2020/08/05

急性期循環器疾患の早期離床

Early Mobilization in People with Acute Cardiovascular Disease
Canadian Journal of Cardiology 25 March 2020

<背景>
早期離床は、急性期ユニットで推奨されている。しかし、急性循環器疾患患者における早期離床についてはあまりしられていない。

<方法>
循環器集中治療ユニット(CICU)に入院して、早期離床プログラムを行った患者が対象。
活動機能レベル(level of function mobility scale)を活動の指標として評価。
プライマリーアウトカムは自宅退院。

<結果>
1489人の患者が解析対象。
年齢、性別、虚血性心疾患での入院に有意差なし。
介入グループの4分の1(n=222)は、少なくとも病前機能に軽度の障害があった。
機能レベルは病前4.6±0.7、入院時3.2±1.4、CICU退院時4.2±0.9

患者の半分は、CICU期間中に機能レベルスコアが1点上昇
すべての活動機会は近似していた。
有害事象は、0.3%で、予後に影響するものはなく、転倒、ルート抜去、介助者のけが

介入グループは、介入前グループと比較して、自宅退院が多く (83.9% vs. 78.3%, P<0.007)、病院での死亡率が低かった(4.2% vs. 6.8%; P=0.04)

年齢、性別、並存症を補正すると、入院時機能レベルが医療機関への退院を予測していた(OR=0.72)


<考察>
早期離床は、CICUで安全かつ有効であり、自宅退院を増加させるのに有効であった。


・早期離床プログラム
看護師主導の早期離床プログラム
術前の機能状態を患者や家族から聴取し評価(pre-hospital)
モビライゼーションは、入室後、患者の循環動態が安定していればできるだけ早期に開始。
活動機能レベルは、0(低活動)-5(高活動)点で評価