International Journal of COPD 2016:11 2691–2700
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27822031
<背景>
COPD患者は、吸気筋の使用、胸部変形、息切れの軽減と運動耐容能の低下がある。ストレッチは、呼吸筋の活動を軽減し、全身状態を改善させる。しかし、ストレッチの全身的な効果に関しては知られていない。
<目的>
有酸素運動に加えて呼吸筋のストレッチを行うことが、運動耐容能や胸部運動を改善するかを検討すること。
<方法>
無作為化比較対照試験。30人の患者を治療グループとコントロールグループに分けた。
治療グループは、呼吸筋のストレッチを行い、コントロールグループは上下肢のストレッチを実施。有酸素運動は週2回を12週間計24セッション実施。
評価は、6MWT、運動中の光電子プレチスモグラフィー、表面筋電図。
<結果>
介入後、治療グループは腹部活動、区画容量、可動性、運動耐容能が改善。コントロールグループと比べてい息切れが減少。治療グループは呼吸筋努力が減少していた。
<結論>
有酸素運動と呼吸筋のストレッチを行うことは、運動耐容能の改善、息切れの軽減を示した。これらの効果は、呼吸筋力と腹部の活動の改善と関連している。
・呼吸筋ストレッチの方法:有酸素運動前に実施。ホールド・リラックスと他動的ストレッチを実施。ストレッチする筋は斜角筋、胸鎖乳突筋、僧帽筋、大胸筋、小胸筋、肋間筋、前鋸筋、腹直筋。
ホールドリラックスは、3秒等張性収縮を3回繰り返す。これを1セットで3セット実施。
他動ストレッチは1分間を3セット行う。
・コントロールグループの筋ストレッチ:手首、足首を屈伸させるストレッチを実施。
・有酸素運動は、6MWTの60-85%負荷で30分を目標に実施。息切れのborgscaleが4-7で行えるように徐々に負荷を増大させる。
呼吸筋ストレッチを行うと、分時換気量が増大、運動中の呼気量も増大 |
6MWTや息切れの自覚症状が改善 |
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セルフで行う呼吸筋ストレッチでもこれだけの効果が得られる。
継続することが改善につながると思われる。