2016/08/27

CRPの落ち方と生存率の関係

Slower Decline in C-Reactive Protein afteran Inflammatory InsultIs Associated with Longer Survival in Older Hospitalised Patients

2016 Jul 28;11(7):e0159412.

http://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0159412

 

背景

高齢患者において疾患の予防と改善のためには、生物学的な抵抗性を高めるために、必要である。急性疾患の炎症反応のマーカーとしてCRPの変化が高齢患者の抵抗性を高めることに寄与するかもしれないということを、検討した今回6カ月の死亡率によってこれらの変化を予測できるかを検討した

 

方法

前向き研究で入院、臨床検査、リハビリアウトカムを集めた。急性疾患の最大CRPの反応とCRPの回復項目(時間CRPが最大の半分になるまでの回復傾向)を検査データから収集6カ月の生存プロットはCRPの回復の質を見たCoxハザードモデルは単変量多変量解析で6カ月の死亡率を予測した共変量として、年齢性別薬剤血清カルシウムヘモグロビンレベル腎機能過去の心筋梗塞脳卒中慢性腎不全COPD糖尿病

 

結果

3723人の患者平均年齢84歳41%が男性で、20%が6カ月のフォローアップ中に死亡した最高CRPが低くCRPが低下するまで時間を要すると6カ月生存率は良好だったCRPが最大値の半分までに達する時間が生存のCRPで最も良く、最大CRPレベルが共変数で上がっていた。

 

結語

CRP回復項目が高齢患者の生存に最も関連していた。今後、CRPの回復が早い患者と遅い患者の身体的な違いについての説明が求められる

 

・最高CRP中央値:89mg/L最大CRPの半分までの時間の中央値:0.5週

・多変量Cox回帰モデルで6カ月の死亡予測:最高CRP半減するまでの時間

↑最大CRP毎の生存率。

低いほうが長生きするというまぁ妥当と思われる結果。

 

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ちょっと違う分野の英文って難しい。CRP80以上とかあり得るんだろうか。

 



2016/08/26

喘息-COPDオーバーラップ患者の特性(身体活動とQOL)

Characterisation of the overlap COPD-asthma phenotype.Focus on physical activity and health status

Respir Med. 2013 Jul;107(7):1053-60.

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23597591

 

背景

COPD患者は喘息の特性を持っているかもしれないCOPDと喘息をオーバーラップしているタイプの特性は明らかでない。

 

方法

スペインの高齢患者を対象にした疫学研究であるEPI-SCANスタディのデータから3885人の患者が含まれ過去に喘息と診断されたCOPD患者の全身炎症特性を調査。一般的、COPD特異的QOL身体活動を標準化された質問表で評価した

 

結果

385人がCOPDと診断され、67人がCOPD-喘息オーバーラップに分類されたそのような患者は、息切れや喘鳴が多く、増悪も頻回に生じていた全身炎症マーカーに差はなく、オーバーラップしている患者は低いNOxが期待される。このオーバーラップタイプは特異的QOL(SGRQ)が悪く身体活動も減少していた。

 

結語

この対象を基にした研究では、COPDのみとされていた17.4%がオーバーラップタイプであった。サブ解析でより息切れ、喘鳴があり、増悪が多く呼吸器特異的QOLが悪く身体活動レベルが低かったこれらの患者に特異的な介入が必要かもしれない。

 

増悪の頻度。オーバーラップタイプが明らかに多い。

 

・平均年齢64歳BMI28.0

%FEV1.0 70.6%β2吸入後のFEV1.0の増加は、オーバーラップタイプで149mlCOPD単独で132ml

・肺機能検査でβ2吸入後に可逆性があった患者をオーバーラップタイプとしていたようである。

・炎症マーカーは有意差無し。

・身体活動の質問表としてLCADLを使用QOLはEQ-5DとSGRQ。オーバーラップタイプ方が全体的に低い結果

・今後明確な診断基準と管理ガイドラインが求められる。

 

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通称ACOS(エーコス:Athma COPD Overlap Syndrome)。COPD単独よりも増悪因子が多いからなのかと思われる。

