Effect of long-term
treatment with corticosteroids on skeletal muscle
strength,functional exercise capacity and health status in patients with interstitial
lung disease.
Respirology (2016) 21, 1088–1093
<背景>
副腎皮質ステロイド(コルチコステロイド)は、間質性肺疾患(ILD)の治療に時折使用される。慢性的なステロイドの服用は、骨格筋力低下を引き起こす。しかし、慢性的なステロイド治療が、さらなる骨格筋力の低下を招くかどうかは明らかになっていない。
<目的>
ILD患者において、慢性的なステロイド服用が、骨格筋力、運動耐容能、ADL、健康状態に影響を及ぼすかについて検討すること。
<方法>
47人のILD患者と51人のMRCがマッチしたステロイド治療を行っていないILD患者が対象。評価は、等尺性大腿四頭筋力(QF)、握力(HF)、肺機能、6MWT、ADL、SF-36。
<結果>
QFと握力はステロイド服用グループの方が有意に低かった。6MWD、ADL、SF-36は有意差無かった。骨格筋力とステロイド服用の総量には逆相関(負の相関)が認められた。多変量解析において、ステロイド服用の総量は握力の独立した予測因子であった。
<結論>
慢性的なステロイド治療は、ILD患者の筋力低下に寄与する。筋力低下は、ステロイド服用の総量と逆相関の関係にあった。
・ステロイド服用患者は、少なくとも1カ月間服用している。
・服用期間は、ステロイドを開始してからの期間。平均1日量は期間中の平均。服用総量は、1日量×服用期間。
・ADL評価は、the Kats basic ADL scaleを使用。
・平均年齢68歳前後。間質性肺疾患の内訳は、IPF、膠原血管病関連間質性肺炎、過敏性肺炎、その他IIP。
・1日のステロイド服用量は平均20.4±16.0mg/day、服用総量は8217.6±9106.5mg。免疫抑制剤はステロイドグループで40.4%、コントロールグループで7.8%の患者が服用。
服用量と筋力(大腿四頭筋力と握力) |