2020/08/13

成人気管支拡張症の身体活動量と入院の関係

 Association between physical activity and risk of hospitalisation in bronchiectasis

European Respiratory Journal 2020 55: 1902138

https://erj.ersjournals.com/content/55/6/1902138?ctkey=shareline&utm_medium=shareline&utm_source=02138-2019&utm_campaign=shareline

<背景>
気管支拡張症(BE)患者は、健康な同年代よりも活動的な生活様式が少ない。しかし、入院との関係については説明されていない。
目的は、1)身体活動の変化との関係、2)成人気管支拡張症患者で増悪によって入院した患者の座っている時間との関係を調査

<方法>
評価項目:肺機能、QOL、運動耐容能、気管支拡張症の重症度、身体活動量
身体活動は、1週間以上SenseWear armband を装着し、1日の歩数と座っている時間を測定
気管支拡張症の増悪による入院回数と最初のイベント発生までの時間を1年の追跡後まで記録

<結果>
64人のBE患者が対象。15人(23%)がフォローアップ期間に入院。
入院した患者は、入院しなかった患者と比べて、臨床的に重症であり、1日の歩数が少なく、1日の歩数が少なかった。
1日6290歩未満もしくは座っている時間が1日7.8時間以上であると、1年のフォロー後のBE増悪による入院リスクが高かった。
特に、座っている時間が1日7.8時間以上であることは、1年以内に入院しているリスクが5.9倍であった。

<考察>
ベースラインで低い身体活動と座っている時間が長いことはBE増悪入院のリスクが高いことと関連していた。

今後の研究で、これらの妥当性が明らかになれば、身体活動や座っている時間が重症スコアの項目となるかもしれない。

2020/08/12

ステロイド治療前後の筋肉量、筋力の変化

 Change in muscle volume after steroid therapy in patients with myositis assessed
using cross-sectional computed Tomography


BMC Musculoskelet Disord . 2018 Mar 27;19(1):93.


https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29587702/

<背景>
ステロイド療法は、アレルギーなどの治療に使用されるが、副作用としてステロイドミオパチーがある。
ステロイド療法は、筋炎の初期治療に使用される。
しかし、ステロイド治療前後の筋肉量に影響するかについては客観的に明らかにされていない。
目的は、筋炎患者でステロイド治療後の筋肉量の変化をCTで評価すること


<方法>
7人の筋炎患者と8人の対照群を比較。
高容量のステロイド治療を行っており、治療前後で評価
筋炎患者の因子は、血清筋酵素と筋力。
CT画像は、骨格筋断面と筋肉減少率を第3腰椎の最後の高さで評価。

<結果>

筋力と血清筋酵素(CK)は筋炎グループでステロイド治療後に改善。
両群とも、筋の横断面積は減少(myositis group: p = 0.0156; control group: p = 0.0391)。
筋肉減少量は増加傾向 (myositis group: p = 0.0781; control group: p = 0.0547)。
筋炎群において、COPD合併があると、筋肉量減少傾向の傾向があった(p = 0.0571)。


<考察>

筋炎患者でステロイド治療を行っていると、筋肉量はステロイド治療後減少を示唆し、筋力は筋肉量の変化以上の因子の影響によって増加していた。
治療として、筋肉量の改善だけでなく、筋力の質の改善も重要であると示唆した。


・PSL12-50mg

・2回目評価までの日数は1-7.5日

・筋力はMMTで評価



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両グループとも治療後は減少
a:筋炎グループ、b:コントロールグループ


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筋肉量の変化
並存症があると特に減少率が大きい


2020/08/11

フレイル予防のために必要な歩数

Objectively Measured Daily Step Counts and Prevalence of Frailty in 3,616 Older Adults


Journal of the American Geriatrics Society 07 July 2020 


https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1111/jgs.16655 

<目的>

これまでの研究で、より歩数が多いと死亡率や合併症が少ないといわれているが、フレイルと歩数の関係については評価されていない。

地域高齢者を対象に、歩数とフレイルの関係について調査した。


<方法>

横断研究。京都亀岡研究。

対象は、65歳以上の日本人高齢者3616人

歩数計を使用して1日の歩数を記録

歩数は4日以上記録。歩数で4分位に分けた。

フレイルは、Fried phenotype (FP) modelと Kihon Checklist (KCL)で診断。

多変量ロジスティック回帰とrestricted cubic spline modelを使用して、フレイルの罹患率と歩数の関係を検討。


<結果>

平均歩数は、四分位の低いほうから、1,759, 2,988, 4,377, and 7,200 steps/day,

フレイルの罹患率は、FPで11.3%、KCLで26.8%

交絡因子を補正すると、オッズ比とFPで診断しされたフレイルの罹患率と歩数は負の関係を示した。

全体者の平均歩数は4081歩

1,000歩/日の増分に対するフレイルのORは、4,000歩未満では0.74(95%CI = 0.58-0.91)、4,000歩以上では0.85(95%CI = 0.72-0.97)であった。

