Prediction of short
term re-exacerbation in patients with acute exacerbation of chronic obstructive
pulmonary disease
International Journal
of COPD 2015:10 1265–1273
<背景>
COPD急性増悪(AECOPD)にて、90日以内に再増悪にて入院した患者を予測するスコアリングシステムについて検討すること。
<方法>
176人のAECOPDで入院している患者が対象。患者背景、増悪前の状態、現在の急性増悪の治療の状態、退院後90日での再増悪のデータを収集。
<結果>
90日以内の再増悪率は48.9%。これは、肺機能の低下、前年の急性増悪回数、現在の急性増悪の状態(胸水、呼吸筋補助の使用、LABAの吸入、ステロイドの吸入、酸素療法、非侵襲的機械換気)、入院日数と関係していたが、BMI、修正MRC、CATとは関連していなかった。関連していた変数と年齢の10項目を再増悪スコアリングシステムの項目として採用。
再増悪指数は、再増悪を識別する良い指標であった。(C検定で0.750)
<結論>
安定期COPDの統合した包括的評価パラメーター、増悪時の状態、治療は、AECOPD患者の短期間のアウトカムを強く予測していることを示した。
・中国の上海の病院で行われた研究。急性増悪の定義は、いつもよりも呼吸器症状(咳、喘鳴、息切れ、痰量増加、発熱)が悪化している。
・再増悪の頻度については、退院後90日に電話で聴取。再増悪の定義は、呼吸器症状の悪化が少なくとも2日間続いている。救急受診をして、抗菌薬やステロイド治療を行う。軽度の呼吸器症状は再増悪には含めなかった。
・単変量解析で解析した結果、算出された再増悪因子を再増悪indexとした。
再増悪index (re-Exacerbation index)の点数 17点満点。点数が高いほど増悪リスクが高い。 ICS、LABAの吸入は1点減点になる。 |
・平均年齢71歳、再増悪グループは酸素療法使用が93%いる。平均在院日数は10日。
・再増悪indexは、90日以内の再入院と強く相関していた。9-15点の患者のうち77%が再入院していた。6点未満は26%。
90日内の再増悪と再増悪スコア |
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高齢であり、重症度が高く、酸素療法が必要で、入院期間が長いなどが、再増悪のリスクが高くなっていた。
吸入薬の項目は減点の項目なので、正しく服用することで予防できる増悪もあるのかも。
同じアジア圏で、高齢の患者を対象にしているので、現在の日本の状況にも応用できるかもしれない。