身体活動レベルをADL評価表で表せるものなのか?ACOS特異的な介入と言っても、基本はCOPDのリハがベースで良いのではないかと思うが、果たして。



2016/08/25

徒手療法の効果

COPD患者の肺機能と吸気筋力に対する徒手療法の直接的な効果

International Journal of COPD 2016:11 1353–1357

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4920225/

 

目的

本研究の目的は、COPD患者の肺機能と吸気筋力に効果があるかを検討すること

 

方法

30人の重症COPD(男性22人平均年齢62.4歳)が対象参加した患者は徒手療法を1回行い、短期効果を評価脈拍呼吸数酸素飽和度も測定疲労度と呼吸困難の程度も修正ボルグスケールを使用全ての評価項目は最初の徒手療法の前と直後に測定徒手療法中の患者の呼吸のしやすさをVASで示した

 

結果

FEV1.0FVCVCのが著明に改善最大吸気と呼気圧は徒手療法後に上昇脈拍呼吸数呼吸困難の程度疲労の程度も減少した。

 

結語

1の徒手療法は肺機能、吸気筋力、酸素飽和度をすぐに改善させ、呼吸困難、疲労度、脈拍、呼吸数が減少。徒手療法はCOPD患者の早期動作とモチベーションの改善のための新たな手段として呼吸リハに加えるべきである。

 

対象特性

BMI18.7GOLD3-4

徒手療法の内容

45以内で実施。後頭下減圧、前方/後方から頚部脊椎関節の滑走(ROM?)、胸鎖乳突筋と僧帽筋の筋膜リリース、胸鎖関節の滑走内肋間筋と傍脊柱筋の筋膜リリース、横隔膜リリース肋骨挙上肩甲胸郭関節のモビライゼーション、胸椎関節の滑走

筋膜リリースは、それぞれ3-5分で実施グライディングは各関節30秒を5回実施

 

結果は肺機能も、症状も改善。全ての患者が徒手療法で呼吸が楽になったと答えた。徒手療法はリラックス効果をもたらし、胸郭、胸壁コンプライアンスを改善させると考えられる。

 

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 海外ではあまり徒手療法はされていないと聞いたことがある。どちらかというとセルフストレッチのように自分でできることを指導するとか。

けど、やれば即時効果は得られるのは日本では呼吸リハビリテーションマニュアルにも記載があったと思う。長期効果はやはり無いのかな?

ところで、深層筋の筋膜リリースなんて可能なのか?痩せてるからできるのか?



2016/08/18

COPD患者の姿勢コントロール障害について

Postural Control Is Impaired in People with COPD: An Observational Study

Physiotherapy Canada 2011; 63(4);423–31

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3207981/

目的

COPD患者の姿勢コントロールと転倒リスクにつて検討すること。

方法

20人の中等症から重症のCOPD平均%FEV1.0は46.7%20人の患者は比較グループとして the Sensory Organization Test (SOT)を実施SOTで0点は転倒するとした。SOTの結果の基礎において参加者はよく転倒する(2回以上)転倒した(1回)に分類分け姿勢コントロールにおいて筋力低下による可能性を探るために膝伸展筋力を評価身体活動レベルは高齢者向けの身体活動スケールで評価

結果

COPD患者の10.8%で低いスコアであり、比較グループよりも多くの転倒歴があった。転倒頻度の割合を比較するとSOTは比較グループよりもCOPDグループにおいて良好であったCOPDグループは膝伸展筋力の低下と身体活動の低い傾向にあった。しかし、これらの要素はCOPDグループの姿勢コントロールの低下について、どちらも説明がつかない。

結語

COPD患者は姿勢コントロールが悪くSOTで評価することによって転倒リスクの増加を評価できる。姿勢コントロールの歪みは筋力低下や身体活動レベルと独立して存在している。姿勢コントロール介入と転倒リスク戦略が推奨される

 

 

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バランスって言うほど簡単なものでも無いのでとても難しい。呼吸疾患でもバランスは悪化しているということが言いたいのかな。

