2026/05/02

喫煙と運動耐容能、身体活動、QOLの関連

Smoking status and its relationship with exercise capacity, physical activity in daily life and quality of life in physically independent, elderly individuals. 

Physiotherapy. 2015 Mar;101(1):55-61.  



<目的>

60歳以上の高齢者における喫煙歴と運動耐容能や日常生活での身体活動の関連を調べること。


<方法>
154例の高齢者を喫煙歴で4つのカテゴリーに分けた。
非喫煙者(n=57)、受動喫煙(n=30)、元喫煙者(n=45)、現喫煙者(n=22)

アウトカム:
運動耐容能=6MWD
身体活動=歩数
健康関連QOL=SF-36

<結果>
現喫煙者と元喫煙者は、非喫煙者よりも運動耐容能が低かった。
身体活動は違いはなかったが、現喫煙者において、ニコチン依存のレベルと負の相関を示した(ニコチン依存が高いと活動量が低い傾向)
SF-36の精神スコアは、受動喫煙と現喫煙者で低値を示した。

<考察>
高齢者において、現喫煙者は非喫煙者よりも運動耐容能が低かった。
身体活動はグループ間で違いはなかったが、喫煙との関連を示した。
タバコに曝露されることは、身体面と独立してSF-36の精神機能のスコアが悪いことと関連していた。


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あくまで相関、関連があったという結論であり、因果関係までは不明。
しかし、吸うひとは吸わない人(受動喫煙)にも悪影響を及ぼす可能性があることは重要な結論かと。

2026/04/17

長期酸素療法を行っている患者の座位時間と認知機能障害

Sedentary Time and Cognitive Impairment in Patients Using Long-Term Oxygen Therapy: A Cross-Sectional Study

Int J Environ Res Public Health. 2022 Feb 2;19(3):1726.


【背景】
身体不活動は慢性呼吸器疾患において死亡の予測因子である。
認知機能障害も呼吸器疾患患者によく見られる。
目的:長期酸素療法を行っている患者における座位時間と認知機能障害の関係を調査すること

【方法】
対象:長期酸素療法を行っている慢性呼吸器疾患患者96例
平均年齢77.3歳
身体活動量:IPAQで評価した座位時間
認知機能評価:MoCA
息切れ:mMRC

【結果】
座位時間の中央値は600分
MoCAの中央値は24ポイント
67例(70%)が軽度認知機能障害を有していた
多変量回帰分析にて、座位時間が息切れ、認知機能障害と独立して関連していた。

座位時間と認知機能障害、息切れに関連があるかも・・?

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limitationにも書いてあるが、因果関係を示すものではないが、何かしら関連はありそうな要素だなと。

2026/04/12

IPFにおける身体活動性の低下と肺生理学的な変化の関連

Physical activity decline is disproportionate to decline in pulmonary physiology in IPF. 

Respirology. 2021 Dec;26(12):1152-1159. 


【背景、目的】
IPF患者の日常の身体活動性は低下している。
疾患の進行度との関連は知られていない。
目的は、
1)12ヶ月の身体活動性の変化を追跡
2)疾患重症度マーカーやQOLとの関連
3)身体活動性の予測ツールの検討

【方法】
54例のIPF患者で、身体活動評価をベースライン、6ヶ月、12ヶ月に行なった患者
活動量は、sense wear armbandを連続した7日間装着
その他の評価項目は、HADS(不安、抑うつ)、SGRQ、Leicester咳評価、FVC、DLCO、6MWD

【結果】
平均歩数:ベースラインは3887歩、12ヶ月後の歩数は3326歩(p=0.02)
活動性の低下と12ヶ月後の総エネルギー消費量は、12ヶ月後に著明に低下
12ヶ月後の歩数の減少は、肺機能の低下よりも大きい割合を示した
歩数の変化は、%FVCや6MWDと弱い-中等度の相関を示した
歩数の変化は、長期予後とは関連はなかった

【考察】
IPFにおいて、12ヶ月後の歩数の減少は著明であり、肺生理学的な現象との低下とは不釣り合いだった。
疾患の進行を評価するのには有効な指標かもしれない。


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歩数は1年間で減少傾向なのは理解できる。
肺機能の低下とはさほど強い相関がなかった。。肺活量も多少関連があるのでしょうけど、それ以外の活動習慣や身体機能の方が身体活動性には関連がありそうな気もします。
この論文からは、4000歩程度歩ければ上出来と言ったところか。

2026/04/05

6MWD中の低酸素は、予後不良

Factors Associated with Exercise-Induced Desaturation in Patients with Chronic Obstructive Pulmonary Disease.

