Eur Respir J 2017; 50: 1700629
http://erj.ersjournals.com/content/50/3/1700629.short
<背景>
成人の気管支拡張症は、慢性的な病態であり、多くの患者でQOL低下や頻回の増悪と関連している。これまで国際的なガイドラインは無かった。
成人気管支拡張症の管理のための欧州呼吸器学会(ERS)ガイドラインは、適切な治療調査と治療戦略を文献のシステマティックレビューによって提示する。
呼吸器科医、微生物学、理学療法士、胸部外科、プライマリーケアによる学際的グループによって、気管支拡張症の管理に関連する方法論と最も妥当なクリニカルクエスチョンを検討した。
9つのクリニカルクエスチョンが生成され、これらの疑問に答えられるシステマティックレビューや無作為比較試験、観察研究が公表されているなかから識別された。
エビデンスの質や推奨レベルはGRADEアプローチを採用した。
結果として、増悪の治療、病原体の根絶、長期間抗菌薬治療、抗炎症、粘液活性薬、気管支拡張剤、外科治療、呼吸理学療法の基礎となるガイドラインを示した。
これらの推奨は、ヨーロッパの気管支拡張症患者のケアの質の基準となり、アウトカムの改善に利用することができる。
疾患の悪循環の概念と治療(筆者改変) |
呼吸理学療法の介入フローチャート(筆者改変) |
Q1.通常の理学療法(気道クリアランス、呼吸リハ)は、コントロール群(介入なし)よりも効果があるか?
A1.慢性的に排痰困難がある患者には、1日1-2回、気道クリアランス方法を教えるべきである(推奨度:弱、エビデンス;低)
A2.運動耐容能の低下のある患者には、呼吸リハに参加し、通常の運動療法を提供すべきである。
すべての介入は、患者の症状や耐久性、疾患の状態を考慮すべきである。
(推奨度:強、エビデンス;高)