

リハ実施期間は、ROM-ex8日間(514日)理学療法5日間(3-8日)抵抗運動3日間(1-5日)通常ケアの理学療法提供日数(中央値)は1日(0-8日)


 <アウトカム>
両グループとも検査者盲検。評価はICUと退院後2,4,6か月後に実施
プライマリーアウトカムは入院期間。
セカンダリーアウトカムは人口呼吸日数、ICU在室日数SPPBスコアSF-36FPIスコアMMSE、握力、筋力 


<結果>
入院期間(中央値)両グループとも10日人工呼吸期間、ICU在室日数は有意差なし6か月後の握力、筋力SF-36MMSEに有意差なし
リハグループにおいて、6か月後SPPBスコアSF-36の身体機能スコアFPIスコアは有意に高かった


<結論>
急性呼吸不全で入院した患者に対して、標準的なリハは、通常ケアと比べて、入院期間を減少させなかった。

 
・リハプログラムの詳細:リハチーム(PTICUナースナースアシスタント)によって、入院中に毎日3回実施。
ROM-exは上下肢の関節を5回ずつ受動的に動かす。
理学療法は、ベッド上動作、移乗トレーニング、バランストレーニング(座位立位)
抵抗運動は、セラバンド(チューブ)を用いて上下肢大関節の運動。

・意識レベルによって、運動内容を調整。意識レベルが低いときは、3ともROM-exのみ実施。

・通常ケアは、治療プロトコルにリハビリテーションは含まれていない。理学療法は平日のみ、オーダーがされてから実施。
 
入院日数。
まったくと言っていいほど同じ経過をたどっている。



セカンダリーアウトカムの表。
退院時は変わらないが、半年後には有意差のある項目がいくつかある。

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今回の介入内容は、運動強度としては、決して高くは無い内容だと思う。
通常ケアとの違いは、理学療法士が単独でしているかと、介入日数。毎日3回介入はやり過ぎな気もするが。

この結果からは、土日まで積極的に行うメリットは、すぐには表れないということが分かった。

しかし、1日の介入と比べて、入院日数に有意差が無いというのは、寂しい結果。

人工呼吸器離脱後、再挿管率の比較:ネーザルハイフロー vs カニューラ


Effect of Postextubation High-Flow Nasal Cannula vs Conventional Oxygen Therapy on Reintubation in Low-Risk Patients

JAMA.2016;315(13):1354-1361 

 

<背景>
人工呼吸管理されている患者の研究では、抜管後の酸素化が、従来の酸素カニューラよりもネーザルハイフローのほうが改善することを示唆している。しかし、再挿管リスクについての決定的なデータは欠落している。 

<目的>
ネーザルハイフローが、再挿管リスクが低いとされる人工呼吸管理下の患者において、従来の酸素カニューラよりも再挿管を防ぐことに優れているかを研究すること。

<方法>
他施設共同無作為化試験を2012年9月から2014年10月までスペインの7つのICUにて実施対象患者は予定抜管で再挿管のリスクが低いとされた527人

再挿管のリスクが低い定義は、65歳以下APACHEⅡスコアが抜管の日に12以下、BMI30以下適切な分泌物の管理がされている、ウィーニングがシンプル併存症が0もしくは1つ心不全が無い中等度から重症のCOPD気道開通性の問題長期にわたる人工呼吸管理(7日間以上)

対象者は、抜管後24時間、無作為にハイフローか酸素カニューラに分けられた。

<アウトカム>
プライマリーアウトカムは72時間以内の再挿管(階二乗検定)

セカンダリーアウトカムは抜管後の呼吸不全呼吸器感染症敗血症多臓器不全ICU在室日数入院日数死亡率有害事象再挿管までの時間

<結果>
264人がハイフロー263人が酸素カニューラ72時間以内の再挿管は、ハイフローのほうが少なかった(13人 vs 32人)抜管後の呼吸不全はハイフローのほうが少なかった(22人 vs 38人)再挿管までの時間は有意差なし(19時間 vs 15時間)有害事象の報告は無かった