Int J Chron Obstruct Pulmon Dis. 2020 Oct 23;15:2643-2652. 


<背景、目的>
6MWTはCOPD患者の身体機能の評価に有用である。
近年、6MWT中の低酸素が増悪や死亡リスクを悪化させる可能性が示されている。
この研究では、運動時低酸素(exercise induced desaturation:EID)が、リスク因子となるかを検討することである。

<方法>
2013年から2017年の間にデータベース研究への参加を承認した成人COPD患者が対象
評価項目は、年齢、性別、BMI、既往歴、薬物療法、肺機能検査

<結果>
1768例のCOPDが対象
932例(52.7%)でEIDを認めた
836例(47.3%)でEIDを認めなかった

EIDを生じていたグループは、6MWDがより短かった(352m VS 426.5m)
多変量ロジスティック回帰分析の結果、高齢、女性、1秒量の低下、心房細動(Af)の存在が、6MW T中の低酸素を予測した
EIDグループは、1年間の増悪頻度が多かった(0.59回 vs 34.13%)
afのあるCOPD患者は、1年間のうちに、入院や増悪の日がより高かった。

<考察、まとめ>
本研究では、高齢、1秒量が低いこと、女性は、EIDのリスク因子でっあった。
6MWT中の低酸素血症は、1年以内の頻回なCOPD増悪と関連していた。

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低酸素の弊害として予後や増悪との関連があるのかも?
低酸素だから増悪するのか、低酸素によって低活動になりやすいために増悪するのか。。

2026/02/04

酸素療法による運動能力向上は予後と関連しない

Exercise response to oxygen supplementation is not associated with survival in hypoxemic patients with obstructive lung disease.

 Int J Chron Obstruct Pulmon Dis. 2018 May 17;13:1607-1612. 



<目的>
動作時低酸素血症のある患者において、酸素療法による運動への反応、効果を予測できるかを検証すること。

<対象>
室内気(RA)と酸素使用にて2回6MWTを行った患者
全ての患者は、RAにて低酸素血症(4%以上の低下もしくはSpO 2<88%)を認めた
酸素療法によるレスポンダーの定義:MIDである26m以上の改善があった患者

<統計解析>
student t検定:背景比較
t検定:酸素付加ありとなしで6MWTのパラメーターの比較
カプランマイヤー検定とlog-rankテスト:酸素療法の反応と生存時間の比較
Cox回帰モデル:死亡率に最も影響する変数を同定

<結果>
174例の患者が対象(男性50%)、平均年齢70歳
疾患の内訳:COPD116例、気管支拡張症44例、重症喘息13例
長期間酸素療法の内訳:長期酸素療法使用80例、動作時のみ酸素使用90例

酸素療法による6MWDの比較
酸素付加:平均6MWDは254m→283mに改善、MID達成77例
息切れmBorgscale:平均1.4ポイント改善
MID達成の予測因子:RAでの6MWDが短いこと(ロジスティック回帰分析)

生存期間
平均生存期間:66ヶ月、84例が亡くなっていた
酸素療法の反応と死亡率に有意な差は見られなかった
死亡リスクの予測因子:6MWTでの低酸素が著明、RAでの6MWDが短い、男性、低BMI、低ヘモグロビン
気流閉塞(肺機能)との関連は認めなかった。

2026/01/28

嚢胞性肺線維症における運動療法の効果 SR and MA 2022

Effectiveness of Physical Exercise Interventions on Pulmonary Function and Physical Fitness in Children and Adults with Cystic Fibrosis: A Systematic Review with Meta-Analysis

Healthcare (Basel). 2022 Nov 3;10(11):2205.

PMID: 36360546


<目的>
運動療法は、嚢胞性肺線維症cystic fibrosis (CF)の治療において、いくつかの有益な効果があり、死亡率減少と関連している。
小児もしくは成人のCF患者における運動療法の身体機能、肺機能への効果を検証すること。


<結果>
・肺機能
1秒量は変わらない。吸気圧と呼気圧(≒呼吸筋力)は改善
・運動機能
小児において最大酸素摂取量の改善はなかったが、筋力の改善を認めた。
成人において、高強度有酸素運動は、最大酸素摂取量と筋力の改善を認めた。

<考察>
小児および成人のCF患者において、運動介入は、筋力、心肺予備能、呼吸機能の改善を認めた。
しかし、肺機能の十分な改善は得られなかった。
最も有効なプログラムは、筋力もしくは心肺高強度インターバルトレーニングであるが、データ数は限定的である。

2026/01/22

酸素療法のレスポンダー

 Does correction of exercise-induced desaturation by O(2) always improve exercise tolerance in COPD? A preliminary study

Respir Med. 2008 Sep;102(9):1276-86.


