2017/08/31

インターバルトレーニングと持続トレーニングの効果を比較

Interval versus continuous training in individuals with chronic obstructive pulmonary disease--a systematic review.

Thorax. 2010 Feb;65(2):157-64.

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19996334


<背景>
COPD患者において、インターバル運動は持続運動と比べて、より大きな身体的運動の効果が得られる。このシステマティックレビューの目的は、インターバル運動と持続運動での最大酸素摂取量、最大筋力、6MWD、健康関連QOLを比較すること。

<方法>
無作為化比較対象試験で、インターバルトレーニングの効果を検討した文献を6つのデータベースから検索。2人のレビュアーが研究の質を検討した。加重平均の差(Weighted mean differences;WMD)を95%信頼区間で、運動耐容能や健康関連QOLの効果を計算した。

<結果>
8つの無作為化試験が該当。388人のCOPD患者が対象。最大負荷、最大酸素摂取量に明確な差は無かった。CRQの息切れスコアのWMDは-0.2点。6MWDの変化は差が無かった。

<結論>
インターバルトレーニングと持続トレーニングでは、運動耐容能やQOLの効果に差が無かった。インターバルトレーニングは、COPD重症度が増した患者の持続トレーニングに置き換わることができるかもしれない。

・トレーニングプロトコル:持続運動は、漸増負荷試験で得られた最大酸素摂取量の50-80%という中強度から高度の負荷でトレーニング。時間は20-45分。
インターバルトレーニングは、高強度運動を20秒-3分、低強度から中強度の運動を30秒-3分実施。
運動様式は、7文献で自転車エルゴメーターを採用、1文献は自転車かトレッドミルを選択できた。


A)最大負荷(watt)、B)最大酸素摂取量、C)乳酸閾値
どの文献でもトレーニングの仕方で有意差は無い。



6MWDの変化量。
運動の仕方で違いは無い。



CRQ息切れスコアの変化。
やや持続トレーニングの方が良くなる結果。

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重症になれば、息切れや低酸素が運動制限因子として出やすくなるため、インターバルは非常に有効な運動。
インターバルなしと差が無いので、運動が続かない症例には活用すべき。

2017/08/28

COPDの身体活動性低下に関連するバリア

Barriers associated with reduced physical activity in COPD patients

J Bras Pneumol. 2014;40(5):504-512

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25410838

<目的>
COPD患者のADL活動を評価すること;ADL活動のバリアを明らかにすること;これらのバリアと息切れ、6MWT、ADLスコアとの関係を明らかにすること。

<方法>
COPD患者と健常者を対象に歩数、歩行距離、歩行時間を7日間連続で3軸加速度計で測定。ADL評価表はLCADLを使用。息切れは2種類の評価、運動耐容能は6MWTで評価。

<結果>
40人のCOPD患者と40人の健常者が対象。平均歩行時間はCOPD患者で著明に低下(68.5時間/日 vs 105.2時間/日)、同様に歩行距離も低下(3.9km/日 vs 6.4km/日)。歩数もCOPDで少なかった。
患者が報告したバリアは、インフラの欠如、社会的影響、気力の欠如。6MWDは、加速度計の結果と相関していたが、LCADLの結果とは関連していなかった。

<結論>
COPD患者は、健常者よりも活動性が低下している。身体不活動とADL制限は、即座に介入すべきであり、早期介入を評価が必要である。

身体活動の制限となるもの。
環境と気力が最も多く回答されている。


6MWDが長ければ、身体活動性も高かった。
しかし、ADLとは関係なかったと。。。

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運動耐容能は身体活動性の必要条件であるが、十分条件とまではいかないのかな。
リハビリは身体活動性の向上だけでなく、生活(ADL)の改善も重要な仕事。

2017/08/26

特発性間質性肺炎と身体活動性の減少との関係

Clinical Correlates of Reduced Physical Activity in Idiopathic Pulmonary Fibrosis

Respiration 2016;91:497–502

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27240427

<背景>
特発性肺線維症(IPF)患者の身体活動性(PA)についてはあまり知られていない。

<目的>
IPF患者のPAの程度について調べること、肺機能、運動耐容能、症状、QOLとPAの関係について調べること。

<方法>
安定期IPF患者のPA(1日の歩数SPD、身体活動レベルPAL、活動強度中等度の時間MMA)
を加速度計で1週間測定。また、肺機能(FVC、DLCO)、運動耐容能(6MWT)、息切れ(mMRC)、疲労感(多面的疲労度評価;MFI-20)、包括的、疾患特異的QOL(SF-12、SGRQ)

