Low physical functioning and impaired performance of activities of daily life in COVID-19 patients who survived the hospitalisation
European Respiratory Journal 2020
https://erj.ersjournals.com/content/early/2020/07/23/13993003.02096-2020
<背景>
数千人のイタリア人がCOVID-19で入院した。イタリア、ピアモンテ州で12272人の患者が2020年5月12日時点で入院しており、このほとんどが自宅退院した。
COVID-19患者の流入により、イタリア北部の病床キャパを超え、患者は、PCR検査2回陰性後。身体機能にかかわらず自宅退院となっている。
下肢筋力のデコンディショニングとADL障害がよく生じている。
実際にCOVID-19患者は入院中に様々な症状を呈しているが、厳重な隔離がされており、患者の活動はゼロに等しくなっている。
退院時の身体機能やADLのデータは存在しない。にもかかわらず、COVID-19患者は入院時から直接的なリハビリ介入が必要であると考えられている。
この後方視研究は、自宅退院時の身体機能やADLを評価した。
・Istituti Clinici Scientifici Maugeriに入院したCOVID-19患者が対象。
・このリハビリクリニックは、通常は呼吸リハを行っているが、COVID-19パンデミック時は、急性期病院で収容できなかったCOVID-19患者を受け入れていた。
・入院患者は医学的治療、早期離床、ベッドサイド理学療法(30分/日)、カウンセリングを実施
・入院時と退院時に1分間起立試験(Sit to Stand:STS)、SPPB、Bathel Indexを評価
・115人の患者が対象(女性49.5%、平均74.3歳、BMI26.2)
これらの患者は、急性期病院から転院。急性期病院在院日数は平均15.6日
・103人の患者が自宅退院できた。82人の患者は人工呼吸管理が必要なし。9人がNIV、12人が挿管管理
・入院時、42%の患者が1分間STSテストが実施可能。平均回数は14回
・SPPBは78.6%の患者が0-6点、13.5%の患者が7-9点、7.8%が10-12点
・67人の患者がADL低下(B.I<60点)
身体機能、ADLが低下していた患者の割合 1min-STS<4分位の下位25% SPPB≦6点 Bathel Index≦60点 |
・退院時のSTSは6.2回増加、SPPBは2.1点増加、B.Iは15点増加
・STSで下位25%に33.3%が存在。SPPB合計スコアは患者の多くが低(53.5%)~中等度(17.5%)に存在。B.Iは47.5%の患者が問題を抱えていた
・ADLで介助が必要な項目は、食事(7%)、トイレ(35%)、入浴(36%)、整容(28%)、移乗(44%)、歩行(不可35%、車いす自立30%、介助歩行30%)
・退院患者の17.5%は寝たきり、21%は在宅酸素導入
・年齢、BMI、入院日数は1min STS、SPPB、B.Iに影響しなかった。