●summary
Reserch Question:運動誘発性の低酸素血症を補正することは、COPD患者の運動耐容能や心肺適応能力の向上に寄与するか?
運動負荷試験での連続運動時間が、酸素投与の有無で変わるかで評価


【対象、方法】
中等度から重度のCOPD患者25例
軽度の低酸素血症を呈す(安静時SpO2よりも4%以上の低下かつ漸増運動負荷試験で3分間以上SpO2<90%の時間がある)
除外:運動テストを行えない、病状不安定(過去2ヶ月以内の増悪歴)、長期酸素療法使用

・運動誘発性低酸素血症の定義
安静時よりも4%以上のSpO2低下
漸増運動試験で3分間のSpO2<90%あり

・漸増運動試験
エルゴを使用した漸増運動負荷試験
最大運動負荷(Wpeak)、最大酸素摂取量(VO2 peak)の既定、運動時の低酸素血症の探索を目的に実施

酸素療法のレスポンダーを同定する方法
・定常運動負荷試験
運動負荷試験で得られたWpeakの60%負荷で4回実施
室内気(air)と酸素投与の状況をランダムに2回ずつ実施
ペダルの回転数は50-70rpm
SpO2、息切れ、疲労感、持続時間(Tlim)を測定
実施中のSpO2が90-95%を維持できるようにFiO2を調整

・自覚症状(息切れ、下肢疲労感)の評価
VASを使用
客観的な下肢疲労感の評価のために表面筋電計で評価

・酸素療法のレスポンダーの定義
ネガティブレスポンダー(R-,酸素に反応しなかった)基準
→室内気のTlimよりも酸素投与しても10%以上Tlimが短かった(=酸素投与しても連続運動時間が変わらないor短かい)
ポジティブレスポンダー(R+,酸素に反応した)基準
→室内気のTlimよりも10%以上Tlimが長かった(=酸素投与することで連続運動時間が長くなった)

この10%という基準は、Jollyの基準( Effects of supplemental oxygen during activity in patients with advanced COPD without severe resting hypoxemia)に従って定義したとのこと

【結果】
R+は14例、R-は7例,酸素付加してもTlimが変わらなかったのが4例
R+はTlimが68%増加
R-は、低酸素血症や運動強度が同程度にもかかわらず、室内気の方がより長く運動できていた。

●酸素療法のレスポンダーの違いは?
R+の方が、呼吸数や換気量が低かった。
循環動態では、心拍数と心拍出量が少なかった。
:酸素投与により呼吸数や心拍数が少ない方が酸素療法による持続運動時間を延長が見込める?

なぜ?
→中枢神経系の受容体の影響がこの現象を説明できる。
末梢化学受容体は、酸素療法によって刺激される。この刺激は、脊髄内の呼吸中枢や循環中枢への求心性の反応を活性化させる。
この反応が症状の自覚を減少させ、換気や心臓の反応を減少させた。
→呼吸数が減少することで、動的肺過膨の減少に影響し、換気予備量を増大させることで、息切れ症状の緩和に影響したのではないか。


2025/09/14

肺切除術後の入院中の活動量

 Evaluating patients’ walking capacity during hospitalization for lung cancer resection

Interactive CardioVascular and Thoracic Surgery 25 (2017) 268–271


Patients
50人の患者(33人男性)
ポータブル加速度計を入院期間中装着
術前補助化学療法や放射線治療を行っていた患者は除外

Exposure
理学療法プロトコルに準じて介入
・術後1日目:15分のエルゴを2回/日
歩行は制限なくできる限り歩くよう指導
・加速度計は入院から退院まで装着
 毎分60歩の歩行を10分継続していたら、有酸素モードに自動で切り替わる
 →通常歩行と有酸素運動の時間、歩数を分けて換算できるよう。

