2023/09/14

COPDの身体的フレイルと呼吸リハ -前向きコホート研究-

Physical frailty and pulmonary rehabilitation in COPD: a prospective cohort study

Thorax (IF: 9.14; Q1). 2016 Nov;71(11):988-995.


【背景】
フレイルは、高齢者のアウトカム悪化と関連している重要な症候群である。
慢性呼吸器疾患のフレイルの罹患率と管理については明らかになっていない。

【目的】
安定期COPD患者におけるフレイルの罹患率を明らかにする
フレイルが、呼吸リハの完遂やアウトカムへ影響するかを明らかにする

【方法】
816人のCOPD患者(平均年齢70歳、%FEV1.0 48.9%)
フレイルは、呼吸リハ前後でFriedの基準を使用して評価。
プログラムを完了できない予測因子を多変量ロジスティック回帰、アウトカムを年齢と性別を補正した変数で解析。

【結果】
816人中209人(25.6%)がフレイルに該当。
フレイルの罹患率は、年齢、GOLDのstage、MRCスコアが高いほど罹患率は高く、年齢で補正した併存症の割合が多かった
フレイルの患者は、プログラムを完了できないオッズが約2倍(OR2.20、95% CI 1.39 to 3.46, p=0.001)、増悪や入院によって継続できないことが多かった。
しかし、アウトカムは、フレイルでリハを完了できた方が良好であった。特に、MRCスコア、運動能力、身体活動レベル、健康状態(QOL)
リハビリ後、115人中71人(61.3%)のフレイルと診断されていた患者は、その後フレイルの基準を満たさなかった。

【考察】
フレイルは、呼吸リハを行うCOPD患者のうち、1/4が罹患しており、リハビリプログラムを完了できない独立した予測因子である。
しかし、フレイルの患者の方が、リハビリの反応が良く、短期間で改善可能であった。



2023/09/10

COPDと疲労感

Fatigue is highly prevalent in patients with COPD and correlates poorly with the degree of airflow limitation

Ther Adv Respir Dis (IF: 4.03; Q2). 2019 Jan-Dec;13:1753466619878128.


【背景】
目的は、COPDの有無で疲労感を比較し、疲労感と背景、臨床的特徴、疾患重症度との関連を比較する事。

【方法】
1290人のCOPD患者(65歳、61%男性、%FEV1.0 56%)と199人のCOPDでは無い症例
疲労感は個別の疲労感の強さについてのチェックリストで評価

【結果】
COPD患者は、疲労度の強さが高く、重度の疲労感の割合が多かった
疲労感は著明であったが、気流制限の程度との関連は弱かった。
重回帰にて、疲労の分散の30%が予測変数にて説明できることが示された。

【考察】
重度の疲労感は、COPD患者の半数で蔓延しており、気流制限の程度とは関連が乏しかった。
今後、COPD患者の疲労感を増進または永続させる要因として、身体、精神的、行動学的、全身的な原因をよく理解していく必要がある。

考察:なぜCOPDで疲労感が強い患者がいるのか
今回の研究では、明らかな要因の同定までは行えなかった。
前項研究からも、気流制限(1秒量の低下)と疲労感は相関しないかもしれない。
息切れ症状と薬剤の数とは中等度の相関あり。

まだ不明な点が多いが、疲労度が強い患者群が一定数いる模様。

2023/08/25

COPD急性増悪後のリハの効果(respir med2009)

Effects of early inpatient rehabilitation after acute exacerbation of COPD

Respir Med (IF: 3.42; Q2). 2009 Oct;103(10):1526-31.