<結論>
再挿管リスクが少ないとされる抜管後の患者において、ハイフローの使用は、従来の酸素療法と比べて、72時間以内の再挿管リスクを減少させる。


・ウィーニングのプロトコル:ウィーニングの基準は、FiO2<0.4でP/F ratio>150mmHg呼気終末<8cmHgpH>7.35
全身状態として、循環動態が安定している、血管作用性の薬剤を使用していないもしくは低用量のドーパミンのみHR<140bpmHb>8g/dl体温<38.0鎮静していない、自発の咳がある

基準を満たしていれば、まず、T-チューブもしくは7cmH2Oのサポートを30-120分行い自発呼吸トライアルを実施

自発呼吸トライアルを完了したら、再度呼吸器と接続し、気道開通性、気道分泌物、上気道閉塞を評価。

・ネーザルハイフロー(Fisher & Paykel Healthcare)の設定:10L/minで開始患者が不快に感じないところまで5L/minずつ上昇SpO2>92%を目標にFiO2を調整24時間後ハイフローを止めて必要であれば酸素カニューラを装着
・従来の酸素療法の設定:カニューラか再呼吸しないフェイスマスクを使用SpO2>92%を目標に流量を調整 

患者特性

再挿管リスク
明らかに従来の酸素療法の方が高い
ハイフローの方は5%程度


抜管後12時間のFiO2は有意差ありだが、P/F ratioは有意差無し。
<考察>
・24時間で終了したのは、ICU退室前評価の標準的な時間であることと、医療機器の数が足りていなかったからしかし、ハイフローをどの程度の期間使用すると良いかは明らかにされていない。

・ハイフローは、酸素化を改善させ、低酸素による再挿管の割合が低かったことが明らかになった。また、ハイフローは呼吸仕事量や呼吸筋疲労を軽減する効果もあり、二次的に低酸素血症を防いでいる。

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ハイフローの方が、自発呼吸に左右されにくく、およそ一定の酸素濃度を供給できるのが最大のメリットかな。
呼吸仕事量や呼吸筋疲労ってどの程度効果があるんだろう。

2017/04/21

身体活動性とバランス能力の関係について


relationship between balance and physical activity measured by an activity monitor in elderly COPD patients

International Journal of COPD 2016:11 1505–1514 


<背景>
COPDのバランス障害と身体活動性の関係についてはあまり知られていない。バランスと客観的な身体活動性の評価の関係については研究されていない。今回高齢COPD患者に対してバランスと活動量計で評価した身体活動性の関係について検討した。

<方法>
対象は、22の外来COPD患者(平均年齢72歳%FEV1.0 53%)と13人の年齢がマッチしたコントロールグループ(平均年齢72歳)
全35の対象者にバランス評価(片足立ちSPPB立位バランステスト4m歩行速度5回椅子起立テスト)と身体活動性評価(1日の歩数中等度から強度の身体活動時間)を実施それぞれの評価結果のグループ間の違いを比較相関分析と多変量回帰分析をCOPDグループにて実施

<結果>
COPD患者は片足立ちSPPB4m歩行速度5回起立テスト歩数活動強度が著明に低下していた。立位バランスは例外相関分析と多変量回帰分析ではCOPDグループの交絡因子を補正したのち片足立ちと歩数片足立ちと活動強度に、独立した明らかな関係が示された

<結論>
バランス障害と身体活動性の低下は、COPDグループにおいて示されたバランス能力の低下は、独立して身体不活動と関係していた


・秋田市立大学の呼吸リハを実施したことがある患者が参加した研究。

SPPB(Short Physical Performance Battery)とは、立位バランス4m歩行速度5回起立テストの3つで構成される
・立位バランス:を平行準継ぎ足継ぎ足にして10秒間立位を保てるか
・各評価を0-4点で点数付けし得点ほどバランス能力が優れていると判定

・身体活動性はライフコーダー™で平日5日間装着中等度以上の活動強度とは、3METs以上の活動(ex;早歩き階段上り、エアロビクス)のこと。

A:片足立ちと身体機能
B:SPPBと身体機能
最も相関係数が高いのは 、
片足立ちと歩数。(r=0.821,p<0.001)
SPPBと活動強度(r=-0.592,p=0.004)


A:歩数と身体機能
B:活動強度と身体機能
もっとも相関係数が高いのは、
歩数と6MWD(r=0.660,p=0.001)
活動強度と6MWD(r=0.654,p=0.001)