評価項目は、年齢、性別、BMI、切除範囲、心肺術後合併症、術前肺機能、術後予測肺機能、DLCO、歩数、歩行距離。

Comparison
個別の術前、術後の活動量
心肺合併症の有無

Outcome
平均年齢64歳、平均BMI26.9
胸腔ドレーン抜去は、平均2日後、エピ抜去は平均3日後

・歩数
術後1日目:平均5738歩
術後4日目:平均10230歩

BMIと術前と術後の運動能力に関連は無かった。
術後合併症を生じた例(7例)では、術前、術後ともに歩行距離は短かった。


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術後1日目でエルゴ15分、5000歩の歩行ってなかなかハードな印象
60歳代の術後だとこれくらいはできるのだろうか。

2025/09/12

6MWDと5回起立、30秒起立の関連、カットオフ

 A comparative study of the five-repetition sit-to-stand test and the 30-second sit-to-stand test to assess exercise tolerance in COPD patients

Int J Chron Obstruct Pulmon Dis. 2018 Sep 10;13:2833–2839.



目的
起立テストはCOPDの運動耐容能評価で用いられるが、どの起立テストが運動耐容能の低下を予測するのか、比較したものは無い。
5回起立(5STS)、30秒起立(30STS)を比較し、どちらが6MWD低下を予測するかを検証した。

Population
 安定期COPD患者128例

Exposure
 5STSと30STSを行い、その際の息切れmBorg Scaleを質問
 その他の評価項目:肺機能、mMRC、CAT、大腿四頭筋力(QMS)

Comparison
 対照群はなし

Outcome
 6MWDやその他評価と5STS,30STSの相関
 6MWD<350mを予測する5STSと30STSのカットオフを算出


【結果】
・相関
5STSと30STS:negativeな強い相関(r=−0.783, P<0.001).
5STSと6MWD:(r=−0.508, P<0.001) 
30STSと6MWD:(r=0.528, P<0.001)

・6MWD<350mを予測するカットオフ
5STS:6.25秒(感度76.0% 特異度62.8% AUC0.731)
30STS:21.5回(感度62.0% 特異度75.0% AUC0.724)

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5STS 6.2秒って結構速いなという印象。
30秒の方が持久力反映するのかと思いきや、思ったよりも相関係数に差が無かった。

2025/06/25

転移性小細胞肺がん 運動耐容能、運動習慣の予後的意義

Prognostic significance of functional capacity and exercise behavior in patients with metastatic non-small cell lung cancer

Lung Cancer. 2012 May;76(2):248-52.


Population
 StageⅢB、Ⅳの再発転移(手術不能)NSCLC患者118例
 平均年齢61±10歳、BMI26 6MWD 396m

Exposure
 運動機能評価:6MWT
 運動習慣(行動):自己記入式で評価(the leisure score index (LSI) of the Godin Leisure-Time Exercise Questionnaire (GLTEQ))
(LSIとは・・ 通常の1週間での軽度、中等度、高強度の活動を質問し、それぞれの強度ごとに平均的な頻度、時間を調査する。総運動時間、各強度ごとの運動頻度を算出。単位はMETs-hour/week.)
 3METs:軽度、5METs:中等度、高強度:9METs

Comparison
 運動機能と運動習慣、生存との関係について解析
 PS2以上と未満に分けて、6MWDと運動習慣の生存予測への寄与を評価するCOXモデルを構築

Outcome
 運動機能、運動習慣、生存期間
 フォロー期間は、中央値26.6カ月。この間に77例が死亡(65%)
 6MWDを3分位すると、中央値283m(90-356.8m)、中央値416m(358.5-450m)、中央値510m(452-640m)。
 6MWDは生存の独立した予測因子であり、50m改善するごとに、死亡リスクは13%減少
 6MWD<358.5mと比較した、調整された危険率(adjusted hazard ratio)は、358.5-450mは0.61、450以上は0.48
 運動行動(身体活動)と予後に関連は示されr、9MWTs-hour/week未満は12.89カ月、9METs-hour/week以上は25.63カ月生存していた。

新規性:6MWDのよう運動機能評価が、これまでリスク因子とされていたもの(PS)よりも生存を強く予測した。

運動機能評価が、有効ないくつかの理由
・PSでは測定できない、ATP合成のためのO2輸送および心血管系と骨格筋系の統合能力を評価しており、この酸素輸送効率は、人間が健康を長く維持するために重要な要素の一つである。
・運動のエンドポイント(最大酸素摂取量や6MWD)が、心血管系など様々な臨床現場で利用されており、全死亡原因を強く予測しカットオフポイントも報告されている。
・運動能力評価は、治療介入にもなり得る

