2017/03/27

誤嚥性肺炎の既往がある高齢者に発声練習をした

Independent exercise for glottal incompetence to improve vocal problems and prevent aspiration pneumonia in the elderly:  A randomized controlled trial

 

2016 Oct 14

 

http://journals.sagepub.com/doi/abs/10.1177/0269215516673208?url_ver=Z39.88-2003&rfr_id=ori:rid:crossref.org&rfr_dat=cr_pub%3dpubmed

 

目的

声門閉鎖不全の高齢者に発声練習を行った効果を検討すること

 

方法

60歳以上誤嚥もしくは嗄声がある、内視鏡で声帯萎縮による声門閉鎖が不十分であるとされた者が対象

無作為に介入グループとコントロールグループに分けた。

介入グループはDVDで発生の方法について説明を受けた。

最大表音時間を声門閉鎖の指標として評価。6か月間の肺炎の発症患者数を2グループ間で比較した。

 

結果

543人の患者が対象259人は介入グループ284人はコントロールグループ

介入グループの60、コントロールグループの75人はトライアルを完了できなかった

介入グループは199人(平均73.9歳)、コントロールグループは209人(平均73.3歳)が6か月間のトライアルを完了

介入グループは最大表音時間が著しく延長。

介入グループのうち2人は肺炎で入院コントロールグループは18人が入院し、有意差がった。

 

結語

発声練習は、声帯の内転運動を引き起こし、声門閉鎖不全を改善した。肺炎による入院数を減少させた。

 

・国立病院機構グループの10施設で行われた研究。

・選択基準は60歳以上、嗄声がある、声門閉鎖不全による誤嚥、声帯萎縮

・除外基準は、外科手術、発生ができない、ポリープや腫瘍、急性感染症など

 

・発声練習の方法

1.椅子に座り、両手でシートの横をつかむ

2.1-10まで大きな声で数える声を出しているシートをしっかりと引上げ、息を吸うときはリラックスする

3.朝晩に2セットずつ1日合計4セット行う。1セットあたり30秒で行う。

・ポイント

発声と椅子を引き上げる動作を同調させること。

発声中は同じ力で引き揚げ続けること。

それぞれの数時はおよそ0.3-0.5秒で発声し、次の数を言うまではリラックスする。

このような短時間の発声で、候咽頭窩の収縮と上肩甲骨の安定が得られる。

 

・発声時間の評価

「あー」と息継ぎなしにどれだけ長く発声できるかで、5グループに分けたA5秒以下、B5-10秒C10-15秒D15-20秒E20秒以上

 

・各グループ6カ月のトライアル後発声時間が有意に延長している。

 

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日本人の高齢者を対象にした報告。

よく話をすることがある人は、もしからしたら、誤嚥しにくいのかも。