しかし、大掛かりな装置だ…



2016/08/11

神経筋電気刺激はCOPD患者の運動機能を改善するか

Neuromuscular electrical stimulation to improve exercise capacity in patients with severe COPD: a randomised double-blind, placebo-controlled trial
Lancet Respir Med 2016; 4: 27–36

背景
骨格筋の機能異常と運動耐久性低下は重症COPDに共通している。在宅運動療法として神経筋電気刺激( neuromuscular electrical stimulation:NMES)の効果を検証した

方法
二重盲検試験方式でイギリスの3つの国家健康サービスで実施成人COPDで、%FEV1.0が50%以下、強い呼吸困難(MRC>4)の患者に1日おきにNEMSを6週間実施無作為化は年齢GOLDステージ大腿四頭筋力でバランスよく1:1で分類プライマリーエンドポイントは6分間歩行距離の変化分析はintention to treat。

結果
2012年から2014年の間に73人が参加52人が無作為化され、25人がNMES27人がプラセボNMES6MWDの変化はNMESのほうが改善していた(平均35.7m延長)感度分析でも同様の結果であった。イベント発生した参加者の割合は両方とも同じ程度であった(20%vs33%)両グループ1人ずつ、電極を使用するNMESによるもと考えられる紅斑が報告された

考察
NMESは大腿四頭筋力を向上させることによって、重症COPD患者の機能的運動耐容能を改善させるこれらのデータは、NMESが慣習的な呼吸リハに参加できない患者の管理に使用する根拠となる。さらなる効果を得るための研究が求められる

NMESは左右大腿四頭筋に1日30分6週間実施自分で電極(10cm×13cm)を装着し最大筋収縮の15-25%で実施電極は大腿四頭筋の遠位と近位
350μsで50Hzの周波数でオン/オフを交互に実施
NMESは振幅範囲は0-120mAプラセボNMESは0-20mA.
・最初に使い方をPTや看護師が30分直接指導
・コンプライアンスを継続するために標準的な日誌、トラブルや問題のための毎週の電話、必要であれば患者に再度指導するために訪問した。
・評価は無作為化した後、6週目と12週目に実施。評価項目は6分間歩行試験(6MWT)大腿四頭筋力身体活動量(歩数立位時間起立の回数)健康関連QOL(EQ-5DSGRQCRQ)
・平均年齢70BMI25-28FEV1.0 0.82L%FEV1.0 30.8%前年の増悪回数4回6MD210220m前後
6MD大腿四頭筋力大腿四頭筋横断面積はベースラインより有意に改善その後12週目は低下している。その他の評価は有意差し。(下図参照)

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日本ではEMSと言った方が馴染みがあるかもしれない。身体機能の向上は得られているがそれから、活動量やQOL、息切れへの効果は無かった。教育プログラムなんかも一緒にすればほかのパラメーターにもつながるかも。
慢性期の重症例で効果ありの結果はすごい。ただ、実際に使うときの負荷量や時間の設定が難しいなと思う。


2016/08/08

呼吸リハに繰り返し来る患者の特徴は?

Repeating pulmonary rehabilitation: Prevalence, predictors and outcomes

Respirology (2014) 19, 999–1005

http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/resp.12365/abstract

 

背景

呼吸リハは慢性呼吸器疾患のケアにおいて重要である。繰り返す呼吸リハは有益かもしれないが、繰り返す患者の特性やアウトカムについては知られていない。この研究では、繰り返す患者の割合を推定し、繰り返す予測と効果の度合いを最初とその後のプログラムにおいて比較すること。

 

方法

安定期慢性呼吸器疾患を対象、9年以上呼吸リハを行っている患者を含めた。アウトカムは、6分間歩行距離(6MWD)CRDQ繰り返す独立した予測因子を同定した

 

結果

296人の患者で、59人(20%)が1-3年以内に繰り返してた。最初のプログラムにおいて、繰り返す患者は6MWDが短くCRDQスコアが低い繰り返しのプログラムにおける6MWDの改善は最初のプログラムと比べると短いCRDQも同様の結果COPDと診断されていると繰り返し呼吸リハを行うオッズ比が高く(oddsratio(OR)4.8; P = 0.005)、最初のプログラムにおいて支配感(mastery)が改善するとオッズ比は下がった(OR 0.9;P = 0.033).