9METs-hour/weekとはどのくらい?
週合計で9METsの身体活動
・普通のウォーキング(4.0km/h 3METs 30分 週6日)
・毎日ラジオ体操(4.0METs 15分 週6日)+軽いスクワット(3.0METs 20分 週3回)

これなら習慣になればできそうな気もします。

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運動能力評価と合わせて身体活動の評価も重要である
9METs-hour/weekは、実現可能な感じもするが、6MWD380mというのは絶妙に活動能力が変わりそうなラインな印象(動けなくはないけど、ちょっと運動能力は低い方かな)。

2025/06/24

cancer surviverの身体活動レベル(IPAQ)と関連する因子

Associations among physical activity, comorbidity, functional capacity, peripheral muscle strength and depression in breast cancer survivors

Asian Pac J Cancer Prev. 2015;16(2):585-9.


目的
 乳がんサバイバーにおいて、身体活動レベルと関連する因子(併存症、運動耐容能、骨格筋力、心理状態)を調べる事。

Population 
 20-60歳、Stage1-2で化学療法を行った40人のがん患者。
 少なくとも3年前には治療が完了している。
 
Exposure 
 なし

Comparison 
 なし

Outcome
 身体活動:IPAQ
 骨格筋力:大腿四頭筋の等尺性収縮筋力
 運動耐容能:6MWT
 心理状態:HADS(不安、抑うつ)
 併存症:Charlson Comorbidity Index


結果:
 身体活動は、40%が不活動、57.5%は最小の活動、2.5%が十分活動的
 IPAQ歩行スコア大腿四頭筋力、HADS抑うつスコア、併存症スコアに相関あり
 IPAQ合計スコアと大腿四頭筋、HADS抑うつスコアに良い相関あり
 6MWTはどの項目とも関連が無かった
 回帰分析で、大腿四頭筋力と心理状態は、身体活動レベルを予測する因子であり、二つを合わせると身体活動レベルの35%を占めている。


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身体活動≠運動耐容能
筋力、抑うつ状態の方が活動量と関連が強かったと。

2025/06/20

COPD合併肺癌の術後運動療法の効果

Effect of postoperative exercise training on physical function and quality of life of lung cancer patients with chronic obstructive pulmonary disease: A randomized controlled trial

Medicine (Baltimore). 2024 Mar 8;103(10):e37285.


Population
肺癌(非小細胞肺がん)とCOPDの両方を診断されている84例。
無作為に運動グループとコントロールグループに振り分け。

Exposure
両グループとも術後1週間は標準的なリハビリを実施
 →早期離床、咳嗽、呼吸法、酸素療法、ネブライザー

その後・・
 運動グループ:24回のセッションから構成される運動プログラムに参加
 ⇒エルゴ30分、1日2回、週6日、強度は予測HR20%から始めて60-70%まで段階的に上昇。 

Comparison
 コントロールグループ:必要であれば酸素療法とネブライザーのみ。

Outocome
 ベースラインをオペ3日前、エンドポイントは運動プログラム終了の1日後に評価
 CPET、6MWT、歩数、QOL(EOR-QLQ-C30)

結果:
・CPET(-3.2 vs -1.2、p=.043)、歩行距離(-83.1 vs -48.6、p=.029)、肺機能(FVC; -577.7 vs -378.3。p=.034)、歩数(-2857 vs -1888、p=.002)は、運動グループの方がベースラインからの低下が少ない。
・QOLは有意差なし。

新規性:肺がん+COPDの術後運動療法の効果を検証したRCTであること

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COPD合併していない術後肺癌よりも、運動機能の回復に時間がかかる印象。
1日2回、週6日を24セッション=約2週間 ? 行ってもベースラインから-50mとすると、リカバリーに時間がかかるか。

COPD合併ということは、元の活動量自体も低めだと推測される。ベースの活動量が低いと運動に対する忍容性や反応性も違うのだろうか。

2025/03/24

上肢活動時の横隔膜の姿勢制御に関する働き

Postural activity of the diaphragm is reduced in humans when respiratory demand increases

Journal of Physiology (2001), 537.3, pp.999–1008



・横隔膜とその他の呼吸筋の活動は通常、四肢を動かした時の体幹の姿勢制御のように、その他の活動と同調する。
呼吸運動ニューロンによる2つのインプットの和によって統合が生じるかもしれない。
本研究では、過換気によって呼吸ドライブが増加した時、横隔膜の姿勢活動が変化するかを検討した。

