2017/08/26

特発性間質性肺炎と身体活動性の減少との関係

Clinical Correlates of Reduced Physical Activity in Idiopathic Pulmonary Fibrosis

Respiration 2016;91:497–502

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27240427

<背景>
特発性肺線維症(IPF)患者の身体活動性(PA)についてはあまり知られていない。

<目的>
IPF患者のPAの程度について調べること、肺機能、運動耐容能、症状、QOLとPAの関係について調べること。

<方法>
安定期IPF患者のPA(1日の歩数SPD、身体活動レベルPAL、活動強度中等度の時間MMA)
を加速度計で1週間測定。また、肺機能(FVC、DLCO)、運動耐容能(6MWT)、息切れ(mMRC)、疲労感(多面的疲労度評価;MFI-20)、包括的、疾患特異的QOL(SF-12、SGRQ)

<結果>
48人のIPF患者が2施設より集められた(平均年齢67歳、男性75%、長期間酸素療法23%、平均%FVC75%、平均%DLCO43%、6MWD355m)。2変量分析において、すべての変数が、歩数(SPD)と関連していた。mMRC、MFI-20、SF-12、6MWDとSPDは、肺機能と独立して関連していた。多変量解析において、6MWDとMFI-20が、SPDの独立した予測因子であった。

<結論>
疲労感と運動耐容能はIPF患者のPAの独立した予測因子であり、IPF患者のPAを研究するためには、この2つの評価を行うべきである。


2変数解析:歩数との相関
1日の歩数とそれぞれの評価との関係
すべての変数において、重症になると歩数が減少している。
最重度と中等度との有意差があったのは、
mMRC(p = 0.024), FVC (p = 0.007), D LCO (p = 0.028), and 6MWD (p <0.001).

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重症になると活動性(歩数)が低下している。
動作時低酸素や酸素療法との関係もありそう。