2017/04/11

エルゴメーターでのトレーニングを行った長期間の効果


Long-term efficacy of intensive cycle ergometer exercise training program for advanced COPD patients

International Journal of COPD 2015:10 133–144

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4296915/

<背景>
運動療法はCOPDの国際ガイドラインに採用されている。しかし、進行したCOPD患者の運動の長期効果についてタイでは評価されていない。

<目的>
進行したCOPD患者の集中的な自転車エルゴメーターを実施した長期効果について臨床的パラメーターを検討すること。

<方法>
患者はエルゴグループとコントロールグループに分けられた。評価する時期はベースラインと、その後3か月毎に評価し、24か月までフォローアップした。
 Mann–WhitneyのU検定を使用しベースラインのグループ間を比較。繰り返し評価したものの分析は、フォローアップ期間全体における全パラメーターの進捗状況を適用した。
帰納法を使用して、ドロップアウトしたケースのパラメーターを推定した。

<結果>
41の患者が対象。27エルゴ、14コントロール。エルゴグループは、筋力、持続時間、6MWD、息切れ、QOLが統計的に有意に改善生存率に関しては両グループに差は無かった

<結論>
集中的なエルゴメーターの運動は、2年間の長期間の間有意に臨床的パラメーターを改善させた。この結果は、適切な薬物コントロールをしているにも関わらず活動制限のあるCOPD患者に対して、運動療法を提供する専門家に推奨すべき結果であった

・安定期外来COPD患者を対象。重症度はGOLDのstage2-4
・運動はSETプログラムという、運動と教育のリハプログラムを実施

・運動内容は上下肢のエルゴをおこなった。頻度は週2を8週間。強度は、最初の2週間は軽負荷(予想HRの30-35%)で30-40分実施ペダルの回転数は45-55回
・負荷調整は、2週間ごとに強度は5分(最高50-60分まで)予測HRの5%ずつ増加(最高50-55%まで)させた。
・息切れのBorgが6までの強度で実施しSpO2が90%を下回る場合は酸素吸入を実施した。

・コントロールグループは、自宅でセルフエクササイズを行うよう推奨された。




 
6MWDと運動持続時間
介入グループの方がMCID並の改善をしている。
 
上下肢の筋力も明らかな改善。


息切れの自覚症状もMCID以上の改善が示された。


生存率は、介入グループの方が良かったが、有意差までは無かった。

 これだけパラメーターが改善しているのに、生存率はそれほど変わりないとは。