【背景】
後方視コホート研究
COPD急性増悪から回復した患者の早期リハビリテーションの実用性と臨床的な効果について検証した。

1826人の入院患者(男性73%、年齢70歳、%FEV1.0 50%)
15セッションの呼吸リハを完了した患者を、増悪前のMRCスコア(2-5)で分類
リハ前後の6MWDの変化、終了時の息切れ(Borg)、QOL(SGRQ)を評価。

6MWDの変化はMRC毎に
MRC2ー52m
MRC3ー65m
MRC4ー63m
MRC5ー70m

MCIDの54mを達成した患者の割合は、
MRC2ー40%
MRC3ー55%
MRC4ー57%
MRC5ー61%

リハ後の6MWD≧350mを達成していた患者はの割合は、MRC4、5で高かった(18%、22%)

AECOPD後の早期呼吸リハは、息切れ重症度と独立して、運動耐容能の意味のある改善と関連していた。

介入後、歩行距離が350mを超えていた患者の割合は、息切れが重症な患者で多かった。

2023/08/18

進行した肺がん患者の身体活動とQOLの関係

Assessing the Correlation Between Physical Activity and Quality of Life in Advanced Lung Cancer

Integr Cancer Ther (IF: 3.28; Q3). 2018 Mar;17(1):73-79.


【背景】
身体活動(PA)を向上させることは、肺がん患者(LC)において、安全で有効である。
進行したステージのLC患者においては、研究が不足しており、症状やQOLが悪化している。
進行したLCに対して、歩数モニタリングの可能性とPAとQOLの潜在的な相関関係について評価した。

【方法】
前向き観察研究。進行したステージのLC患者39例。
1週間以上歩数を計測(Fitbit Zipを使用)し、QOL、息切れ、抑うつスコアを評価。
スペアマンのランクテストを使用して相関を評価。
相関係数は、(ρ) >0.3もしくは<-.03(それぞれ高い、低いと相関あり)を有意な相関とした。

【結果】
83%の患者が参加に興味を示し、このうち67%がデバイスのアドヒアランスが得られ参加した。
デバイスを使用した症例(n=30)では、平均歩数は、4877歩/日。より高い平均歩数は、高いQOLと相関(ρ = 0.46)、身体的(ρ = 0.61)、役割(ρ = 0.48)、感情機能(ρ = 0.40)。
より低い抑うつ(ρ = -0.40),、息切れ (ρ = -0.54),、疼痛(ρ = -0.37) とも相関。

【考察】
携帯型のPAモニタリングは、進行したLC患者での使用可能であった。
このPA研究に参加した患者は、興味深いことに、その他PA研究のアドヒアランスと比べて高かった。
これらのデバイスを活用することは、より高い歩数がより高いQOLや息切れ、疼痛、抑うつ症状の緩和と相関している。
進行したLC患者におけるウェアラブルデバイスを使用したPAモニタリングの研究が今後必要である。

2023/07/31

SPPB 呼吸リハでの反応性(COPD) 5STS2.19-6.33s、summary score 1point.

Short Physical Performance Battery: Response to Pulmonary Rehabilitation and Minimal Important Difference Estimates in Patients With Chronic Obstructive Pulmonary Disease

Arch Phys Med Rehabil (IF: 3.97; Q2). 2021 Dec;102(12):2377-2384.e5.


【目的】
COPD患者において、SPPBの呼吸リハプログラムの反応性を検討し、MIDs(minimal important differences)を推定する事。

【方法】
後方視研究。distribution、anchorベース法を使用。
オランダの呼吸リハセンターで、入院8週間or外来14週間、包括的な40セッションを実施
ベースラインとPR後にSPPBを測定。アンカーに6MWT、CATを使用。
SPPBスコアによって、患者を低パフォーマンス、中パフォーマンス、高パフォーマンスに分類。

【結果】
632例のCOPDが参加(年齢65歳、男性50%、%FEV1.0 43%)
5STS(∆=-1.14 [-4.20 to -0.93]s)とSPPB合計スコア(∆=1 [0-2] points)はPR後に改善。
ベースラインで低パフォーマンスであった患者は、タンデム立位、4mGSも同様に改善。
distribution-basedで算出したMIDは、5STSで2.19-6.33秒、SPPB合計スコアは0.83-0.96点。

【考察】
5STSとSPPB合計スコアはPR後の反応性を示した。
タンデム立位と4mGSは、ベースラインで低パフォーマンスだったCOPDでのみ反応性を示した。
distribution basedで算出したMIDはSPPB合計スコアで1点がCOPDで推奨された。
今後、異なる施設でのSPPBのMIDを推定し確実なものにしていく必要がある。