・横隔膜とその他体幹筋の筋電図(ECG)を13人の健常者の筋内電極で記録した。コントロールされた状態で、死腔を増やすような呼吸活動を行い、脊柱の安定性を乱すために50秒間隔で10秒間連続を4set対象者は素早く腕を動かした。

・呼気終末CO2と換気量は最初の60−120秒で増加し、プラトーに達した。死腔換気を始めて素早く腕を動かしている間、筋電図が強直し、呼吸の周波数で変調が重なった。
しかし、過換気を開始し60秒後の上肢活動しているとき、呼気中の緊張性横隔膜筋電図と腕の動きに伴う位相性筋電図が減少または消失した。
同様の変化が呼気の腹横筋でも認められたが、脊柱起立筋では異なっていた。
腹腔内圧の平均変化と腕の動きに伴う位相変化は、60秒の過呼吸の後に減少した。

・本研究のデータは、中枢性呼吸駆動の増加は、運動ニューロンに到達する姿勢指令を減衰させる可能性がある。この減衰は主要な吸気筋と呼気筋に影響を及ぼし、運動ニューロン以前の部位で調整されている可能性が高い。

2025/03/22

術前の運動療法(呼吸リハ)と呼吸理学療法(呼吸練習)の比較。PRの方が術後成績良好。

Preoperative pulmonary rehabilitation versus chest physical therapy in patients undergoing lung cancer resection: a pilot randomized controlled trial

Arch Phys Med Rehabil. 2013 Jan;94(1):53-8.


【目的】
4週間の呼吸リハ(PR) vs 胸部理学療法(CPT)が術前運動耐容能や術後呼吸器疾患へ
影響するかを調査する事。

【方法】
RCT 単盲検。
肺切除術を行った患者(N=24)
無作為にPR(筋力、持久力トレーニング)とCPT(肺伸展のための呼吸練習)に振り分けた。
どちらのグループも教育セッションを受けた。
【メインアウトカムと評価】
4週間のPRもしくはCPT前後の機能的状態を評価(Phase1)。
呼吸器合併症を評価(Phase2)。

【結果】
12人ずつPRとCPTに振り分けられた。
CPTのうち3人は手術不能がんのため手術を行えなかった。
Phase1の期間にて、FVC、%FVC、6MWD、最大吸気圧、最大呼気圧が特に向上した。
Phase2の期間では、PRグループの方が術後呼吸器合併症が少なく、術後入院日数と胸腔ドレーン留置日数が短かった。

【考察】
今回の結果は、肺切除の術前4週間のPRは術後の身体機能を改善し、術後呼吸器合併症を減少させる。

2025/03/21

イギリスのCOPD管理における身体活動の費用対効果

Cost-effectiveness of physical activity in the management of COPD patients in the UK

Int J Chron Obstruct Pulmon Dis. 2019 Jan 15:14:227-239.


【背景】
GOLDガイドラインで、疾患進行抑制のために運動が推奨されているが、身体活動(PA)の促進への保健当局による投資が少ない。
この研究の目的は、イギリスのCOPD患者において、通常のPA vs 座りがちなライフスタイルでの費用対効果を推定する事。

【方法】
影響、QOL、経済的な根拠におけるCOPD患者のPAの影響は、文献から取得し、身体活動を行っているCOPD患者と座りがちなCOPD患者を比較するために、Markov microsimulation modelへ入力して使用した。
GOLDの分類にて健康状態を層別化した。
基本のケースでは、PAに関する費用はゼロを推定され、生涯にわたる期間が用いられ、費用と影響は3.5%削減された。
解析は、 UK National Health Service(NHS)により行われた。
不確実な入力と仮定は、シナリオと感度分析で推定した。
アウトカムは、QALY(cost/quality-adjusted life year)と年間コストとした。

【結果】
今回のモデルでは、イギリスのCOPD患者のPAの影響は、死亡率の減少(-6%)、入院の減少(-2%)、生存年延長(+0.82)、QALY改善(+0.66)、総費用を2568ポンド(およそ495,423円)抑制した。
cost/QALYとcost/Yearが支配的であった。
PAは月額35£未満で費用節約効果があり、コストあたりの費用対効果は月額202£未満で費用対効果。
主なモデルは、年齢とPAが死亡や増悪入院に影響していた。

【考察】
COPD管理においてPAを含めることは長期間の臨床的効果をもたらす。
NHSが仮に運動のみを推奨した場合、今回の結果は健康に対する費用節約効果があるかもしれない。
もしNHSがPAへの資金影響を行えば、費用対効果は高いかもしれない。

2025/03/05

COPDとILD リハ前後でFIMは向上 FIMが生存に寄与する可能性

Pulmonary rehabilitation and functional independence: Impact on survival in patients with fibrotic interstitial lung disease or chronic obstructive pulmonary disease

Respir Med
2025 Feb:237:107933.
 