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バランス能力が低下していると、活動していないという結果に。
バランス練習をすることで、活動的になるための準備が整うのではないかと予想。
片足立ちが最も関係していたため、簡便に評価、スクリーニングができるかもしれない。

2017/04/18

6分間歩行距離と身体活動量の変化で入院リスクを比較


Six-Minute-Walk Distance and Accelerometry Predict Outcomes in Chronic Obstructive Pulmonary Disease Independent of Global Initiative for Chronic Obstructive Lung Disease 2011 Group  

2015 Mar;12(3):349-56.

http://www.atsjournals.org/doi/10.1513/AnnalsATS.201408-365OC


<背景>
2011GOLD( Global Initiative for Chronic Obstructive Lung Disease)において、COPD患者の症状増悪歴増悪リスクの層別化のための肺機能の評価が組み込まれている6分間歩行距離(6MWD)と加速度計はCOPDの疾患重症度を評価するために使用されているこれらの評価と入院や死亡のリスクの関係についてGOLD2011では知られていない


<目的>
COPD患者の運動耐容能と身体活動性の変化について説明し、ベースラインの6MWDや歩数がより低ければCOPD関連入院もしくは死亡リスクの増加と関係しているのではないかという仮設を検証すること。

<方法>
326人の患者の身体機能や医学的情報を収集コーピングスキルトレーニングの介入研究のRCTであるINSPIRE-Ⅱに参加している患者コホート。
Coxモデルを使用し6MWDもしくは歩数が増悪入院や死亡リスクと関連しているかを検討した。

 

<評価と主な結果>
身体機能は、GOLDのグループDにおいて低下していたしかし、グループA,B,Cは安定していたGOLDの分類は、死亡や最初の入院までの時間と関係していたベースラインの6MWDは150m毎に死亡もしくは最初のCOPD関連入院までの時間と強く関係していた(HR 0.50)

同じような関係が歩数でも示された(1000歩毎にHR 0.80)

 

<結論>
運動耐容能と日常身体活動性は、GOLD2011の分類と独立して、COPDの入院と死亡の重要な予測因子であった。
身体機能はCOPD患者の臨床的に意味のある改善のために介入すべきターゲットであるという重要性が増し、修正可能なリスクファクターであることが再提示されたかもしれない。

 

・加速度計は、無作為化前と16週間後に連続2日間装着。6MWTも同様の時期に評価
GOLDのグループ分類
mMRCもしくはCATと前年の増悪回数でグループ分け
 
6MWD(A)と歩数(B)の変化量。
 
 
6MWDで3グループに分け、COPD関連入院もしくは死亡を比較
ベースラインで450m以上歩けていると、イベントリスクは少ない。


歩数で3グループに分けて、入院もしくは死亡を比較
1日4000歩以上がリスク低下
 
 
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運動耐容能と身体活動性は似ているようで、異なる指標と考えるほうがいいかもしれない。
個人的には、身体活動性を高めるための基礎体力として運動耐容能が必要だと思っている。

2017/04/16

6分間歩行距離(6MWD)の3年間の変化量とその予測因子は?


Physical activity and longitudinal change in 6-min walk distance in COPD patients

Respir Med,108,86-94,2014.


<背景>
6MWDCOPD患者の機能的容量の評価として広く用いられている。
目的は、6MWDと自己申告の身体活動性、喫煙歴、身体組成、増悪、併存症、肺機能の縦断的な変化の予測因子を検討すること。 

<方法>
389の臨床的に安定しているCOPD患者が対象(年齢44-75歳GOLDステージ2-4)フォローアップ期間は3年測定項目は6MWD肺機能脂肪量(FMI)除脂肪体重(FFMI)身体活動性喫煙歴併存症増悪について質問
一般化推定方程式(GEE)回帰分析を使用して、6MWDの変化の予測因子を解析した

<結果>
GOLDステージ3と4の患者は、ベースラインから3年間の間に6MWDが減少補正していないGEE解析ではベースラインの身体活動レベル1秒量(FEV1.0)FVCFFMIGOLDステージ年齢が、6MWDの変化と関係していたしかし、補正したGEE解析では、身体活動レベルと1秒量のみが、変化を予測していた

