Thorax (IF: 9.14; Q1). 2016 Nov;71(11):988-995.
【背景】
フレイルは、高齢者のアウトカム悪化と関連している重要な症候群である。
慢性呼吸器疾患のフレイルの罹患率と管理については明らかになっていない。
【目的】
安定期COPD患者におけるフレイルの罹患率を明らかにする
フレイルが、呼吸リハの完遂やアウトカムへ影響するかを明らかにする
【方法】
816人のCOPD患者(平均年齢70歳、%FEV1.0 48.9%)
フレイルは、呼吸リハ前後でFriedの基準を使用して評価。
プログラムを完了できない予測因子を多変量ロジスティック回帰、アウトカムを年齢と性別を補正した変数で解析。
【結果】
816人中209人(25.6%)がフレイルに該当。
フレイルの罹患率は、年齢、GOLDのstage、MRCスコアが高いほど罹患率は高く、年齢で補正した併存症の割合が多かった
フレイルの患者は、プログラムを完了できないオッズが約2倍(OR2.20、95% CI 1.39 to 3.46, p=0.001)、増悪や入院によって継続できないことが多かった。
しかし、アウトカムは、フレイルでリハを完了できた方が良好であった。特に、MRCスコア、運動能力、身体活動レベル、健康状態(QOL)
リハビリ後、115人中71人(61.3%)のフレイルと診断されていた患者は、その後フレイルの基準を満たさなかった。
【考察】
フレイルは、呼吸リハを行うCOPD患者のうち、1/4が罹患しており、リハビリプログラムを完了できない独立した予測因子である。
しかし、フレイルの患者の方が、リハビリの反応が良く、短期間で改善可能であった。