【背景】
呼吸リハビリテーション(PR)はILDやCOPD患者の身体機能を改善させる。
PRによる機能改善の影響が、その後の生存に影響するか明らかになっていない。
目的は、PRによる機能的自立度とPR3年後の生存との関連について検討すること。

【方法】
対象は線維性ILDとCOPD患者
3週間の入院呼吸リハを実施
FIMはリハ開始時と終了時に評価
FIMと患者背景、臨床的/身体的パラメーターの相関を分析した。PRから死亡/肺移植/打ち切りまでの時間を評価し、ベースライン/FIM変化/上昇、下降で層別化した。

【結果】
223人の患者が対象(ILD76例、COPD147例)平均年齢はILD69歳、COPD67歳。
両グループとも、FIM合計と運動点数は著明に向上した。
ベースラインのFIMはPRによるFIMの変化と負の相関を示し、6MWD変化とFIMの変化は正の相関を示した。(ベースラインFIMが低いとFIM変化は大きく、6MWDの変化が大きいとFIMの変化も大きい傾向)
FIM運動項目が1ポイント上がるごとに、死亡リスクは3%低くなる。

【考察】
入院呼吸リハは、ILDやCOPDのFIMを改善させる。ベースラインFIMとFIMの変化はリハ実施3年後の生存率向上と関連していた。
これは、慢性呼吸器疾患患者においてリハの重要性を強調し、ADL自立の段階でも重要であることを示した。

2025/03/02

COPDとILDの呼吸筋力動員の違い

Differences of ventilatory muscle recruitment and work of breathing in COPD and interstitial lung disease during exercise: a comprehensive evaluation

ERJ Open Res
2024 Jul 8;10(4):00059-2023.
 


【背景】
COPDと間質性肺疾患(ILD)は代表的な慢性呼吸器疾患であり、QOLに影響する。呼吸筋の役割と違いは未だ明らかになっていない。
この研究の目的は、COPDとILDの運動中の呼吸筋の動員割合と負荷(仕事量)の評価をすること。

【方法】
COPD、ILD、健常者(各20例)の感覚メカニクス(sensosry-mechanical)の関連を比較。
その他の評価は、肺機能、非侵襲的・侵襲的な呼吸筋力、表面筋電図、呼吸機能評価。

【結果】
COPDとILDで健常者と比べて静的呼吸筋力は低くないが、運動テストの結果は低く、横隔膜圧(Pdi)は上昇していた。
食道圧は低下し、胃内圧(Pga)は上昇していた。
COPDにおいて、吸気時にPgaは特に上昇していた。
ILDにおいて、補助吸気筋力の動員が特に多く、一方COPDでは、呼気吸気ともに使用を認めた。
神経力学的非効率性(呼気量に対応しない神経呼吸駆動の増加)は両疾患で認められた。COPDでは、固有呼気終末陽圧(PEEPi)と呼気呼吸仕事を克服するための弾性呼吸仕事がかなり増加するが、ILDでは、非PEEPiの弾性呼吸仕事が全呼吸仕事の中で最も高い割合を占める。

【結論】
 COPDおよびILDでは、呼吸筋の早期活動および呼吸仕事量の増加が、呼吸困難、運動不耐性、換気の神経力学的非効率性に大きく寄与している。P diの発生機序は疾患間で異なっていた。

2025/02/22

肺がん術前後のリハは、運動耐容能の低下を最小限にする。

Rehabilitation for lung cancer patients undergoing surgery: results of the PUREAIR randomized trial

Eur J Phys Rehabil Med2021 Dec;57(6):1002-1011


【背景】
非小細胞肺がんの手術は早期がん患者に有効である。しかし、身体的には患者へネガティブな影響を与えるかもしれない。
目的は、集中的な呼吸リハが、肺切除を行った患者の術前後の運動耐容能に影響するかを検討すること。

【方法】
単施設、1:1割付けのランダム化比較試験。
患者は通常ケアと通常ケア+集中的な呼吸リハを行うグループに分けられた。
主な目的は、呼吸リハを行うことは、手術6ヶ月後の運動耐容能の改善に影響するか。
加えて、短期間(1ヶ月後)の効果(肺機能、術後合併症、入院日数、QOL、感情機能、疼痛)も同様に検討した。
6MWTで25m以上の改善をMCIDとした。