 

結語

5に1の患者が呼吸リハを繰り返し行っており、臨床的に著しい運動耐容能とQOLの改善が達成されている。最初の呼吸リハ後に疾患の支配感が改善しなかった患者は、プログラムを繰り返して行っており、早期介入もしくは長期間の呼吸リハが有効かもしれない。

 

・対象は2001-2009年のに呼吸リハを完了した患者を後方視的に集計

・リハプログラムは6-11週間外来にて実施週2回90分の運動セッションと60分の教育セッションで構成され、毎週自宅にて少なくとも1回は自主トレーニングを行うよう約束

教育は、他職種によって構成され、運動、症状管理自己管理トレーニング心理サポート、栄養についてレクチャー。運動は、持久力、上下肢筋トレ。

・プライマリーアウトカムは繰り返し呼吸リハをおこなった割合。セカンダリーアウトカムは、繰り返す患者の特性、運動耐容能の変化、HRQOLの変化

・対象の平均年齢67歳(22-91歳)平均FEV1.0%は52%。

・研究期間中に20%の患者が繰り返していた11人は2回1人は3回。繰り返す患者は、3以内に主に繰り返しており、COPDの割合が多く、肺機能が低く、6MWT中のSpO2が低い

・最初の呼吸リハ後の改善度は両群とも同じような結果。有意差はないが繰り返すほうがCRDQの支配感の改善が少ない

・2目の6MWDとCRDQは最初のベースラインのレベルになっていた。

・繰り返す患者の予測因子は、COPDの診断最初の呼吸リハでのCRDQ支配感の変化量ベースラインの支配感が全員1点ずつ上がると、繰り返すオッズ比は8%減少

↓6MWDの推移

 

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COPDというだけで繰り返しリハビリを行うリスクになる。継続しないと身体機能もQOLもリハ後にはベースラインに戻ってしまう。

自己管理がどれだけ継続できるか。

"分かっているけどやってない"という患者がどうやったら継続できるか。



2016/08/07

特発性間質性肺線維症(IPF)の運動能力の評価で最も反応するのは?

Endurance Time Is the Most Responsive Exercise Measurement in Idiopathic Pulmonary Fibrosis

Respir Care 2014;59(7):1108–1115

http://rc.rcjournal.com/content/59/7/1108.short

 

背景

呼吸リハビリ(PR)は、特発性肺線維症(IPF)患者において、運動耐容能を向上させることが報告されているがPRの効果を最も反映する運動評価は知られていないこの研究の目的はPRの効果を評価するために5つの運動耐容能評価を行い反応性を比較すること

 

方法

前向き研究で53IPFを対象とした。PRグループは10週間の外来PRを実施しコントロール群はPRも含め何も追加した介入を行っていない。5つの運動耐容能評価(持続時間最大運動負荷最大酸素摂取量6分間歩行距離シャトルウォーキングテスト)はベースラインと10週間後に評価した効果量(effect size)を反応性の評価に使用した

 

結果

それぞれのグループで、24人が全ての評価を完了した持続時間と最大酸素摂取量最大運動負荷6MWDISWDは大きく変化していたPRグループでは持続時間が5つの評価のなかで、最も大きく改善しており、その効果量は2.96と大きかった

 

結論

持続時間が運動評価のなかでもっともPRの効果を反映していた

 

 

・対象は75未満、特発性肺線維症の診断を受けている、呼吸困難がある、過去3ヶ月間臨床的に安定している。

運動評価は漸増運動負荷(ILET)、定常運動負荷(CLET)6MWTISWT

ILETはエルゴで、1分間に10wattずつ負荷があがりペダルを60回転/分でこぐ。最低30秒持続してできた負荷を最大運動負荷とする。

CLETは、エルゴを使用し持続時間の評価として使用。最大運動負荷の80%で60回転/分を維持。そのまま限界までできた時間を持続時間とした。

・リハプログラムは、週2、190のセッションで、呼吸ケア教育、持久力と筋力トレーニングで構成。理学療法士がアドバイスを行う。自転車エルゴを20分、最大運動負荷の80%で実施筋トレは、ウェイトマシンやダンベルゴムバンドを使用呼吸筋力(吸気筋)トレーニングはthresholdを使用して最大吸気圧の30%で15分間定常負荷試験でSpO2が80%未満であれば酸素吸入を行いながらトレーニングを実施

