2017/04/29

短期間に繰り返し呼吸リハを行うことの効果は?

Magnitude of exercise capacity and quality of life improvement following repeat pulmonary rehabilitation in patients with COPD

International Journal of COPD 2017:12 1085–1091

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28435241

<背景>
メンテナンスと呼吸リハを繰り返し実施しているCOPD患者は、12-24カ月にわたって、その効果を享受している。しかし、効果の程度やプログラム間のインターバル期間中の"現実世界"での状態は、臨床での必要性によって判断されており、根拠が不十分である。
したがって、今回、繰り返しの呼吸リハの効果をCOPDコホートにて調査した。

<方法>
12カ月で、141人のCOPD患者が2回の呼吸リハを完了して、3回以上の呼吸リハを完了したのが35人。直線混合モデル(linear mixed-effects models)を使用して、6分間歩行距離(6MWD)、SGRQ、HADSの程度と変化を各呼吸リハ毎に比較。 Tukey’s post hoc 検定を使用し、6MWD、SGRQ、HADSの変化の影響について検定。

<結果>
1秒量(FEV1.0)の平均経年変化は39mL/年。各呼吸リハにおいて、6MWDは改善した。平均SGRQの改善は、リハ1回目、2回目では有意な改善が見られたが、3回目は有意な改善は得られなかった。HADSも同様の改善であった。

<結論>
呼吸リハを繰り返し行った患者において、運動耐容能の改善は各セッションで効果があり、各呼吸リハセッション間で差は無かった。健康関連QOLと気分の改善は、1回目と2回目は得られたが、3日目は得られなかった。

・オーストラリアの2つの大学病院で、1回以上呼吸リハを行ったCOPD患者を対象とした後方視研究。
・患者選択基準は、最低2回の呼吸リハを完了しており、最低18回の運動セッションを行い、12か月間フォローした患者。
・評価はリハ開始時と終了時に実施。呼吸リハ間のインターバルは、最後の運動セッションを行ってからの日数。

・リハプログラム:週3回、8-12週実施。内容は、20分の平地歩行、10分の有酸素運動(トレッドミルやエルゴ)、20分の上下肢筋トレ、毎週の教育セッション。自宅でも週4回は運動するように自宅エクササイズを推奨。

・プライマリーアウトカムは6MWD(MCIDは30mとした)。セカンダリーアウトカムはSGRQ(MCIDは4点)、HADS(MCIDは1.5点)

・平均年齢68歳、%FEV1.0 40%前後。各セッションの間隔は約1カ月。


各セッションの6MWDの変化。
リハをすれば有意な改善があるが、ベースラインの歩行距離は年々減少している。


点数が低いほど、QOLが良好である。3回目は有意差なし。


点数が高いと、不安抑うつ傾向が強い。3回目は有意差なし。

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1カ月おきに介入すると、体力的な回復は見込めるが、QOL、精神面の改善は少なかった。
繰り返し入院する人に聞くと、また同じことの繰り返しやね。と言われる。
飽きさせないように考えないといけないなと。