2024/06/10

ILDの栄養障害と運動耐容能の関係

Exercise capacity and its relationship with body composition and nutrition status in patients with interstitial lung disease

Nutr Clin Pract (IF: 3.08; Q3). 2021 Aug;36(4):891-898.


【背景】
間質性肺疾患(ILD)は、運動能力が低下していることは知られている。
目的は、栄養状態と体組成の状態が、ILD患者の運動耐容能と関連しているかを検討すること。
副次目的として、ILD患者の栄養状態の代用マーカーとなりえるもの(適切性)を評価すること。

【方法】
疾患重症度は%FVCで決定。
運動耐容能は、6分間歩行距離。
栄養状態は、
the subjective global assessment(SGA)
standardized phase angle (SPhA)
impedance ratio z-score (z-IR)
を使用
生体電気インピーダンス分析で、体組成パラメーターを推定した。

【結果】
79人中45人(57%)が、SGAで低栄養とされた。
FFM index z-score (z-FFMI)、SGAは、疾患重症度と独立して、運動耐容能を予測した。
年齢、低BMI、z-FFMI、body fat mass index z-scoreは、重度の栄養障害と関連していた。
SPhA、SGAグループで著明な違いは無かったが、z-IRが高いと、重度の栄養障害のオッズが上昇した。

【考察】
ILD患者において、栄養障害とFFMの減少は、ADLパフォーマンスに悪影響を及ぼす。

2024/06/09

ILDと栄養状態、QOL

Nutritional status and quality of life in interstitial lung disease: a prospective cohort study

BMC Pulm Med (IF: 3.32; Q2). 2021 Feb 5;21(1):51.


【背景】
栄養失調や体組成の異常は慢性呼吸器疾患にてよく議論される。
しかし、ILDの栄養状態についての情報は限られている。
目的は、3つの診断に分けたILDの栄養状態について調査し、栄養状態とQOLの関係について調査すること。

【方法】
オーストラリア、シドニーの三次紹介病院のILDクリニックで行われた研究。
体重、BMI、身体測定、握力、QOL(EQ-5D、K-BILD)を評価
栄養状態とQOLの関係について分析した

【結果】
90人の患者が対象
3グループに分類
1)IPF
2)膠原病関連ILD
3)その他ILD
年齢中央値66.5歳
患者の4%が低体重、50%が過体重、肥満
握力の中央値は予測の71%で、各QOL評価と関連あり
EQ-5D: (r = 0.376, p < 0.0001)
EQ-5D-VAS:(r = 0.367, p < 0.0001)
K-BILD:(r = 0.346, p = 0.001)
K-BILD合計スコアの分散の23%は、握力と%FVCによって説明された

【考察】
ILD患者の栄養失調は少ないが、過体重や肥満が多数を占めていた。握力はQOLと相関した。
今後、さらにQOLの予測として握力の役割についての検討が必要である。

2024/06/08

COPDにおける運動時の炎症反応

Inflammatory responses to acute exercise during pulmonary rehabilitation in patients with COPD

Eur J Appl Physiol (IF: 3.08; Q2). 2020 Oct;120(10):2301-2309.


【目的】
呼吸リハは、COPD管理の重要な治療である。急激な運動は、健常者において短期的に炎症を発生させる。
しかし、COPDにおける急激な運動の反応については明らかになっていない。
この研究では、呼吸リハ開始時(phase1)と終了時(phase2)におけるCOPD患者の運動における炎症反応を評価する事

【方法】
phase1とphase2において採血を行った。
プライマリーアウトカムはフィブリノーゲン濃度の変化
セカンダリーアウトカムはCRP、リンパ球数の総数と変化、好中球活性化マーカー(CD11b, CD62L CD66b)、好中球サブセット(成熟型、抑制型、未熟型、前駆型)

【結果】
phase1では、フィブリノーゲンやCRPの著明な変化は認めなかった
総リンパ球数、好中球数、未成熟好中球数は運動後に上昇
呼吸リハ開始時と比較すると(phase2)、呼吸リハ終了時は、フィブリノーゲンの著明な反応を認めた

【考察】
急激な運動は、炎症メディエーターの著明な集積を認めず、運動後、白血球サブセットの上昇を認めた。
運動時のフィブリノーゲンの上昇は、呼吸リハ後にも認めた。
今後、これらの急性炎症反応の臨床的な背景についての研究が求められる。

2024/05/31

急性冠症候群のリハ後の機能回復の因子

Determinants of Functional Improvement After Cardiac Rehabilitation in Acute Coronary Syndrome

High Blood Press Cardiovasc Prev (IF: 1.72; Q3). 2021 Nov;28(6):579-587.


【背景】
心リハ(CR)は急性冠症候群(ACS)後の二次予防に有効である
目的は、ACS後の心リハを行った患者で運動耐容能(6MWTで評価)と機能改善に影響する因子を見つける事。

【方法】
298人(mean age 61.6 ± 10.2)
イタリアの病院にて心リハプログラムに参加した患者。
全ての患者は、既往歴、臨床的、機器による心臓病学的なデータを収集。
6MWTは心リハ開始前(6MWT-1)と後(6MWT-2)に行い、距離の変化(Δmeters)を機能改善の指標として使用。

【結果】
多変量回帰モデルに、6MWT-1、6MWT-2、Δmeters、%Δmetersを投入
標準的な回帰係数では、年齢、BMI、心拍数が運動耐容能(6MWT-1、6MWT-2)の決定因子であった。
一方、年齢、性別、BMIは、機能改善(Δmeters)の決定因子であった。

【考察】
ACS後の心リハの機能改善は、主に心臓に関する変数以外が主に関連していた。
その代わり、変化するもの(BMI)と不変的なもの(年齢、性別)の両方の内因性に関連していた。


・心リハプログラムの内容
合計5週間、25セッション
日常的な有酸素運動を主なプログラムの活動にした。
持続して45分のバイク、安静15分後、45分の自重トレーニング
運動強度は、個別の能力と耐久性によって調整
精神科医による、生活習慣の変化や感情機能のコントロールについて介入

2024/05/30

心筋梗塞後のリハ 週5回を4週行い、身体機能著明に改善

Cardiac Rehabilitation and Physical Performance in Patients after Myocardial Infarction: Preliminary Research

J Clin Med. 2021 Jun; 10(11): 2253.


【背景】
心血管疾患、特に心筋梗塞は、近年健康に対する主な脅威である。
心臓リハビリテーション(CR)は、とくに身体活動を向上し、再発を予防する。
この研究の目的は、MI患者の心リハ前後での身体機能を評価すること。

【方法】
126人が対象
心リハ病棟に2回入院:MI後3ヶ月と最後のリハビリセッション終了後6カ月
心リハは、20日間実施(週5回を4週)
運動負荷試験はトレッドミルで行い、身体機能として6分間歩行試験を使用。
健康状態によって、適切なリハビリモデルに割り当てられた。

【結果】
運動負荷時間とMETs、最大酸素摂取量、6MWTスコアは対照群と比べ2倍改善していた。

【考察】
MI後のCRは身体機能を著明に改善させる。