Repeating pulmonary rehabilitation: Prevalence, predictors and outcomes
Respirology (2014) 19, 999–1005
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/resp.12365/abstract
背景
呼吸リハは慢性呼吸器疾患のケアにおいて重要である。繰り返す呼吸リハは有益かもしれないが、繰り返す患者の特性やアウトカムについては知られていない。この研究では、繰り返す患者の割合を推定し、繰り返す予測と効果の度合いを最初とその後のプログラムにおいて比較すること。
方法
安定期慢性呼吸器疾患を対象、9年以上呼吸リハを行っている患者を含めた。アウトカムは、6分間歩行距離(6MWD)、CRDQ。繰り返す独立した予測因子を同定した。
結果
296人の患者で、59人(20%)が1-3年以内に繰り返していた。最初のプログラムにおいて、繰り返す患者は6MWDが短く、CRDQスコアが低い。繰り返しのプログラムにおける6MWDの改善は最初のプログラムと比べると短い。CRDQも同様の結果。COPDと診断されていると繰り返し呼吸リハを行うオッズ比が高く(oddsratio(OR)4.8; P = 0.005)、最初のプログラムにおいて支配感(mastery)が改善するとオッズ比は下がった(OR 0.9;P = 0.033).
結語
5人に1人の患者が呼吸リハを繰り返し行っており、臨床的に著しい運動耐容能とQOLの改善が達成されている。最初の呼吸リハ後に、疾患の支配感が改善しなかった患者は、プログラムを繰り返して行っており、早期介入もしくは長期間の呼吸リハが有効かもしれない。
・対象は2001-2009年の間に呼吸リハを完了した患者を後方視的に集計。
・リハプログラムは6-11週間外来にて実施。週2回、90分の運動セッションと60分の教育セッションで構成され、毎週自宅にて少なくとも1回は自主トレーニングを行うよう約束。
・教育は、他職種によって構成され、運動、症状管理、自己管理トレーニング、心理サポート、栄養についてレクチャー。運動は、持久力、上下肢筋トレ。
・プライマリーアウトカムは繰り返し呼吸リハをおこなった割合。セカンダリーアウトカムは、繰り返す患者の特性、運動耐容能の変化、HRQOLの変化。
・対象の平均年齢67歳(22-91歳)、平均FEV1.0%は52%。
・研究期間中に20%の患者が繰り返していた。11人は2回、1人は3回。繰り返す患者は、3年以内に主に繰り返しており、COPDの割合が多く、肺機能が低く、6MWT中のSpO2が低い。
・最初の呼吸リハ後の改善度は両群とも同じような結果。有意差はないが繰り返すほうがCRDQの支配感の改善が少ない。
・2回目の6MWDとCRDQは最初のベースラインのレベルになっていた。
・繰り返す患者の予測因子は、COPDの診断、最初の呼吸リハでのCRDQ支配感の変化量。ベースラインの支配感が全員1点ずつ上がると、繰り返すオッズ比は8%減少。
↓6MWDの推移
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COPDというだけで繰り返しリハビリを行うリスクになる。継続しないと身体機能もQOLもリハ後にはベースラインに戻ってしまう。
自己管理がどれだけ継続できるか。
"分かっているけどやってない"という患者がどうやったら継続できるか。