COPD患者の肺機能と吸気筋力に対する徒手療法の直接的な効果
International Journal of COPD 2016:11 1353–1357
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4920225/
目的
本研究の目的は、COPD患者の肺機能と吸気筋力に効果があるかを検討すること。
方法
30人の重症COPD(男性22人、平均年齢62.4歳)が対象。参加した患者は徒手療法を1回行い、短期効果を評価。脈拍、呼吸数、酸素飽和度も測定。疲労度と呼吸困難の程度も修正ボルグスケールを使用。全ての評価項目は、最初の徒手療法の前と直後に測定。徒手療法中の患者の呼吸のしやすさをVASで示した。
結果
FEV1.0、FVC、VCの値が著明に改善。最大吸気圧と呼気圧は徒手療法後に上昇。脈拍、呼吸数、呼吸困難の程度、疲労の程度も減少した。
結語
1回の徒手療法は肺機能、吸気筋力、酸素飽和度をすぐに改善させ、呼吸困難、疲労度、脈拍、呼吸数が減少。徒手療法はCOPD患者の早期動作とモチベーションの改善のための新たな手段として呼吸リハに加えるべきである。
対象特性
BMI18.7、GOLD3-4
徒手療法の内容
45分以内で実施。後頭下減圧、前方/後方から頚部脊椎関節の滑走(ROM?)、胸鎖乳突筋と僧帽筋の筋膜リリース、胸鎖関節の滑走、内肋間筋と傍脊柱筋の筋膜リリース、横隔膜リリース、肋骨挙上、肩甲胸郭関節のモビライゼーション、胸椎関節の滑走。
筋膜リリースは、それぞれ3-5分で実施。グライディングは各関節30秒を5回実施。
結果は肺機能も、症状も改善。全ての患者が徒手療法で呼吸が楽になったと答えた。徒手療法はリラックス効果をもたらし、胸郭、胸壁コンプライアンスを改善させると考えられる。
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海外ではあまり徒手療法はされていないと聞いたことがある。どちらかというとセルフストレッチのように自分でできることを指導するとか。
けど、やれば即時効果は得られるのは日本では呼吸リハビリテーションマニュアルにも記載があったと思う。長期効果はやはり無いのかな?
ところで、深層筋の筋膜リリースなんて可能なのか?痩せてるからできるのか?