2017/08/22

12週間のテレコーチングで身体活動性が改善

Physical activity is increased by a 12-week semiautomated telecoaching programme in patients with COPD: a multicentre randomised controlled trial

Thorax 2017;72:415–423

http://thorax.bmj.com/content/early/2017/01/30/thoraxjnl-2016-209026


<背景>
COPD患者において身体活動性の低下は予後の不良と関連している。身体活動性の向上は治療ターゲットのカギであるが、いくつかの戦略がこの患者グループでの効果を示している。

<目的>
12週間の準自動的なテレコーチング介入がCOPD患者の身体活動性向上への効果についてヨーロッパの多施設にて無作為化対照比較試験を行うこと。

<方法>
様々な重症度の343人の患者が6つの施設にて対象になり、通常グループと介入(テレコーチング)グループに無作為に分けた。
12週間のテレコーチングは、運動冊子と歩数計を使用して直接とスマートフォンのアプリを介してフィードバックを提供。歩数計は、毎週1日の目標を個別に設定し、テキストメッセージで電話と同じように時々コンタクトをとることを許可した。
身体活動性は加速度計を使用して無作為化の1週間前に測定。セカンダリーアウトカムは運動耐容能、健康状態。解析は修正intention to treatを基にした。

<結果>
両グループともベースラインと比較して身体活動性は向上。12週目において、介入グループはベースラインから+1469歩、中等度の身体活動時間はプラス10.4分。
6MWDは介入グループで著明に改善。
介入グループは、CCQ(Clinical COPD Questionnaire)の機能的な項目が改善していた。その他の項目に違いはなかった。

<結論>
身体活動の量と強度は、12週間の歩数計やアプリを利用したテレコーチングを行うことで、改善した。

・通常ケア:身体活動性の重要性について説明した冊子を手渡して情報提供。冊子について検査者と5-10分間のディスカッションをベースラインで実施。
・介入内容:通常ケアに加えて、テレコーチング介入を実施。内容は①ベースラインで検査者と面談を行い、モチベーションや障害、好きな運動、より活動的になるための戦略についてディスカッション、②歩数計を装着して歩数が自分で見れるようにした、③COPD患者向けに開発されたスマホアプリで活動や日常生活についてフィードバックした。
④ホームエクササイズの提供、⑤毎週テキストメッセージで身体活動を促進させるよう励ます、⑥コンプライアンスの悪い症例には電話で歩数計の装着を続けるように連絡をする

目標歩数の設定の方法
1週間の目標に到達しておりまだ動けそうだと答える、もしくは、目標には達しなかったが前の目標+500歩未満である⇒1日+500歩
それ以外⇒前の週と同じ目標設定



・加速度計は、来院前1週間装着。

・結果、身体活動は、介入グループのほうが大きく改善。ベースラインの活動性、併存症は有意差なし。
・より大きな介入効果が得られた患者は、mMRCが低く(2未満)、6MWDが長く(450m以上)、GOLD A-B。
介入グループは実線、コントロールグループは破線


・増悪は、コントロールグループの30%、介入グループの27%で生じた。有意差なし。

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電話でも監視下にあれば活動性は向上する。