【結果】
術後6ヶ月の運動耐容能は、通常ケアよりも呼吸リハを行った方が有意に高かった(+48.9 meters vs. -7.5 meters respectively, difference: +56.4 meters, 95% CI: 29.6-83.0, P<0.001))
介入グループでは、1ヶ月後の歩行距離の低下も有意に小さかった(-3.0 meters vs. -30.1 meters difference: +27.1 meters, 95% CI: 3.4-50.8, P=0.025)

その他のアウトカムはグループ間で差はなかった。

【考察】
術前後で呼吸リハを行った方が、6ヶ月後の運動耐容能が高かった。
また、1ヶ月後の運動耐容能の低下も低かった。

【臨床への影響】
The PUREAIR 試験では、術前後にリハビリを行なった方が、術後の出コンディショニングを減らすことができた。
包括的な呼吸リハは、術後の運動耐容能に影響する。この結果は、術後1ヶ月後6ヶ月後のリハビリのアウトカムについての知見を提供する。

2025/02/01

ILDにおける呼吸リハの生存に対する影響

Impact of pulmonary rehabilitation on survival in people with Interstitial lung disease

Chest2025 Jan 11:S0012-3692(25)00005-4.


【背景】
呼吸リハ(PR)はILD患者に対する有効な介入であるが、生存率に対する効果については明らかになっていない。この研究では、PRを行ったILD患者の生存アウトカムとコントロール群に分けて行われたRCTを比較した
・リサーチクエスチョン
PRに参加したILD患者の生存への影響があるのか?

【方法】
ILDにおけるPRの2つのRCTのデータから比較した。
PR開始から死亡、肺移植、打ち切りまで計算した。
カムランマイヤーとCox回帰分析をPRの生存に対する影響を評価した。
ベースライン評価はPR開始年齢、性別、FVC、6MWD、動作時の最低SpO2、IPFの診断

【結果】
182にんのILD患者(IPF87、男性109、平均年齢69歳、%FVC76%、%TLCO 48%)
死亡率62%、移植は6%、20%が生存し12%がフォローできなかった。
PRを完了した人の平均生存年は6.1年で、対照群は4.7年。しかし、著名な違いはなかった。(log lank p=0.7)
ベースライン変数を調整すると、5年時点で、PRを完了は死亡率が44%低下と関連していた。
10年時点で、PRと対照群では生存率に違いはなかった。

【考察】
ILD患者でPRを行っていると、5年生存に影響しているかもしれない。
PR参加の臨床的な改善と同様に、ILD患者への標準治療としてのPRの実施は、生存に有効な影響を及ぼすかもしれない。

2025/01/08

急性呼吸不全、ギャッジ座位の効果

Physiological and clinical effects of trunk inclination adjustment in patients with respiratory failure: a scoping review and narrative synthesis

Crit Care (IF: 9.1; Q1). 2024 Jul 9;28(1):228. 


【背景】
呼吸不全患者において、体幹を半仰臥位から仰臥位、またその逆に姿勢を変えることは、呼吸メカニクス、酸素化、呼気終末肺容量、換気効率などの呼吸生理学的な効果が知られている。
これらの効果の一方で、このポジショニング操作における臨床的なエビデンスは限られている。
この人工呼吸管理中の呼吸不全患者を対象としたスコーピングレビューでは、体幹の傾斜
による生理学的な肺への影響を評価した。

【方法】
2003年から2023年までの論文をデータベースで収集。
介入は、体幹傾斜の変化。
4つの項目について評価。
1)呼吸メカニクス
2)換気分布
3)酸素化
4)換気効率

【結果】
220件の研究をスクリーニング。
これらのうち、37件を精査し、最終的な解析には13文献、274例の患者が対象。
全ての研究にて呼吸メカニクス、換気分布、酸素化、換気効率を評価し、60分以内での姿勢変化を実施していた。

【考察】
急性呼吸不全患者において、仰臥位から半仰臥位へ姿勢を変更することは、呼吸システムのコンプライアンスを低下させ、気道駆動圧(driving pressure)を向上させた。
加えて、C-ARDS患者は、換気効率が改善し、より低いPaCO2を獲得した。
酸素化の改善は、数例で確認され、半臥位の姿勢にてEELVの向上が認められた。
このように、体幹傾斜角度は、人工呼吸管理中の急性呼吸不全患者において正確に報告されるべきである。