Functional Disability 5 Years after Acute Respiratory Distress Syndrome
N Engl J Med 2011;364:1293-304.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21470008
背景
急性呼吸促迫症候群(ARDS)から生存した患者の5年間の問診と評価のデータから、いくつかの詳細な結果を得た。
方法
109人のARDSの生存者をICU退院から3,6,12か月後と2,3,4,5年後に評価した。それぞれの評価で、問診と評価を行った。
評価項目:肺機能検査、6MWT、安静時と運動時の酸素化、胸部画像、QOL、健康サービスの利用状況
結果
5年後、6MWDの中央値は436m、SF-36のPCS(身体的満足度)は41点。
より若い患者は、高齢患者よりも回復が大きかったが、5年間で身体機能の予測レベルの通常(normal)までに回復したグループは無かった。
肺機能は通常か、通常に近かった。
患者は5年間の医療コストの増加と共存していた。
結語
運動制限、身体的・精神的後遺症、QOLの低下、コストや健康サービス利用の増加が、重症肺疾患の重要な遺産である。
・ARDS発症時の年齢中央値は44歳、83%は全くないもしくは1つの併存症があり、83%はフルタイムで仕事をしている。
・肺炎と敗血症がARDSの共通したリスクファクターであった。
・経過
・ICU退室後5年で、中央値6MWDは436mで、年齢・性別による予測距離の76%であり、運動能力は継続して低下していた。
・SF-36のPCSは6MWDと相関していた。
・ICU退室後5年で21人が死亡。5年後生存していた患者の83%は復職。復職した患者の大多数は、退院後2年で復職している。
・医療コストは3-5年で5000ー6000ドル。3年まで上昇し、4,5年目は維持。併存症が2つ以上になると医療コストが増加。
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ICU在室日数が平均40日ということで、ICU-AWの影響もあるのかも。早期離床や早期介入ができれば、身体機能の低下を最低限に防げるか。