Respir Care 2015;60(1):88 –95.
http://rc.rcjournal.com/content/60/1/88
<背景>
呼吸リハの効果を the EuroQol Group’s 5-dimension questionnaire (EQ-5D)で評価したものは少ない。加えて、EQ-5DのVASで評価した場合(EQ-VAS)と矛盾した結果が報告されている。
目的は、呼吸リハでのEQ-VASの反応性を評価することと、臨床パラメーターと機能的パラメーターの関係を検討し、呼吸リハ後のEQ-VASのMCIDを算出すること。
<方法>
安定期の中等症から重症のCOPD患者で3週間の呼吸リハを行った468人の患者を対象に後方視的に抽出。
EQ-VASを呼吸リハの前後で評価。また、ベースラインと呼吸リハ前後の肺機能と6MWDの変化、BDI/TDIを評価。
アンカーベースとROC曲線を使用。呼吸リハ後のTDIのMCIDを達成した患者のEQ-VASの変化のカットオフを算出した。
<結果>
439人の患者が呼吸リハ前後のEQ-VASを評価できた。呼吸リハ後、EQ-VASは58±17から72±15に上昇。
EQ-VASの変化(⊿EQ-VAS)はベースラインの1秒量と負の相関を示し、TDIと6MWDと正の相関を示した。
TDIのMCIDを達成するEQ-VASのカットオフは8であった(AUC:0.845)。
<考察>
入院中の中等症から重症COPD患者において、EQ-VASは呼吸リハの効果を反映する妥当性のあるツールである。推定MCIDは8ポイント。
EQ-VASは、より評価に時間のかかるQOL評価に置き換わることができる実用的な評価である。
・EQ-5Dとは
5つの質問項目(移動、セルフケア、日常生活、疼痛/不快感、不安/抑うつ)と20㎝のVASからなる健康関連QOL評価
安定期COPDや増悪時のCOPD患者のQOLを評価できるツール
・EQ-VASとは
EQ-5DのVASの点数。0点(健康状態が悪い)から100点(健康状態が最高に良い)で評価。
EQ-5D |
EQ-5D |