2024/06/08

COPDにおける運動時の炎症反応

Inflammatory responses to acute exercise during pulmonary rehabilitation in patients with COPD

Eur J Appl Physiol (IF: 3.08; Q2). 2020 Oct;120(10):2301-2309.


【目的】
呼吸リハは、COPD管理の重要な治療である。急激な運動は、健常者において短期的に炎症を発生させる。
しかし、COPDにおける急激な運動の反応については明らかになっていない。
この研究では、呼吸リハ開始時(phase1)と終了時(phase2)におけるCOPD患者の運動における炎症反応を評価する事

【方法】
phase1とphase2において採血を行った。
プライマリーアウトカムはフィブリノーゲン濃度の変化
セカンダリーアウトカムはCRP、リンパ球数の総数と変化、好中球活性化マーカー(CD11b, CD62L CD66b)、好中球サブセット(成熟型、抑制型、未熟型、前駆型)

【結果】
phase1では、フィブリノーゲンやCRPの著明な変化は認めなかった
総リンパ球数、好中球数、未成熟好中球数は運動後に上昇
呼吸リハ開始時と比較すると(phase2)、呼吸リハ終了時は、フィブリノーゲンの著明な反応を認めた

【考察】
急激な運動は、炎症メディエーターの著明な集積を認めず、運動後、白血球サブセットの上昇を認めた。
運動時のフィブリノーゲンの上昇は、呼吸リハ後にも認めた。
今後、これらの急性炎症反応の臨床的な背景についての研究が求められる。

2024/05/31

急性冠症候群のリハ後の機能回復の因子

Determinants of Functional Improvement After Cardiac Rehabilitation in Acute Coronary Syndrome

High Blood Press Cardiovasc Prev (IF: 1.72; Q3). 2021 Nov;28(6):579-587.


【背景】
心リハ(CR)は急性冠症候群(ACS)後の二次予防に有効である
目的は、ACS後の心リハを行った患者で運動耐容能(6MWTで評価)と機能改善に影響する因子を見つける事。

【方法】
298人(mean age 61.6 ± 10.2)
イタリアの病院にて心リハプログラムに参加した患者。
全ての患者は、既往歴、臨床的、機器による心臓病学的なデータを収集。
6MWTは心リハ開始前(6MWT-1)と後(6MWT-2)に行い、距離の変化(Δmeters)を機能改善の指標として使用。

【結果】
多変量回帰モデルに、6MWT-1、6MWT-2、Δmeters、%Δmetersを投入
標準的な回帰係数では、年齢、BMI、心拍数が運動耐容能(6MWT-1、6MWT-2)の決定因子であった。
一方、年齢、性別、BMIは、機能改善(Δmeters)の決定因子であった。

【考察】
ACS後の心リハの機能改善は、主に心臓に関する変数以外が主に関連していた。
その代わり、変化するもの(BMI)と不変的なもの(年齢、性別)の両方の内因性に関連していた。


・心リハプログラムの内容
合計5週間、25セッション
日常的な有酸素運動を主なプログラムの活動にした。
持続して45分のバイク、安静15分後、45分の自重トレーニング
運動強度は、個別の能力と耐久性によって調整
精神科医による、生活習慣の変化や感情機能のコントロールについて介入

2024/05/30

心筋梗塞後のリハ 週5回を4週行い、身体機能著明に改善

Cardiac Rehabilitation and Physical Performance in Patients after Myocardial Infarction: Preliminary Research

J Clin Med. 2021 Jun; 10(11): 2253.


【背景】
心血管疾患、特に心筋梗塞は、近年健康に対する主な脅威である。
心臓リハビリテーション(CR)は、とくに身体活動を向上し、再発を予防する。
この研究の目的は、MI患者の心リハ前後での身体機能を評価すること。

【方法】
126人が対象
心リハ病棟に2回入院:MI後3ヶ月と最後のリハビリセッション終了後6カ月
心リハは、20日間実施(週5回を4週)
運動負荷試験はトレッドミルで行い、身体機能として6分間歩行試験を使用。
健康状態によって、適切なリハビリモデルに割り当てられた。

【結果】
運動負荷時間とMETs、最大酸素摂取量、6MWTスコアは対照群と比べ2倍改善していた。

【考察】
MI後のCRは身体機能を著明に改善させる。


2024/04/12

COPDにおける呼吸リハ Cochrane 2015

Pulmonary rehabilitation for chronic obstructive pulmonary disease

Cochrane Database Syst Rev (IF: 9.27; Q1). 2015 Feb 23;2015(2):CD003793.