<結果>
48人のIPF患者が2施設より集められた(平均年齢67歳、男性75%、長期間酸素療法23%、平均%FVC75%、平均%DLCO43%、6MWD355m)。2変量分析において、すべての変数が、歩数(SPD)と関連していた。mMRC、MFI-20、SF-12、6MWDとSPDは、肺機能と独立して関連していた。多変量解析において、6MWDとMFI-20が、SPDの独立した予測因子であった。

<結論>
疲労感と運動耐容能はIPF患者のPAの独立した予測因子であり、IPF患者のPAを研究するためには、この2つの評価を行うべきである。


2変数解析:歩数との相関
1日の歩数とそれぞれの評価との関係
すべての変数において、重症になると歩数が減少している。
最重度と中等度との有意差があったのは、
mMRC(p = 0.024), FVC (p = 0.007), D LCO (p = 0.028), and 6MWD (p <0.001).

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重症になると活動性(歩数)が低下している。
動作時低酸素や酸素療法との関係もありそう。

2017/08/25

身体活動性と心不全発症リスクの関係:a meta analysis

Dose-Response Relationship Between Physical Activity and Risk of Heart Failure: A Meta-Analysis.

Circulation. 2015 Nov 10;132(19):1786-94.


<背景>
これまでの研究で、身体活動性(PA)と心不全(HF)のリスクの関係について述べられてきた。しかし、PAとHFリスクの関係を包括的に検討されていない。

<方法>
18歳以上の参加者を対象にして、ベースラインのPAレベルとHFの発症についての関係を報告したものを解析。PAとHFリスクの関係についての分類は、無作為効果モデルで評価。一般的な最小二乗法回帰モデルを使用して、PA(METs)とHFリスクの関係について評価。

<結果>
12のコホートスタディを解析。370460の参加者のうち、20203人でHFイベントが発生。最も高いPAレベルはHFリスクの減少と関連していた。ガイドラインで推奨されている最小レベルのPA(500METs/week)である、レジャー時間以外のPA時間を比較すると、中等度のHFリスクが減少していた。
対照的に、最小PAレベルの2倍(1000METs/week)から4倍(2000METs/week)の活動をしていた患者は、リスクが軽減していた。

<結論>
PAとHFリスクには逆の線量効果反応があった。ガイドラインで推奨されている最小限のPAレベルよりもかなり多くのPAはHFリスクをかなり軽減するかもしれない。

・Dose-response :用量反応。投与量と生体反応の関係を表す曲線。ここでいうと、身体活動性と心不全発症リスク。一直線のグラフにならない。

身体活動性と心不全発症リスク。
PAが高いほど、発症リスクは低い。

用量反応曲線。
PAレベルが高くなるほど、リスクは低くなる。



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心不全も、身体活動性がカギになるかもしれない。ざっと読んだ感じ、身体活動の測定は、患者の自己申告によって評価していた(table1)。
呼吸器みたいに加速度計はまだ使われていない?

有酸素運動+呼吸筋ストレッチの効果

effects of aerobic training combined with respiratory muscle stretching on the functional exercise capacity and thoracoabdominal kinematics in patients with COPD: a randomized and controlled trial

International Journal of COPD 2016:11 2691–2700

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27822031

<背景>
COPD患者は、吸気筋の使用、胸部変形、息切れの軽減と運動耐容能の低下がある。ストレッチは、呼吸筋の活動を軽減し、全身状態を改善させる。しかし、ストレッチの全身的な効果に関しては知られていない。


<目的>
有酸素運動に加えて呼吸筋のストレッチを行うことが、運動耐容能や胸部運動を改善するかを検討すること。

<方法>
無作為化比較対照試験。30人の患者を治療グループとコントロールグループに分けた。
治療グループは、呼吸筋のストレッチを行い、コントロールグループは上下肢のストレッチを実施。有酸素運動は週2回を12週間計24セッション実施。
評価は、6MWT、運動中の光電子プレチスモグラフィー、表面筋電図。

<結果>
介入後、治療グループは腹部活動、区画容量、可動性、運動耐容能が改善。コントロールグループと比べてい息切れが減少。治療グループは呼吸筋努力が減少していた。

