2024/06/09

ILDと栄養状態、QOL

Nutritional status and quality of life in interstitial lung disease: a prospective cohort study

BMC Pulm Med (IF: 3.32; Q2). 2021 Feb 5;21(1):51.


【背景】
栄養失調や体組成の異常は慢性呼吸器疾患にてよく議論される。
しかし、ILDの栄養状態についての情報は限られている。
目的は、3つの診断に分けたILDの栄養状態について調査し、栄養状態とQOLの関係について調査すること。

【方法】
オーストラリア、シドニーの三次紹介病院のILDクリニックで行われた研究。
体重、BMI、身体測定、握力、QOL(EQ-5D、K-BILD)を評価
栄養状態とQOLの関係について分析した

【結果】
90人の患者が対象
3グループに分類
1)IPF
2)膠原病関連ILD
3)その他ILD
年齢中央値66.5歳
患者の4%が低体重、50%が過体重、肥満
握力の中央値は予測の71%で、各QOL評価と関連あり
EQ-5D: (r = 0.376, p < 0.0001)
EQ-5D-VAS:(r = 0.367, p < 0.0001)
K-BILD:(r = 0.346, p = 0.001)
K-BILD合計スコアの分散の23%は、握力と%FVCによって説明された

【考察】
ILD患者の栄養失調は少ないが、過体重や肥満が多数を占めていた。握力はQOLと相関した。
今後、さらにQOLの予測として握力の役割についての検討が必要である。