<結論>
GOLDのステージ2の患者は3年間6MWDが維持されていたしかし、ステージ3と4の患者では著しく低下していた身体活動のレベルと1秒量が、機能的能力の縦断的な変化を予測していた。


・ベルギーでのCOPDコホート(ECLIPSE study)での研究
対象のうち89人は追跡期間中(最初の2年)にリハビリテーションプログラムを受けていた。プログラムは7週間17セッションでそれぞれ約5.5時間実施

・1ごとに評価を実施。

・身体活動性の質問は、日常の身体活動強度に関して質問(軽度か強度か)。息切れと発汗の有無について質問反応性の項目は無し週に1時間以内、週に1-2時間週に3時間以上で質問

・対象はGOLDのステージ2が46%3が43%4が11%平均6MWDは423m


・3年後6MWD平均減少数は16mベースラインから3年後の減少はGOLDのステージ3と4において統計的に有意であった
6分間歩行距離の変化。ほとんど変わっていない対象が多い。
特別な介入をほとんどしていないから?
 
3年間の6MWDの変化。
重症になるほど、ベースラインも低いし、落ち幅も大きくなっている。
 
3年後にハードな身体活動性を示した患者は、呼吸リハの参加者が多かった(OR 2.4)

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対象の一部にリハビリ実施者を入れると、結果が分かりにくくないか?

結論は、身体活動性が高い人は、6MWDの変化(減少)が少ない。
6MWDが伸びても身体活動性は変わらなかったという話があったような・・

6MWDと身体活動性はどこで交わっているんだろうか。

2017/04/14

平地歩行トレーニングがCOPD患者のQOLと体力を改善する


Ground-based walking training improves quality of life and exercise capacity in COPD

Eur Respir J 2014; 44: 885–894
 
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25142484

<背景>
グラウンドでの歩行練習がCOPD患者の健康関連QOL、運動耐容能にどのような効果があるかを検討した研究

<方法>
COPD患者は、無作為にグラウンドでの歩行練習を週に2,3回行うグループと通常のケアで運動療法には参加しないコントロールグループに分けて検討

<結果>
130人が参加(平均年齢69歳%FEV1.0 43%)コントロールグループと比較するとグラウンド歩行グループでSGRQ合計スコアCRDQ合計スコア、エンデュランスシャトルウォーキング時間(endurance shuttle walking time)が有意に改善

<結論>
グラウンド歩行練習は、COPD患者のQOLと運動持続時間の改善に効果的な運動あるだろう。

 
・介入グループは、グラウンドウォーキングを実施。コントロールグループは、運動には参加せず、運動に関する指導も受けていない。
・歩行の頻度は、週3を8週間。室内の平地を理学療法士のアドバイスのもと歩行。
・時間は、30分間、速度は、6MWTの平均速度の80%。
・時間は、6回のセッションごとに5分ずつ増やし、最大45まで。息切れの程度は修正Borgで3-4の強度で行うよう指導

・歩幅の制限で歩行速度を上げることができず、息切れがBorg3未満の場合は、ベルトに重りを装着

・アウトカムは、HRQOL(SGRQCRQ)、運動持続時間(ESWT)6MWTISWT
・BMI25、GOLDステージ2-4
・6MWTは465m→474m、ISWTは319m→344m

歩行練習の最大距離と息切れの程度
息切れの程度はあまり変化なく、歩行距離は増加している。

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トレッドミルが無くても十分な改善がある。
30分屋内を歩くのはかなり忍耐力が必要そうだけど。

2017/04/11

エルゴメーターでのトレーニングを行った長期間の効果


Long-term efficacy of intensive cycle ergometer exercise training program for advanced COPD patients

International Journal of COPD 2015:10 133–144

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4296915/

<背景>
運動療法はCOPDの国際ガイドラインに採用されている。しかし、進行したCOPD患者の運動の長期効果についてタイでは評価されていない。

<目的>
進行したCOPD患者の集中的な自転車エルゴメーターを実施した長期効果について臨床的パラメーターを検討すること。

<方法>
患者はエルゴグループとコントロールグループに分けられた。評価する時期はベースラインと、その後3か月毎に評価し、24か月までフォローアップした。
 Mann–WhitneyのU検定を使用しベースラインのグループ間を比較。繰り返し評価したものの分析は、フォローアップ期間全体における全パラメーターの進捗状況を適用した。
帰納法を使用して、ドロップアウトしたケースのパラメーターを推定した。

