2017/03/25

ARDS後5年間の身体機能障害

Functional Disability 5 Years after Acute Respiratory  Distress Syndrome

 

N Engl J Med 2011;364:1293-304.

 

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21470008

 

 

背景

急性呼吸促迫症候群(ARDS)から生存した患者の5年間の問診と評価のデータから、いくつかの詳細な結果を得た。

 

方法

109人のARDSの生存者をICU退院から3,6,12か月後と2,3,4,5年後に評価したそれぞれの評価で、問診と評価を行った。

評価項目:肺機能検査6MWT、安静時運動時の酸素化胸部画像QOL健康サービスの利用状況

 

結果

5年後6MWDの中央値は436mSF-36のPCS(身体的満足度)は41点

より若い患者は、高齢患者よりも回復が大きかったが、5年間で身体機能の予測レベルの通常(normal)までに回復したグループは無かった。

肺機能は通常か、通常に近かった。

患者は5年間の医療コストの増加と共存していた。

 

結語

運動制限、身体的・精神的後遺症、QOLの低下コストや健康サービス利用の増加が、重症肺疾患の重要な遺産である。

 

ARDS発症時の年齢中央値は44歳83%は全くないもしくは1つの併存症があり83%はフルタイムで仕事をしている。

・肺炎と敗血症がARDSの共通したリスクファクターであった。

・経過

ICU退室後5年で、中央値6MWDは436mで、年齢性別による予測距離の76%であり、運動能力は継続して低下していた。

SF-36のPCSは6MWDと相関していた

ICU退室後5年で21人が死亡5年後生存していた患者の83%は復職復職した患者の大多数は退院後2年で復職している。

・医療コストは3-5年で50006000ドル3年まで上昇し、4,5年目は維持。併存症が2つ以上になると医療コストが増加

 

 

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ICU在室日数が平均40日ということで、ICU-AWの影響もあるのかも。早期離床や早期介入ができれば、身体機能の低下を最低限に防げるか。