Support Care Cancer (IF: 3.6; Q3). 2021 Jul;29(7):3961-3970.
【目的】
高齢がん患者の臨床アウトカムとして、歩行能力の減少の影響についてあまり知られていない。
この前向き観察研究の目的は、進行した高齢がん患者の入院と歩行能力の機能障害リスクの影響について検討する事。
【方法】
70歳以上の非小細胞肺がん(NSCLC)60例、ファーストライン化学療法もしくは放射線治療を行った患者が対象
最初の治療前の漸増シャトルウォーキングテストの距離(ISWD)で活動グループと非活動グループに分類。
Barthel Index、機能障害なく生存した期間、平均累積入院日数、入院医療コストを含めて評価した。
【結果】
平均ISWDは290m
活動グループ(ISWD290m以上)は、機能障害無く生存期間が長かった(24.6カ月vs8.4カ月)
研究開始初年の間に、活動グループの入院日数は短かった(41.3日vs72.9日)
また、入院医療コストも活動グループの方が安かった(一人あたり、190万vs290万)
【考察】
高齢NSCLC患者で十分な歩行能力を有していると、歩行能力が低下している患者と比べて、機能障害リスクが低く、入院日数が短く、医療コストが安かった。
さらなる前向き研究で、これらの妥当性を検討していく必要がある。