<結果>
41の患者が対象。27エルゴ、14コントロール。エルゴグループは、筋力、持続時間、6MWD、息切れ、QOLが統計的に有意に改善生存率に関しては両グループに差は無かった

<結論>
集中的なエルゴメーターの運動は、2年間の長期間の間有意に臨床的パラメーターを改善させた。この結果は、適切な薬物コントロールをしているにも関わらず活動制限のあるCOPD患者に対して、運動療法を提供する専門家に推奨すべき結果であった

・安定期外来COPD患者を対象。重症度はGOLDのstage2-4
・運動はSETプログラムという、運動と教育のリハプログラムを実施

・運動内容は上下肢のエルゴをおこなった。頻度は週2を8週間。強度は、最初の2週間は軽負荷(予想HRの30-35%)で30-40分実施ペダルの回転数は45-55回
・負荷調整は、2週間ごとに強度は5分(最高50-60分まで)予測HRの5%ずつ増加(最高50-55%まで)させた。
・息切れのBorgが6までの強度で実施しSpO2が90%を下回る場合は酸素吸入を実施した。

・コントロールグループは、自宅でセルフエクササイズを行うよう推奨された。




 
6MWDと運動持続時間
介入グループの方がMCID並の改善をしている。
 
上下肢の筋力も明らかな改善。


息切れの自覚症状もMCID以上の改善が示された。


生存率は、介入グループの方が良かったが、有意差までは無かった。

2017/04/09

COPD急性増悪時にPEP療法を行うことは有効か?


The effect of positive expiratory pressure (PEP) therapy on symptoms, quality of life and incidence of re-exacerbation in patients with acute exacerbations of chronic obstructive pulmonary disease: a multicentre, randomised controlled trial
 
Thorax 2014;69:137–143
 
 
<背景>
呼気陽圧(PEP)はCOPDの急性増悪(AE)中の喀痰クリアランスを高めるために用いられるテクニックである。急性増悪中のPEPの影響について、臨床的に重要なアウトカム明らかになっていない。この研究では増悪中のCOPD患者におけるPEP療法の効果として症状QOL将来の増悪について検討した。
 
<方法>
90の患者(58人男性%FEV1.0 40.8%)COPD急性増悪で、喀痰除去が必要な患者を無作為に通常ケア(運動療法含む)とPEP療法に分けた
息切れ、咳、喀痰スケール(BCSS)SGRQBODE indexを退院時8週間後6か月後に評価した。解析は、直線ミックスモデルで解析増悪と入院は日誌を使用して記録
 
<結果>
BCSS、SGRQ、は、グループ間に差は無かった。呼吸困難は、最初の8週間PEP療法のグループで早期に改善していた。しかし、これらの効果は、6カ月時点では得られなかった。増悪と入院は、両グループに差がなかった
 
<結論>
AECOPDにおいて、PEP療法が短期間もしくは長期間に重要な改善が得られなかったことを示した。このような対象の管理において、ルーチンで用いるような役割果たしていなかった
 
PEP療法とは:軽い負荷に抗して呼気を行う。商品名でいえば、アカペラやEz-PAPやスレショルドなどのこと。呼気時の気道内陽圧を高める道具。排痰器具として使うことが多い。
COPD急性増悪で入院し喀痰の喀出や貯留がある患者が対象
 
・通常ケアの内容:気管支拡張剤経口ステロイド抗菌薬酸素療法NIVなどガイドラインに沿って実施理学療法士は標準的な運動と、できるだけ早期に1日30分のウォーキングや下肢筋トレの目的を開始。排痰が必要な時には、理学療法士の基で気道クリアランス法を実施。
・PEP療法の内容:マスクを使用し上肢をテーブルの上においた状態で実施10-20cmH2Oの圧をかけて810回1回換気量の呼吸を行う。このうち、少ない吸気から一気にハフィングと中程度の吸気から一気にハフィングと2回強い咳を行う。それぞれ5回繰り返して約20分間行った。
マスクが合わなければマウスピースに変更して実施。退院まで実施し、自己排痰は行わないようにした。
 
