2017/08/25

身体活動性と心不全発症リスクの関係:a meta analysis

Dose-Response Relationship Between Physical Activity and Risk of Heart Failure: A Meta-Analysis.

Circulation. 2015 Nov 10;132(19):1786-94.


<背景>
これまでの研究で、身体活動性(PA)と心不全(HF)のリスクの関係について述べられてきた。しかし、PAとHFリスクの関係を包括的に検討されていない。

<方法>
18歳以上の参加者を対象にして、ベースラインのPAレベルとHFの発症についての関係を報告したものを解析。PAとHFリスクの関係についての分類は、無作為効果モデルで評価。一般的な最小二乗法回帰モデルを使用して、PA(METs)とHFリスクの関係について評価。

<結果>
12のコホートスタディを解析。370460の参加者のうち、20203人でHFイベントが発生。最も高いPAレベルはHFリスクの減少と関連していた。ガイドラインで推奨されている最小レベルのPA(500METs/week)である、レジャー時間以外のPA時間を比較すると、中等度のHFリスクが減少していた。
対照的に、最小PAレベルの2倍(1000METs/week)から4倍(2000METs/week)の活動をしていた患者は、リスクが軽減していた。

<結論>
PAとHFリスクには逆の線量効果反応があった。ガイドラインで推奨されている最小限のPAレベルよりもかなり多くのPAはHFリスクをかなり軽減するかもしれない。

・Dose-response :用量反応。投与量と生体反応の関係を表す曲線。ここでいうと、身体活動性と心不全発症リスク。一直線のグラフにならない。

身体活動性と心不全発症リスク。
PAが高いほど、発症リスクは低い。

用量反応曲線。
PAレベルが高くなるほど、リスクは低くなる。



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心不全も、身体活動性がカギになるかもしれない。ざっと読んだ感じ、身体活動の測定は、患者の自己申告によって評価していた(table1)。
呼吸器みたいに加速度計はまだ使われていない?