2017/04/28

COPD増悪入院:早期リハ介入vs 通常リハ介入

Outcomes after early and delayed rehabilitation for exacerbation of chronic obstructive pulmonary disease: a nationwide retrospective cohort study in Japan

Respiratory Research (2017) 18:68

https://respiratory-research.biomedcentral.com/articles/10.1186/s12931-017-0552-7


<背景>
COPD増悪のリハビリを早期に行う効果についてはいまだ議論されている。この研究の目的は、国家入院データベースを使用して、COPD増悪のリハを早期に行うか、遅れて行うかのアウトカムを比較すること。

<方法>
日本の診療報酬データベースを使用して、COPD増悪で病院へ搬送された患者で、入院中にリハを行っていて、自宅へ退院した患者を調査。
患者は、早期リハグループ(入院後48時間以内に介入)と遅れてリハを提供するグループへ分けられた。
アウトカムは、90日以内の再入院、入院期間、退院時のADL(Bathel Index≧15点)。
複数に帰属するデータは除外。早期リハとアウトカムを比較するために、リスク補正し、治療効果と基本的な変数の方法を使用した。

<結果>
12572人が対象。うち、8459人は遅れてリハグループ、4113人は早期リハグループ。治療効果を補正したモデルでは、早期リハは90日以内の再入院率が少なく、入院期間が短かった。
退院時のADLには差は無かった。基本的な変数の解析では同じような結果であった。

<結論>
早期リハは、90日以内の再入院率を減少させ、増悪での入院期間を短縮する。


・早期リハの定義は、内容や頻度に関わらず、入院から48時間以内に呼吸リハを開始していること

・遅れてリハの定義は、入院から48時間以降に開始された呼吸リハ。
・ADLの評価に関して、COPD患者で、Bathel Indexが15点未満であると、病院での死亡率が高いという報告がある。そのため、退院時のBathel Indexが15点以上であるかをアウトカムとした。


・平均年齢79歳前後
・90日以内の再入院:1843人(21.8%) vs 809人(19.7%) (p=0.007)、入院期間:30.4日 vs 20.3日(p<0.001)

・入院期間の延長は、運動耐容能を低下させ、再入院率を高めてしまうかもしれないと言われている。今回の結果は、早期リハ介入がこのような影響を予防できることを示唆している。



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久しぶりに急性期リハ、早期介入を肯定する論文だった。
しかも日本のデータを使用した結果であることが、特に意義がある。

介入の内容までは問われていないので、そこは気になるところ。