Integr Cancer Ther (IF: 3.28; Q3). 2018 Mar;17(1):73-79.
【背景】
身体活動(PA)を向上させることは、肺がん患者(LC)において、安全で有効である。
進行したステージのLC患者においては、研究が不足しており、症状やQOLが悪化している。
進行したLCに対して、歩数モニタリングの可能性とPAとQOLの潜在的な相関関係について評価した。
【方法】
前向き観察研究。進行したステージのLC患者39例。
1週間以上歩数を計測(Fitbit Zipを使用)し、QOL、息切れ、抑うつスコアを評価。
スペアマンのランクテストを使用して相関を評価。
相関係数は、(ρ) >0.3もしくは<-.03(それぞれ高い、低いと相関あり)を有意な相関とした。
【結果】
83%の患者が参加に興味を示し、このうち67%がデバイスのアドヒアランスが得られ参加した。
デバイスを使用した症例(n=30)では、平均歩数は、4877歩/日。より高い平均歩数は、高いQOLと相関(ρ = 0.46)、身体的(ρ = 0.61)、役割(ρ = 0.48)、感情機能(ρ = 0.40)。
より低い抑うつ(ρ = -0.40),、息切れ (ρ = -0.54),、疼痛(ρ = -0.37) とも相関。
【考察】
携帯型のPAモニタリングは、進行したLC患者での使用可能であった。
このPA研究に参加した患者は、興味深いことに、その他PA研究のアドヒアランスと比べて高かった。
これらのデバイスを活用することは、より高い歩数がより高いQOLや息切れ、疼痛、抑うつ症状の緩和と相関している。
進行したLC患者におけるウェアラブルデバイスを使用したPAモニタリングの研究が今後必要である。