2017/04/02
IPFの身体活動性
2017/03/31
CAT、CCQ、HADSのMCIDの推定
Responsiveness and MCID Estimates for CAT, CCQ, and HADS in Patients With COPD Undergoing Pulmonary Rehabilitation: A Prospective Analysis.
J Am Med Dir Assoc. 2017 Jan;18(1):53-58.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27624705
背景
呼吸リハは、COPD患者の健康状態と気持ちを向上させる。目的は、COPD患者の呼吸リハでのSGRQ、CAT、CCQ、HADSの反応性を検討し、CAT、CCQ、HADSの臨床的最小有効改善値(MCID)を推定すること。
方法
MCIDはSGRQをアンカーにする方法と、分布法にて推定。新たなMCIDをこれまでに言われているものと比較した。
新たに推定したMCIDは呼吸リハを行った患者で計算した。
対象
419人のCOPD患者(男性55.4%)。
健康状態の評価(SGRQ、CAT、CCQ)は呼吸リハ前後に測定。精神状態はHADSで評価。
結果
419人のCOPD患者がリハを完了。SGRQ、CAT、CCQ、HADSの不安、抑うつが著明に改善。
新たに推定されたMCIDの範囲は、CAT;-3.8から-1.0、CCQ;-0.8から-0.2、HADSの不安;-2.0から-1.1、HADSの抑うつ;-1.8から-1.4
結語
SGRQ、CAT、CCQ、HADSは呼吸リハで反応性が得られた。推定したMCIDの範囲は、CATが-3から-2点、CCQが-0.5から-0.3点、HADSの不安が-1.8から-1.3点、HADSの抑うつが-1.7から-1.5点
・オランダのCOPDコホートを対象
・リハ内容は、教育セッション、心理社会的カウンセリング、監視下運動療法、栄養カウンセリング、作業療法、増悪の管理
・週5回を8週間、合計40セッション実施。リハ前後で評価を実施。
・SGRQ合計点数の変化量と各評価の変化量を比較:最も相関係数が高いのはCCQ、次いでCAT、HADS。
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これからすると、HADSが1点改善すれば、臨床的に効果があったとしていいそうな。
2017/03/29
4m歩行速度と6MWD、身体活動性、自己効力感の関係について
Correlations Between Gait Speed, 6-Minute Walk Distance, Physical Activity, and Self-Efficacy in Patients With Severe Chronic Lung Disease
Respir Care 2013;58(12):2113–2119
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23696689
背景
4m歩行速度は高齢患者の機能的耐久性と全体の死亡率と関連しており、日々の練習に変換しやすいかもしれない。今回、4m歩行速度と関連しているアウトカムを評価した。
方法
70人の患者に4m歩行速度、6MWT、身体活動性、息切れ、QOL、歩行と日常の身体活動に関する自己効力感を測定。4m歩行速度は、6MWT中の異なる3区間の時間で測定し、妥当性を評価。
結果
対象のうち、COPD患者は51.4%、間質性肺炎は38.6%、その他呼吸器疾患は10%。各評価の平均: 4m歩行速度;0.85±0.21 m/s、6MWD;305±115m、身体活動レベル; 1.28±0.17で、重度の身体不活動であった。歩行速度は、測定した3区間に有意差は無かった。4m歩行速度は6MWTと著しく相関 (r=0.70, P < .001)。6MWDは4m歩行速度を予測した。4m歩行速度から予測できる指標は、息切れ、自己効力感、QOL、身体活動性であった。
結語
4m歩行速度は、著明にそして独立して、6MWDと関連しており、慢性呼吸器疾患患者の6MWDの代わりとなり得る妥当で簡単なものかもしれない。歩行速度は、6MWT全体を通して著明に安定しており、4m歩行速度のような省略した歩行テストの妥当性を示した。
・歩行の自己効力感の評価:6MWT中の歩行の自己効力感をリッカードスケールで評価。1-7の項目を、それぞれ1-5点で回答。項目はそれぞれ、具体的な距離で質問(フットボールのフィールドや市街地の1ブロックなど)
・身体活動性の自己効力感:最小の身体活動性についてリッカードスケールで評価。5項目の質問に1-5点で回答。
質問内容は、"どの程度自信をもって毎日の身体活動をしていますか"、"外に行きたくない時でも活動的にしているか" "疲れていたり疲労感を感じている時でも活動的にしているか" "軽度の痛みや軽度の呼吸器症状があるときでも活動的にしているか" "抑うつ的であったり、心配事があったり、ストレスがある時でも、活動的にしているか"
→サイトに実際の評価表あり。
・4m歩行テストの評価方法:4mのコースで行い、通常の歩行速度で歩行。"3,2,1、GO"の合図で計測をはじめ、対象者の片足が完全にゴールラインを超えるまでの時間を計測。