・プライマリーアウトカムはBCSSスコア高いほうが症状が強く自覚している
・平均年齢67-69歳入院中の治療内容に有意差なし
BCSSスコアも有意差なし。最初の増悪までの期間や入院までの期間も有意差なし
BCSSスコア。低いほうが症状改善している。
両グループとも同じような傾向にある。
 
・運動耐容能(6MWD)はPEPグループのほうが早期に改善していたが、6か月後には有意差なし。
6分間歩行距離。8週間後PEP療法の方が長く歩けている。
半年後には同じ程度。
 
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個人的にはPEP療法は、長期間使用するようなものではないような印象。排痰困難時に活躍するもので、息切れなどにはそれほど影響無いんじゃないかと思っている。
患者によっては、排痰困難時の助けとなるので、使用するかは状態によって判断するものであって、ルーチン的に行う治療ではないということを示していると思う。

2017/04/06

短期間で再度増悪するCOPD急性増悪患者の特性


Prediction of short term re-exacerbation in patients with acute exacerbation of chronic obstructive pulmonary disease 

International Journal of COPD 2015:10 1265–1273


<背景>
COPD急性増悪(AECOPD)にて、90以内に再増悪にて入院した患者を予測するスコアリングシステムについて検討すること

<方法>
176人のAECOPDで入院している患者が対象患者背景増悪前の状態現在の急性増悪の治療の状態退院後90日での再増悪のデータを収集

<結果>
90日以内の再増悪率は48.9%これは肺機能の低下前年の急性増悪回数現在の急性増悪の状態(胸水呼吸筋補助の使用LABAの吸入ステロイドの吸入酸素療法非侵襲的機械換気)入院日数と関係していたがBMI修正MRCCATとは関連していなかった
関連していた変数と年齢10項目を再増悪スコアリングシステムの項目として採用
再増悪指数は、再増悪を識別する良い指標であった。(C検定で0.750)

<結論>
安定期COPDの統合した包括的評価パラメーター、増悪時の状態治療は、AECOPD患者の短期間のアウトカムを強く予測していることを示した

 

・中国の上海の病院で行われた研究。急性増悪の定義は、いつもよりも呼吸器症状(咳喘鳴、息切れ、痰量増加発熱)が悪化している。
・再増悪の頻度については、退院後90日に電話で聴取再増悪の定義は、呼吸器症状の悪化が少なくとも2日間続いている救急受診をして、抗菌薬やステロイド治療を行う。軽度の呼吸器症状は再増悪には含めなかった
・単変量解析で解析した結果、算出された再増悪因子を再増悪indexとした。
 
再増悪index (re-Exacerbation index)の点数
17点満点。点数が高いほど増悪リスクが高い。
ICS、LABAの吸入は1点減点になる。
 
・平均年齢71歳、再増悪グループは酸素療法使用が93%いる。平均在院日数は10日。
・再増悪indexは、90日以内の再入院と強く相関していた。915の患者のうち77%が再入院していた。6点未満は26%
90日内の再増悪と再増悪スコア
 
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高齢であり、重症度が高く、酸素療法が必要で、入院期間が長いなどが、再増悪のリスクが高くなっていた。
吸入薬の項目は減点の項目なので、正しく服用することで予防できる増悪もあるのかも。
同じアジア圏で、高齢の患者を対象にしているので、現在の日本の状況にも応用できるかもしれない。

2017/04/04

COPD急性増悪後に再度増悪するリスク因子は?

Early and Long-term Outcomes of Older Adults after Acute Care Encounters for Chronic Obstructive Pulmonary Disease Exacerbation

Ann Am Thorac Soc.2015 Dec;12(12):1805-12.

http://www.atsjournals.org/doi/10.1513/AnnalsATS.201504-250OC
<背景>
高齢患者は、COPD急性増悪ので入院したの死亡リスクや再入院のリスクが高い死亡リスクと救急受診の繰り返すリスクに関して急性増悪の高齢COPD患者においてはあまり知られていない。

<目的>
COPD急性増悪で入院や救急受診をした後の、死亡と繰り返す救急受診の割合を短期間と長期間で調査する。

<方法>
65歳以上でCOPD急性増悪での受診歴がある患者を対象に後方視的に調査。アウトカムは、全死亡原因全原因とCOPDによる救急受診の繰り返しを30日後1年後3年後に調査