 

・運動耐容能評価の変化。

持続時間だけかなりの改善。

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IP研究で有名な(個人的印象)愛知の公立陶生病院、有薗先生の発表。

IPは低酸素になりやすく、なかなか運動負荷をかけにくく改善が難しい印象。故に、効果の判定が難しい。

6MWTはIPでのMCIDが出されていてCOPDと同程度だったと思う。これは、MCIDとはちょっと異なるが、リハの効果を反映していたという結果。

これと患者自身の自覚症状の関連見てみたい。



2016/08/04

早期緩和ケアを導入した効果

An integrated palliative and respiratory care service for patients with advanced disease and refractory breathlessness: a randomised controlled trial

Lancet Respir Med 2014; 2: 979–87

http://www.thelancet.com/journals/lanres/article/PIIS2213-2600(14)70226-7/fulltext

 

背景

呼吸困難は多くの進行した疾患において増加する共通した症状で、管理が難しい進行した疾患や呼吸困難のる患者に対して早期緩和ケアと呼吸器サービスを統合した介入の効果について検討した。

 

方法

単盲検無作為化試験。南ロンドンの3つの大規模病院と開業医にて、継続した難治性の呼吸困難と進行した疾患のある患者を集めた。無作為に呼吸困難サポートか通常ケアかに分けられた呼吸困難サポートは、短期間の緩和ケア薬剤理学療法作業療法を統合したものを実施プライマリーアウトカムは6週間後の呼吸委困難の程度CRDQ全ての分析はintention to treatにて解析

 

結果

2010年から2012年の間、105人の患者を無作為化83人の患者が6週間後の評価を完了呼吸困難サポートグループの支配感(mastery)は対照群より改善していた感度分析でも同様の結果であった。6か月の生存率は呼吸困難サポートグループのほうが良かった生存の差はCOPDと間質性肺疾患の患者で差があったが、がんでは無かった

 

考察

呼吸困難サポートサービスは呼吸困難の支配感を改善する。今回の結果は、がん患者以外で早期に緩和ケアを統合することの強固なエビデンスを示した。さらに介入することで生存率が改善するかもしれない。

 

・患者選択基準は、原疾患の治療を行っていてMRC息切れスコアが2点以上、がんやCOPD間質性肺疾患慢性心不全、運動ニューロン障害があり、PTまたはOTによる短期間の在宅介入を約束2週間以内の急性増悪の治療を行った患者は除外

・呼吸困難サポートサービスは、通常のイギリス健康サービスに加えて実施。他職種による呼吸理学療法、作業療法、緩和ケアアセスメントと管理。身体的、精神的、心理的な面の評価も実施。

・呼吸困難サポートサービスは、最初に外来で薬物療法と緩和ケアの現在の治療について評価。患者と家族に呼吸困難に関する情報、管理、動作指導などを行う。危険時の計画(アクションプラン?)についても確認。2,3週間後に自宅でPTまたはOTによる歩行や家事や自己管理の強化DVDを使った運動を指導

・アウトカムは6週間時点の呼吸困難の支配感(CRDQの支配感)

・第2アウトカムは過去24時間の呼吸困難感(LCADLで評価)CRDQのほかのドメイン(呼吸困難疲労感情機能)EQ-5DHADS肺機能

 

ベースライン特性

 

生存数:サポート群では半年後ほとんどの疾患で100%

生存曲線:サポートしたほうが生存率は高い。

 

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平均年齢67歳でサポート介入をすれば、半年後の生存率が明らかに高い。

慢性疾患の管理には周囲サポート体制が重要だ。

この研究の良いところは自宅での生活指導を家族にも伝えていることだと思う。

死ぬまで付き合う持病を理解してくれる人がいることは結構大事なのかもしれない。目の前で家族が窒息しそうな呼吸状態だったら一番に助けてもらわないと取返しつかないし。