<結論>
有酸素運動と呼吸筋のストレッチを行うことは、運動耐容能の改善、息切れの軽減を示した。これらの効果は、呼吸筋力と腹部の活動の改善と関連している。


・呼吸筋ストレッチの方法:有酸素運動前に実施。ホールド・リラックスと他動的ストレッチを実施。ストレッチする筋は斜角筋、胸鎖乳突筋、僧帽筋、大胸筋、小胸筋、肋間筋、前鋸筋、腹直筋。
ホールドリラックスは、3秒等張性収縮を3回繰り返す。これを1セットで3セット実施。
他動ストレッチは1分間を3セット行う。

・コントロールグループの筋ストレッチ:手首、足首を屈伸させるストレッチを実施。

・有酸素運動は、6MWTの60-85%負荷で30分を目標に実施。息切れのborgscaleが4-7で行えるように徐々に負荷を増大させる。

呼吸筋ストレッチを行うと、分時換気量が増大、運動中の呼気量も増大


6MWTや息切れの自覚症状が改善



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セルフで行う呼吸筋ストレッチでもこれだけの効果が得られる。
継続することが改善につながると思われる。

2017/08/22

12週間のテレコーチングで身体活動性が改善

Physical activity is increased by a 12-week semiautomated telecoaching programme in patients with COPD: a multicentre randomised controlled trial

Thorax 2017;72:415–423

http://thorax.bmj.com/content/early/2017/01/30/thoraxjnl-2016-209026


<背景>
COPD患者において身体活動性の低下は予後の不良と関連している。身体活動性の向上は治療ターゲットのカギであるが、いくつかの戦略がこの患者グループでの効果を示している。

<目的>
12週間の準自動的なテレコーチング介入がCOPD患者の身体活動性向上への効果についてヨーロッパの多施設にて無作為化対照比較試験を行うこと。

<方法>
様々な重症度の343人の患者が6つの施設にて対象になり、通常グループと介入(テレコーチング)グループに無作為に分けた。
12週間のテレコーチングは、運動冊子と歩数計を使用して直接とスマートフォンのアプリを介してフィードバックを提供。歩数計は、毎週1日の目標を個別に設定し、テキストメッセージで電話と同じように時々コンタクトをとることを許可した。
身体活動性は加速度計を使用して無作為化の1週間前に測定。セカンダリーアウトカムは運動耐容能、健康状態。解析は修正intention to treatを基にした。

<結果>
両グループともベースラインと比較して身体活動性は向上。12週目において、介入グループはベースラインから+1469歩、中等度の身体活動時間はプラス10.4分。
6MWDは介入グループで著明に改善。
介入グループは、CCQ(Clinical COPD Questionnaire)の機能的な項目が改善していた。その他の項目に違いはなかった。

<結論>
身体活動の量と強度は、12週間の歩数計やアプリを利用したテレコーチングを行うことで、改善した。

・通常ケア:身体活動性の重要性について説明した冊子を手渡して情報提供。冊子について検査者と5-10分間のディスカッションをベースラインで実施。
・介入内容:通常ケアに加えて、テレコーチング介入を実施。内容は①ベースラインで検査者と面談を行い、モチベーションや障害、好きな運動、より活動的になるための戦略についてディスカッション、②歩数計を装着して歩数が自分で見れるようにした、③COPD患者向けに開発されたスマホアプリで活動や日常生活についてフィードバックした。
④ホームエクササイズの提供、⑤毎週テキストメッセージで身体活動を促進させるよう励ます、⑥コンプライアンスの悪い症例には電話で歩数計の装着を続けるように連絡をする

目標歩数の設定の方法
1週間の目標に到達しておりまだ動けそうだと答える、もしくは、目標には達しなかったが前の目標+500歩未満である⇒1日+500歩
それ以外⇒前の週と同じ目標設定



・加速度計は、来院前1週間装着。

・結果、身体活動は、介入グループのほうが大きく改善。ベースラインの活動性、併存症は有意差なし。
・より大きな介入効果が得られた患者は、mMRCが低く(2未満)、6MWDが長く(450m以上)、GOLD A-B。
介入グループは実線、コントロールグループは破線


・増悪は、コントロールグループの30%、介入グループの27%で生じた。有意差なし。

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電話でも監視下にあれば活動性は向上する。

2017/08/18

肥満COPD患者の減量プログラムの効果

Should we treat obesity in COPD? The effects of diet and resistance exercise training