<結果>
COPD急性増悪による、救急受診をした患者は、30日以内の死亡率は4.6%1年以内は24.4%3年以内は48.2%であった再度入院を繰り返したり救急受診したりするリスクは30日以内に4人に1人の割合で次の3年で10人中9人まで上昇。いくつかの併存症の状態とその他患者の要素(心不全、栄養失調、メディケアとメディケイドの二重適格者酸素療法をしている)は、救急受診を繰り返すリスクの増加と独立した関係があった

<結論>
繰り返す入院と救急受診と死亡は急性増悪治療をしている高齢の患者に共通して見られていた。この結果から、心不全や栄養失調などの併存症の管理の重要性を示唆しており、酸素療法をしている患者、メディケアとメディケイドの二重適格者である患者は、これらのアウトカムの修正が助けになるかもしれない。


・アメリカの医療情報サービスのデータを解析。
・平均年齢77歳酸素療法使用者が37.3%呼吸器以外の併存症としては、心不全が最も多く(44.4%)次いで糖尿病(35.3%)候咽頭反射障害(26.2%)と続く
・退院後に最初に救急受診する理由は、各年齢ともCOPD関連の受診が多い(20%前後)
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一回増悪することがその後の再増悪の危険因子だったり、前年の増悪回数がGOLDの重症度グレードに含まれていたりと、、増悪の頻度をいかに抑えることができるかが管理目標として重要。
この論文を解釈するには、アメリカの医療制度を理解しないと難しそうだ。
アメリカ人でも1カ月以内の再増悪って多いんだなという感想。

2017/04/03

COPD患者がフレイルか否かの予測因子としての身体活動性


Physical Activity as a Predictor of Absence of Frailty in Subjects With Stable COPD and COPD Exacerbation

Respir Care 2016;61(2):212–219.

http://rc.rcjournal.com/content/61/2/212.short


<背景>
フレイルは、高齢患者のケアにおいてカギとなる問題である。COPD患者は57.8%がフレイルのような状態である。フレイルは身体活動性のレベルの低さと関係している
 目的は、増悪期COPD患者と安定期COPD患者において、フレイルかどうかについて、身体活動レベルのカットオフ値を異なるドメイン(家事レジャー時間スポーツ)にて算出し、予測の強度を分析すること


<方法>
参加者に社会背景と臨床的側面についてインタビュー。総身体活動性とそのドメインは、the modified Baecke questionnaireにて評価し、フレイルはFriedの修正バージョンにて評価した。

212の患者(安定期104人増悪期108人)健常者100人を対象

<結果>
フレイルの罹患率は、健常者に比べてCOPDで高かった身体活動レベルのフレイルとされるカットオフ値増悪期COPDで3.54(感度0.95特異度0.807)、安定期COPDで3.88(感度0.95特異度0.815)健常者で3.50(感度0.95特異度0.947)

<結論>
身体活動レベルは、安定期と増悪期のCOPD患者におけるフレイルの有無を予測できる

・フレイルの基準:Friedの修正された定義とは、5つの基準(握力低下、意図せぬ体重減少疲労度、椅子からの起立が制限低い身体活動レベル)のうち3つ以上を満たしているとフレイルと診断される
・身体活動レベルの評価the modified Baecke questionnaire:家事スポーツレジャータイムの3つからなる質問票0-47.56点で点数づける
9点未満:不活動9-16点:中等度不活動17点以上:活動的
・平均年齢71歳認知機能障害(MMSEで評価)の診断が増悪期COPDで91.3%、安定期COPDで64.3%存在する。健常者は16.1%
・フレイルの罹患の予測因子としての身体活動レベルについてのROC曲線:身体活動レベルは、予測因子となり得る
COPD患者の58%がフレイルのような状態にあったフレイルの最も強い予測因子は息切れの自覚症状であると言われているらしい
フレイルと身体活動性は身近な関係にあり、身体活動レベルがCOPD患者のフレイルの有無を予測するものかもしれない

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身体虚弱であるフレイルと活動性が関係するのは、納得いく内容。
MMSEで認知機能障害の基準がほとんどを占める対象に、質問で身体活動レベルを評価したということ?信頼できるのか?
高齢患者のフレイルの状態って、何をどのくらいすれば改善するのだろうか?