【背景】
COPDにおいて呼吸リハビリは幅広く取り入れられており、プログラムによる実証可能な能的改善(健康関連QOL、機能的、運動耐容能改善)が証明されるべきである。
このレビューは2006年の報告のアップデートである。

【方法】
COPD患者において、健康関連QOLや運動耐容能に対する呼吸リハと通常ケアの効果を比較した。
2014年3月現在の検索結果が対象。
対象文献は、健康関連QOLや運動耐容能を評価しているCOPD患者の呼吸リハのRCT。
呼吸リハビリの定義は、"最低4週間の運動療法。教育や心理サポートの有無は問わない"
通常ケアは、追加教育ではなく、口頭でのアドバイスのみ。
薬物療法は、全参加者に対し、最善と考えられる内容に変更。
データは、ランダム効果モデルを使用した平均変化(MDs)を算出した。

【結果】
合計65件のRCTs、3822人の患者が対象。
患者背景は、介入群、通常ケア群に有意差なし
呼吸リハを行った場所は、病院は41件(入院、外来)、地域は23件(コミュニティセンター、自宅)
多くのプログラムが12週もしくは8週間実施され、全体では4週から52週間行われていた。
健康関連QOL(CRQ、SGRQ)が有意に改善。
運動耐容能(最大運動負荷)は、呼吸リハ実施にて有意に改善。
効果量のMCID(4watt)を達成していた。
6MWDは、臨床的に有効な値を超える治療効果が得られていた。

サブグループ解析にて、病院での介入と地域での介入を比較すると、どちらもCRQのすべてのドメインで改善を認めており、病院での介入の方が、平均すると良好な値が得られていた。
SGRQは、この違いは見られていなかった。
リハビリプログラムに関して、運動療法のみとその他の介入を組み合わせた内容では、明らかな改善効果は示されなかった。
しかし、どちらのグループ解析も混乱する可能性があるため、慎重に解釈する必要がある。

【考察】
呼吸リハビリは、息切れや疲労の改善、感情機能、疾患制御感覚の向上、などが得られる。
これらの改善は、中等度以上の改善である。
リハビリは、COPD管理において重要な要素であり、健康関連QOLや運動耐容能を改善させるてめに必要である。
我々の意見は、COPDに対する呼吸リハビリと従来の治療を比較するRCTは不要である。
今後の研究では、呼吸リハの個別の構成要素について、期間や場所、監視の頻度、運動強度、どのくらいの治療期間が効果を得るのに必要かについて注視していくべきである。
今回、病院と自宅では、CRQの改善効果に違いが見られているが、運動のみや複合的な呼吸リハプログラムには違いはなかった。

2024/03/19

高齢肺がん患者の歩行能力と入院日数、医療コスト、機能障害なしの期間の関係

Clinical impact of walking capacity on the risk of disability and hospitalizations among elderly patients with advanced lung cancer

Support Care Cancer (IF: 3.6; Q3). 2021 Jul;29(7):3961-3970.


【目的】
高齢がん患者の臨床アウトカムとして、歩行能力の減少の影響についてあまり知られていない。
この前向き観察研究の目的は、進行した高齢がん患者の入院と歩行能力の機能障害リスクの影響について検討する事。

【方法】
70歳以上の非小細胞肺がん(NSCLC)60例、ファーストライン化学療法もしくは放射線治療を行った患者が対象
最初の治療前の漸増シャトルウォーキングテストの距離(ISWD)で活動グループと非活動グループに分類。
Barthel Index、機能障害なく生存した期間、平均累積入院日数、入院医療コストを含めて評価した。

【結果】
平均ISWDは290m
活動グループ(ISWD290m以上)は、機能障害無く生存期間が長かった(24.6カ月vs8.4カ月)
研究開始初年の間に、活動グループの入院日数は短かった(41.3日vs72.9日)
また、入院医療コストも活動グループの方が安かった(一人あたり、190万vs290万)

【考察】
高齢NSCLC患者で十分な歩行能力を有していると、歩行能力が低下している患者と比べて、機能障害リスクが低く、入院日数が短く、医療コストが安かった。
さらなる前向き研究で、これらの妥当性を検討していく必要がある。