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4m歩行速度は以前から6MWTの代わりになり得ると言われていて、確かに相関係数も高いので、6MWTをできない患者や重症患者にとっては、敷居の低い評価なので、参考にできると思う。
運動時の心肺機能に関しては、比べられないとは思うけど。
2017/03/27
誤嚥性肺炎の既往がある高齢者に発声練習をした
Independent exercise for glottal incompetence to improve vocal problems and prevent aspiration pneumonia in the elderly: A randomized controlled trial
Clin Rehabil. 2016 Oct 14
目的
声門閉鎖不全の高齢者に発声練習を行った効果を検討すること
方法
60歳以上、誤嚥もしくは嗄声がある、内視鏡で声帯萎縮による声門閉鎖が不十分であるとされた者が対象。
無作為に介入グループとコントロールグループに分けた。
介入グループはDVDで発生の方法について説明を受けた。
最大表音時間を声門閉鎖の指標として評価。6か月間の肺炎の発症患者数を2グループ間で比較した。
結果
543人の患者が対象、259人は介入グループ、284人はコントロールグループ。
介入グループの60人、コントロールグループの75人はトライアルを完了できなかった。
介入グループは199人(平均73.9歳)、コントロールグループは209人(平均73.3歳)が6か月間のトライアルを完了。
介入グループは最大表音時間が著しく延長。
介入グループのうち2人は肺炎で入院、コントロールグループは18人が入院し、有意差があった。
結語
発声練習は、声帯の内転運動を引き起こし、声門閉鎖不全を改善した。肺炎による入院数を減少させた。
・国立病院機構グループの10施設で行われた研究。
・選択基準は60歳以上、嗄声がある、声門閉鎖不全による誤嚥、声帯萎縮
・除外基準は、外科手術、発生ができない、ポリープや腫瘍、急性感染症など
・発声練習の方法
1.椅子に座り、両手でシートの横をつかむ
2.1-10まで大きな声で数える。声を出している間シートをしっかりと引上げ、息を吸うときはリラックスする。
3.朝晩に2セットずつ、1日合計4セット行う。1セットあたり30秒で行う。
・ポイント
発声と椅子を引き上げる動作を同調させること。
発声中は同じ力で引き揚げ続けること。
それぞれの数時はおよそ0.3-0.5秒で発声し、次の数を言うまではリラックスする。
このような短時間の発声で、候咽頭窩の収縮と上肩甲骨の安定が得られる。
・発声時間の評価
「あー」と息継ぎなしにどれだけ長く発声できるかで、5グループに分けた。A5秒以下、B5-10秒、C10-15秒、D15-20秒、E20秒以上
・各グループ6カ月のトライアル後発声時間が有意に延長している。
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日本人の高齢者を対象にした報告。
よく話をすることがある人は、もしからしたら、誤嚥しにくいのかも。
2017/03/25
ARDS後5年間の身体機能障害
Functional Disability 5 Years after Acute Respiratory Distress Syndrome
N Engl J Med 2011;364:1293-304.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21470008
背景
急性呼吸促迫症候群(ARDS)から生存した患者の5年間の問診と評価のデータから、いくつかの詳細な結果を得た。
方法
109人のARDSの生存者をICU退院から3,6,12か月後と2,3,4,5年後に評価した。それぞれの評価で、問診と評価を行った。
評価項目:肺機能検査、6MWT、安静時と運動時の酸素化、胸部画像、QOL、健康サービスの利用状況
結果
5年後、6MWDの中央値は436m、SF-36のPCS(身体的満足度)は41点。
より若い患者は、高齢患者よりも回復が大きかったが、5年間で身体機能の予測レベルの通常(normal)までに回復したグループは無かった。
肺機能は通常か、通常に近かった。
患者は5年間の医療コストの増加と共存していた。
結語
運動制限、身体的・精神的後遺症、QOLの低下、コストや健康サービス利用の増加が、重症肺疾患の重要な遺産である。
・ARDS発症時の年齢中央値は44歳、83%は全くないもしくは1つの併存症があり、83%はフルタイムで仕事をしている。
・肺炎と敗血症がARDSの共通したリスクファクターであった。
・経過
・ICU退室後5年で、中央値6MWDは436mで、年齢・性別による予測距離の76%であり、運動能力は継続して低下していた。
・SF-36のPCSは6MWDと相関していた。
・ICU退室後5年で21人が死亡。5年後生存していた患者の83%は復職。復職した患者の大多数は、退院後2年で復職している。
・医療コストは3-5年で5000ー6000ドル。3年まで上昇し、4,5年目は維持。併存症が2つ以上になると医療コストが増加。
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ICU在室日数が平均40日ということで、ICU-AWの影響もあるのかも。早期離床や早期介入ができれば、身体機能の低下を最低限に防げるか。
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