Eur J Appl Physiol (IF: 3.08; Q2). 2020 Oct;120(10):2301-2309.
【目的】
呼吸リハは、COPD管理の重要な治療である。急激な運動は、健常者において短期的に炎症を発生させる。
しかし、COPDにおける急激な運動の反応については明らかになっていない。
この研究では、呼吸リハ開始時(phase1)と終了時(phase2)におけるCOPD患者の運動における炎症反応を評価する事
【方法】
phase1とphase2において採血を行った。
プライマリーアウトカムはフィブリノーゲン濃度の変化
セカンダリーアウトカムはCRP、リンパ球数の総数と変化、好中球活性化マーカー(CD11b, CD62L CD66b)、好中球サブセット(成熟型、抑制型、未熟型、前駆型)
【結果】
phase1では、フィブリノーゲンやCRPの著明な変化は認めなかった
総リンパ球数、好中球数、未成熟好中球数は運動後に上昇
呼吸リハ開始時と比較すると(phase2)、呼吸リハ終了時は、フィブリノーゲンの著明な反応を認めた
【考察】
急激な運動は、炎症メディエーターの著明な集積を認めず、運動後、白血球サブセットの上昇を認めた。
運動時のフィブリノーゲンの上昇は、呼吸リハ後にも認めた。
今後、これらの急性炎症反応の臨床的な背景についての研究が求められる。