relationship between
balance and physical activity measured by an activity monitor in elderly COPD
patients
International Journal
of COPD 2016:11 1505–1514
<背景>
COPDのバランス障害と身体活動性の関係についてはあまり知られていない。バランスと客観的な身体活動性の評価の関係については研究されていない。今回、高齢COPD患者に対して、バランスと活動量計で評価した身体活動性の関係について検討した。
<方法>
対象は、22人の外来COPD患者(平均年齢72歳、%FEV1.0 53%)と13人の年齢がマッチしたコントロールグループ(平均年齢72歳)。
全35人の対象者にバランス評価(片足立ち、SPPB、立位バランステスト、4m歩行速度、5回椅子起立テスト)と身体活動性評価(1日の歩数、中等度から強度の身体活動時間)を実施。それぞれの評価結果のグループ間の違いを比較。相関分析と多変量回帰分析をCOPDグループにて実施。
<結果>
COPD患者は、片足立ち、SPPB、4m歩行速度、5回起立テスト、歩数、活動強度が著明に低下していた。立位バランスは例外。相関分析と多変量回帰分析では、COPDグループの交絡因子を補正したのち、片足立ちと歩数、片足立ちと活動強度に、独立した明らかな関係が示された。
<結論>
バランス障害と身体活動性の低下は、COPDグループにおいて示された。バランス能力の低下は、独立して身体不活動と関係していた。
・秋田市立大学の呼吸リハを実施したことがある患者が参加した研究。
・SPPB(Short Physical Performance Battery)とは、立位バランス、4m歩行速度、5回起立テストの3つで構成される。
・立位バランス:足を平行、準継ぎ足、継ぎ足にして10秒間立位を保てるか。
・各評価を0-4点で点数付けし、高得点ほどバランス能力が優れていると判定。
・身体活動性はライフコーダー™で平日5日間装着。中等度以上の活動強度とは、3METs以上の活動(ex;早歩き、階段上り、エアロビクス)のこと。
A:片足立ちと身体機能 B:SPPBと身体機能 |
片足立ちと歩数。(r=0.821,p<0.001)
SPPBと活動強度(r=-0.592,p=0.004)
A:歩数と身体機能 B:活動強度と身体機能 |
歩数と6MWD(r=0.660,p=0.001)
活動強度と6MWD(r=0.654,p=0.001)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
バランス能力が低下していると、活動していないという結果に。
バランス練習をすることで、活動的になるための準備が整うのではないかと予想。
片足立ちが最も関係していたため、簡便に評価、スクリーニングができるかもしれない。