Spline modelでも同様の結果が示された。


<考察>

1日の歩数を1000歩(活動時間で約10分)増やすとフレイルを予防できるかもしれない。 

2020/08/08

COVID-19生存患者の身体機能とADL

 Low physical functioning and impaired performance of activities of daily life in COVID-19 patients who survived the hospitalisation


European Respiratory Journal 2020


https://erj.ersjournals.com/content/early/2020/07/23/13993003.02096-2020


<背景>

数千人のイタリア人がCOVID-19で入院した。イタリア、ピアモンテ州で12272人の患者が2020年5月12日時点で入院しており、このほとんどが自宅退院した。

COVID-19患者の流入により、イタリア北部の病床キャパを超え、患者は、PCR検査2回陰性後。身体機能にかかわらず自宅退院となっている。

下肢筋力のデコンディショニングとADL障害がよく生じている。

実際にCOVID-19患者は入院中に様々な症状を呈しているが、厳重な隔離がされており、患者の活動はゼロに等しくなっている。


退院時の身体機能やADLのデータは存在しない。にもかかわらず、COVID-19患者は入院時から直接的なリハビリ介入が必要であると考えられている。

この後方視研究は、自宅退院時の身体機能やADLを評価した。


・Istituti Clinici Scientifici Maugeriに入院したCOVID-19患者が対象。

・このリハビリクリニックは、通常は呼吸リハを行っているが、COVID-19パンデミック時は、急性期病院で収容できなかったCOVID-19患者を受け入れていた。


・入院患者は医学的治療、早期離床、ベッドサイド理学療法(30分/日)、カウンセリングを実施

・入院時と退院時に1分間起立試験(Sit to Stand:STS)、SPPB、Bathel Indexを評価


・115人の患者が対象(女性49.5%、平均74.3歳、BMI26.2)

これらの患者は、急性期病院から転院。急性期病院在院日数は平均15.6日


・103人の患者が自宅退院できた。82人の患者は人工呼吸管理が必要なし。9人がNIV、12人が挿管管理


・入院時、42%の患者が1分間STSテストが実施可能。平均回数は14回

・SPPBは78.6%の患者が0-6点、13.5%の患者が7-9点、7.8%が10-12点

・67人の患者がADL低下(B.I<60点)


身体機能、ADLが低下していた患者の割合
1min-STS<4分位の下位25%
SPPB≦6点
Bathel Index≦60点


・退院時のSTSは6.2回増加、SPPBは2.1点増加、B.Iは15点増加

・STSで下位25%に33.3%が存在。SPPB合計スコアは患者の多くが低(53.5%)~中等度(17.5%)に存在。B.Iは47.5%の患者が問題を抱えていた

・ADLで介助が必要な項目は、食事(7%)、トイレ(35%)、入浴(36%)、整容(28%)、移乗(44%)、歩行(不可35%、車いす自立30%、介助歩行30%)

・退院患者の17.5%は寝たきり、21%は在宅酸素導入

・年齢、BMI、入院日数は1min STS、SPPB、B.Iに影響しなかった。

2020/08/05

急性期循環器疾患の早期離床

Early Mobilization in People with Acute Cardiovascular Disease
Canadian Journal of Cardiology 25 March 2020

<背景>
早期離床は、急性期ユニットで推奨されている。しかし、急性循環器疾患患者における早期離床についてはあまりしられていない。

<方法>
循環器集中治療ユニット(CICU)に入院して、早期離床プログラムを行った患者が対象。
活動機能レベル(level of function mobility scale)を活動の指標として評価。
プライマリーアウトカムは自宅退院。

<結果>
1489人の患者が解析対象。
年齢、性別、虚血性心疾患での入院に有意差なし。
介入グループの4分の1(n=222)は、少なくとも病前機能に軽度の障害があった。
機能レベルは病前4.6±0.7、入院時3.2±1.4、CICU退院時4.2±0.9

患者の半分は、CICU期間中に機能レベルスコアが1点上昇
すべての活動機会は近似していた。
有害事象は、0.3%で、予後に影響するものはなく、転倒、ルート抜去、介助者のけが

介入グループは、介入前グループと比較して、自宅退院が多く (83.9% vs. 78.3%, P<0.007)、病院での死亡率が低かった(4.2% vs. 6.8%; P=0.04)。

年齢、性別、並存症を補正すると、入院時機能レベルが医療機関への退院を予測していた(OR=0.72)


<考察>
早期離床は、CICUで安全かつ有効であり、自宅退院を増加させるのに有効であった。


・早期離床プログラム
看護師主導の早期離床プログラム
術前の機能状態を患者や家族から聴取し評価(pre-hospital)
モビライゼーションは、入室後、患者の循環動態が安定していればできるだけ早期に開始。
活動機能レベルは、0(低活動)-5(高活動)点で評価