2016/08/07

特発性間質性肺線維症(IPF)の運動能力の評価で最も反応するのは?

Endurance Time Is the Most Responsive Exercise Measurement in Idiopathic Pulmonary Fibrosis

Respir Care 2014;59(7):1108–1115

http://rc.rcjournal.com/content/59/7/1108.short

 

背景

呼吸リハビリ(PR)は、特発性肺線維症(IPF)患者において、運動耐容能を向上させることが報告されているがPRの効果を最も反映する運動評価は知られていないこの研究の目的はPRの効果を評価するために5つの運動耐容能評価を行い反応性を比較すること

 

方法

前向き研究で53IPFを対象とした。PRグループは10週間の外来PRを実施しコントロール群はPRも含め何も追加した介入を行っていない。5つの運動耐容能評価(持続時間最大運動負荷最大酸素摂取量6分間歩行距離シャトルウォーキングテスト)はベースラインと10週間後に評価した効果量(effect size)を反応性の評価に使用した

 

結果

それぞれのグループで、24人が全ての評価を完了した持続時間と最大酸素摂取量最大運動負荷6MWDISWDは大きく変化していたPRグループでは持続時間が5つの評価のなかで、最も大きく改善しており、その効果量は2.96と大きかった

 

結論

持続時間が運動評価のなかでもっともPRの効果を反映していた

 

 

・対象は75未満、特発性肺線維症の診断を受けている、呼吸困難がある、過去3ヶ月間臨床的に安定している。

運動評価は漸増運動負荷(ILET)、定常運動負荷(CLET)6MWTISWT

ILETはエルゴで、1分間に10wattずつ負荷があがりペダルを60回転/分でこぐ。最低30秒持続してできた負荷を最大運動負荷とする。

CLETは、エルゴを使用し持続時間の評価として使用。最大運動負荷の80%で60回転/分を維持。そのまま限界までできた時間を持続時間とした。

・リハプログラムは、週2、190のセッションで、呼吸ケア教育、持久力と筋力トレーニングで構成。理学療法士がアドバイスを行う。自転車エルゴを20分、最大運動負荷の80%で実施筋トレは、ウェイトマシンやダンベルゴムバンドを使用呼吸筋力(吸気筋)トレーニングはthresholdを使用して最大吸気圧の30%で15分間定常負荷試験でSpO2が80%未満であれば酸素吸入を行いながらトレーニングを実施

 

・運動耐容能評価の変化。

持続時間だけかなりの改善。

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IP研究で有名な(個人的印象)愛知の公立陶生病院、有薗先生の発表。

IPは低酸素になりやすく、なかなか運動負荷をかけにくく改善が難しい印象。故に、効果の判定が難しい。

6MWTはIPでのMCIDが出されていてCOPDと同程度だったと思う。これは、MCIDとはちょっと異なるが、リハの効果を反映していたという結果。

これと患者自身の自覚症状の関連見てみたい。