2016 Jul;21(5):875-82.

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26916174

<背景>
肥満は健康アウトカムが低下するリスクファクターであると推定されているが、COPDにおいては矛盾しており、生存率や肺機能の改善と関連している。肥満COPD患者の推奨されている治療法とは大きな差が存在する。目的は、低カロリーの食事と部分的に置き換える方法と抵抗運動を組みあわせた減量プランの効果を検討すること。


<方法>
肥満COPD患者(BMI>30)の患者を対象に、12週間の減量プログラム(食事置き換え、専門家によるダイエットカウンセリング、PTによる抵抗運動)を実施。患者は、専門家とPTと面談を行い、2週間ごとにカウンセリングを実施。

<結果>
28人の参加者が介入を完了した。ベースラインの平均BMIは36.3で、介入後BMIが2.4減少。骨格筋量は維持していた。臨床的なアウトカムでは、運動耐容能、健康状態、息切れ、筋力などが改善した。また、BMIやBODEスコアは減少した。全身炎症のCRPの値は変化していなかった。

<結論>
肥満COPD患者において、食事療法と運動を組み合わせた結果、BMIや運動耐容能などの臨床的な改善が認められた。この結果は、肥満COPD患者の管理ガイドラインの枠組みを示すことができ、さらなる検討が必要。


・オーストラリアの病院でBMI30以上の安定期COPD患者をリクルート
・1週間おきに病院にて介入を行い(3ヶ月で7回以上)、間の1週間は電話でフォローアップした

・ダイエットプログラム:BMI40以上の患者に対して、3850-5000KJ/dayもしくは5900KJ/dayの低カロリー食を提供。
1日2回の食事内容を置き換えて提供。BMI40以上の患者には1日3食を置き換えて提供。減量中に飢餓を最小限に抑えて筋力低下が認められた場合、エネルギー補給を実施。
それぞれの置き換えた食事は870KJで、炭水化物45%、タンパク質40%、脂質20%
・プログラム全体を通して、参加者へは専門家による栄養のある食品の選び方について講義をした。筋力減少を最小限にとどめられるように体重1Kgあたり1.2-1.5gのたんぱく質摂取を実施。

・運動内容:自宅にて週3回の上下肢筋トレ(肘屈曲、壁に向かって腕立て、スクワット、段昇降、起立運動)を実施。理学療法士が運動プログラムを考案。
・負荷は10-12RM。運動日誌に、実施内容と息切れの程度を記録し、息切れのBorg5までで行うようにした

・50人が参加し、最後まで完了したのは28人。
・年齢67.6歳、BMI36.1、%FEV1.0 61.6%
・介入前後の体組成比較
 体重99.3kg→92.9kg(p<0.0001)
 骨格筋量29.9kg→29.6kg
 体脂肪率45.5%→42.8%(p<0.0001)
 脂肪量44.7kg→40.1kg(p<0.0001)

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1Kcal=約4.2KJ
つまり、今回の食事カロリーは916-1190Kcalということになる。
単に摂取カロリーを減らすだけじゃなくて、タンパク質の補給を行うことが筋肉量の保持につながったか。

2017/08/13

ICUで集中的にリハ介入することは健康関連QOLを改善するか

Intensive versus standard physical rehabilitation therapy in the critically ill (EPICC): a multicentre, parallel-group, randomised controlled trial

Thorax. 2017 Aug 5

http://thorax.bmj.com/content/early/2017/08/05/thoraxjnl-2016-209858.info

<背景>
ICUにおける早期リハビリは短期間の効果は示されている。しかし長期間の効果とリハビリの強度については検討されていない。

<方法>
無作為化2グループ検者盲検対照比較試験。最低48時間の侵襲的もしくは非侵襲的換気を行っている患者を対象。参加者は無作為に(1:1)ICU入室、入院種類、自立度で分類。介入グループは、1日90分の介入を目標にリハビリを実施。コントロールグループは1日30分の介入を目標に実施。両グループとも月曜から金曜まで。
プライマリーアウトカムは6か月後のSF-36の身体的要素(PCS)

<結果>
34ヶ月にわたって308人の患者をリクルート。150人が介入グループ、158人がコントロールグループ。介入グループのリハ介入時間は中央値161分、コントロールグループは86分。
6か月後、62人の介入グループ、54人のコントロールグループでプライマリーアウトカムのデータを比較。介入グループは、43人が死亡、11人がドロップアウト、34人が追跡不可。kコントロールグループでは56人が死亡、5人がドロップアウト、43人が追跡不可。
6か月後のプライマリーアウトカムは差はなかった。(37点vs37点)

