Ann Am Thorac Soc.2015 Dec;12(12):1805-12.
http://www.atsjournals.org/doi/10.1513/AnnalsATS.201504-250OC
<背景>
高齢患者は、COPD急性増悪ので入院した後の死亡リスクや再入院のリスクが高い。死亡リスクと救急受診の繰り返すリスクに関して、急性増悪の高齢COPD患者においてはあまり知られていない。
<目的>
COPD急性増悪で入院や救急受診をした後の、死亡と繰り返す救急受診の割合を短期間と長期間で調査する。
<方法>
65歳以上で、COPD急性増悪での受診歴がある患者を対象に後方視的に調査。アウトカムは、全死亡原因、全原因とCOPDによる救急受診の繰り返しを30日後、1年後、3年後に調査。
<結果>
COPD急性増悪による、救急受診をした患者は、30日以内の死亡率は4.6%、1年以内は24.4%、3年以内は48.2%であった。再度、入院を繰り返したり救急受診したりするリスクは、30日以内に4人に1人の割合で、次の3年で10人中9人まで上昇。いくつかの併存症の状態とその他患者の要素(心不全、栄養失調、メディケアとメディケイドの二重適格者、酸素療法をしている)は、救急受診を繰り返すリスクの増加と独立した関係があった。
<結論>
繰り返す入院と救急受診と死亡は急性増悪治療をしている高齢の患者に共通して見られていた。この結果から、心不全や栄養失調などの併存症の管理の重要性を示唆しており、酸素療法をしている患者、メディケアとメディケイドの二重適格者である患者は、これらのアウトカムの修正が助けになるかもしれない。
・アメリカの医療情報サービスのデータを解析。
・平均年齢77歳、酸素療法使用者が37.3%、呼吸器以外の併存症としては、心不全が最も多く(44.4%)、次いで糖尿病(35.3%)、候咽頭反射障害(26.2%)と続く。
・退院後に最初に救急受診する理由は、各年齢ともCOPD関連の受診が多い(20%前後)
一回増悪することがその後の再増悪の危険因子だったり、前年の増悪回数がGOLDの重症度グレードに含まれていたりと、、増悪の頻度をいかに抑えることができるかが管理目標として重要。
この論文を解釈するには、アメリカの医療制度を理解しないと難しそうだ。
アメリカ人でも1カ月以内の再増悪って多いんだなという感想。