2017/04/18

6分間歩行距離と身体活動量の変化で入院リスクを比較


Six-Minute-Walk Distance and Accelerometry Predict Outcomes in Chronic Obstructive Pulmonary Disease Independent of Global Initiative for Chronic Obstructive Lung Disease 2011 Group  

2015 Mar;12(3):349-56.

http://www.atsjournals.org/doi/10.1513/AnnalsATS.201408-365OC


<背景>
2011GOLD( Global Initiative for Chronic Obstructive Lung Disease)において、COPD患者の症状増悪歴増悪リスクの層別化のための肺機能の評価が組み込まれている6分間歩行距離(6MWD)と加速度計はCOPDの疾患重症度を評価するために使用されているこれらの評価と入院や死亡のリスクの関係についてGOLD2011では知られていない


<目的>
COPD患者の運動耐容能と身体活動性の変化について説明し、ベースラインの6MWDや歩数がより低ければCOPD関連入院もしくは死亡リスクの増加と関係しているのではないかという仮設を検証すること。

<方法>
326人の患者の身体機能や医学的情報を収集コーピングスキルトレーニングの介入研究のRCTであるINSPIRE-Ⅱに参加している患者コホート。
Coxモデルを使用し6MWDもしくは歩数が増悪入院や死亡リスクと関連しているかを検討した。

 

<評価と主な結果>
身体機能は、GOLDのグループDにおいて低下していたしかし、グループA,B,Cは安定していたGOLDの分類は、死亡や最初の入院までの時間と関係していたベースラインの6MWDは150m毎に死亡もしくは最初のCOPD関連入院までの時間と強く関係していた(HR 0.50)

同じような関係が歩数でも示された(1000歩毎にHR 0.80)

 

<結論>
運動耐容能と日常身体活動性は、GOLD2011の分類と独立して、COPDの入院と死亡の重要な予測因子であった。
身体機能はCOPD患者の臨床的に意味のある改善のために介入すべきターゲットであるという重要性が増し、修正可能なリスクファクターであることが再提示されたかもしれない。

 

・加速度計は、無作為化前と16週間後に連続2日間装着。6MWTも同様の時期に評価
GOLDのグループ分類
mMRCもしくはCATと前年の増悪回数でグループ分け
 
6MWD(A)と歩数(B)の変化量。
 
 
6MWDで3グループに分け、COPD関連入院もしくは死亡を比較
ベースラインで450m以上歩けていると、イベントリスクは少ない。


歩数で3グループに分けて、入院もしくは死亡を比較
1日4000歩以上がリスク低下
 
 
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運動耐容能と身体活動性は似ているようで、異なる指標と考えるほうがいいかもしれない。
個人的には、身体活動性を高めるための基礎体力として運動耐容能が必要だと思っている。