<結論>
この研究では、ICUでのリハビリテーションは、標準的なリハビリテーションと比較して、6カ月後の身体的なアウトカムの向上をもたらさなかった。


・リハは、RASS-1,0,+1で介入。
・介入グループは、月曜から金曜、1日90分のリハを実施、最低2セッションに分けて実施。
・コントロール(標準ケア)グループは、月曜から金曜、1日30分の介入。
・身体機能評価は上下肢筋力、最大活動レベル(支持なしで座れない、支持ありで座れる、椅子に安全に座れる、支持ありでトランスファー可能、自立して活動できる)
・ICU退室後、両グループとも標準的な地域での理学療法と運動日誌を病院から退院してからも継続

・理学療法の介入内容は、両グループでほぼ同じ内容。介入グループでは歩行のセッション割合が多かった
・下肢筋力は、介入グループでOxford scale4、5が多かった。(Oxford scale:MMTのような筋力評価。0-5点で評価。)
リハの内容の内訳。介入グループは歩行の割合がセッションの30%以上を占めていた。

身体活動レベルは3が最も多い。

生存率。介入した方が、若干生存率は良いが、有意差まではない。


ーーーーーーーーーーーーーー
SF-36(健康関連QOL)という視点では、この介入方法は効果的ではなかった。90分といえば、リハの単位でいうと約4単位に相当。30分という事は、1日2単位分介入できればいいということか。
急性期では状態や疾患のばらつきがありそうなので、一概に時間ではくくれないような気もする。

2017/08/11

ILD患者の運動中の肺循環の反応

Pulmonary vascular response patterns during exercise in interstitial lung disease

Eur Respir J 2015; 46: 738–749

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25976688

<背景>
間質性肺疾患(ILD)に明らかな肺高血圧症が発生していると、運動耐容能の低下に関与する。ILDにおける運動による肺動脈圧(PAP)の不安定さが機能面に影響していると考えた。

<目的>
27人のILD患者と11人の年齢をマッチした健常者を対象に、侵襲的心肺運動負荷試験(iCPET)を実施。平均PAP(mPAP)は、運動中の心拍出量(Q'T)を指標としてmPAP-Q'T slope≧3mmHg/Lを、肺循環反応不良の基準とした。

<結果>
全コントロールグループの対象者はmPAP-Q'T<3mmHg/L。15人のILD患者はmPAP-Q'T≧3mmHg/Lで、ILDと肺循環機能不全(PVD)を合併している(ILD+PVD)と分類。ILD患者で肺高血圧症がない患者(ILD-PVD)は12人。PVD合併の有無で分けても、性別年齢、BMI、肺機能、動作時低酸素に有意差は無かった。最大酸素消費量はPVD合併の方がPVD無しやコントロールグループよりも低かった。PVD合併患者は、死腔換気(VD)/1回換気(VT)と、分時換気量/二酸化炭素産生量が多かった。

<結論>
ILDにおいて、mPAP-Q'T slope≧3mmHg/Lは低酸素消費量と死腔換気の増加、換気効率の低下と関連していた。非侵襲的なパラメーターは運動における肺循環の危険を予測することはできず、iCPETによるmPAP-Q'TslopeがILD患者の早期肺循環疾患を同定でき、身体機能を著明に表すのかもしれない。

・肺動脈圧と心拍出量の関係に基づく運動誘発性肺高血圧は、最大運動中の平均肺動脈圧よりも肺循環疾患のを反映する指標と考えられている
・運動中の肺高血圧は、心不全患者や肺高血圧症患者の身体機能の低下と関連している

・対象はアメリカでiCPETを実施した患者536人、肺高血圧の基準は、mPAP>25mmHgとした。

・ILD患者は健常者よりもmPAPは高い。

心拍出量の増加とmPAPの関係。PVDがあるほど肺動脈圧の増加が速い。

最大mPAPとPVDの有無で人数を比較。
PVDがあると肺動脈圧が高い。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
運動すると心拍出量が増加するのは当然ながら、今回のように肺動脈圧が高い患者にとっては、運動することにより、肺動脈圧が上昇し、心負荷を高めてしまう可能性が考えられる。低負荷運動が良いのでは。
簡単な指標でこれが見分けられれば、運動処方に役立つかもしれない。

2017/08/08

6MWTは常に最大運動負荷であるとは限らない。

Cardiorespiratory responses to 6-minute walk test in interstitial lung disease:not always a submaximal test

2014 Aug 11;14:136

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25113781

<背景>
6分間歩行テスト(6MWT)は間質性肺疾患(ILD)の運動耐容能や進行度を判断することに使用される。6MWTはILD患者の準最大運動耐容能のテストになると考えられているが、このテストによる身体負荷の上昇についてはよく議論されておらず、6MWTのアウトカムは理解が難しい。目的は、ILD患者の6MWTと心肺運動負荷試験(CPET)における呼吸循環反応を比較すること。


<方法>
47人のILD患者(IPF27人)、平均年齢71歳、%DLCO49%。6MWTとCPETは同じ日に実施。酸素摂取量(VO2)、分時換気量(VE)、二酸化炭素産生量(VCO2)をそれぞれのテストにてポータブルの呼気ガスで測定。

<結果>
6MWT中のpeakVO2はCPETよりも低く、CPETのpeakVO2の平均94%と同等であった。
6MWTにおいてCPETのpeakVO2より高い割合に到達していることは、%DLCOが低いことと歩行中の低酸素が著明であることと関連していた。
peakVEとpeakVCO2は6MWTでCPETより著明に低かった。しかし、低酸素は6MWT中の方が多かった。低酸素の減少は、peakVO2の割合には影響していなかった。反応は、IPFのサブグループでも似ていた。

<結論>
平均すると、6MWTはILD患者の準最大酸素摂取量が得られる。しかし、個人間の身体負荷の程度は、より重症であればpeakVO2は高くなり、CPETで得られるものとマッチするかもしれない。6MWTはいつも準最大の運動耐容能テストではない。

6MWTは最大酸素摂取量の増加が一定ではない。
努力依存という感じ





6MWTで低酸素が著明になると最大酸素摂取量が大きい。
低酸素になるまで最大努力が得られている?

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ILDに限らず、6MWTは患者の努力依存だから酸素摂取量が一定にならないのは当然といえば当然。

2017/08/06

認知機能障害の有無で臨床的パラメーターに差は無い

Cognitive impairment and clinical characteristics in patients with chronic obstructive pulmonary disease

Chron Respir Dis. 2017 Jan 1

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28553720

<背景>
目的は、1)認知機能障害と疾患重症度の関連を調べる、2)運動能力、日常生活、健康状態、心理的状態を認知機能障害の有無で比較。

<対象>
安定期COPD患者で呼吸リハ、神経学的検査を行っている患者を対象。身体機能(6MWT、日常生活(カナダの作業パフォーマンス指標:COPM)健康状態(CAT、COPD特異的SGRQ)、心理的状態(HADS、BDI、SCL-90)。これらの評価を認知機能障害の有無で比較。

<結果>
183人のCOPD患者が対象(平均年齢63.6歳、平均%FEV1.0 54.8%)。76人(41.5%)が認知機能障害を有していた。重症度別の有病率は、GOLDのgrade別でみると、1:44.8%、2:40.0%、3:41.0%、4:43.5%、group別に見ると、A:50.0%、B:44.7%、C:33.3%、D:40.2%。
認知機能障害の有無は、患者背景、喫煙歴、%FEV1.0、mMRC、6MWT、COPM, CAT, HADS, BDI, SCL-90で同等であった。

<結論>
認知機能障害の有無によるCOPD患者の臨床的特性は同等であった。COPDの認知機能障害のを評価することで、患者個別のアプローチが求められる。

・CIROという臨床調査に参加している安定期COPD患者が対象。除外基準は、過去4週間以内の増悪、オランダ語が話せない、認知症の診断
・認知機能障害のテスト項目:肺疾患患者の認知機能研究(the Cognitive-PD study)のプロトコルを参考に実施。(IQの測定の様な感じ?)


患者特性。認知機能以外は有意差がない項目がほとんど。


GOLDのgrade別の認知機能障害の有病率
上から時計回りに、精神運動速度、計画、作業記憶(ワーキングメモリー)、言語記憶、認識の柔軟性
軽症では柔軟な認識が出来ていない、重症になると言語の記憶や計画が障害されている。

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重症度に関係なく、認知機能障害をもつ患者は一定数いるということ。日本では、高齢で発見されれることが多いので、認知機能の評価は必要だが、MMSEや長谷川式では検出されない認知機能障害があることが多い印象。
患者教育をうまく行うためにはIQの評価があると便利かも。評価方法や解釈が難しそうだが。