Respir Res (IF: 3.92; Q1). 2020 Apr 15;21(1):84.
【背景】
COPDは気道感染と低身体活動が特徴である。呼吸リハ(PR)プログラムは、安定期の患者によく行われるが、急性増悪(AE)で入院した患者に特異的なトレーニングプログラムは少ない。
AECOPD患者は、トレーニング中に呼吸困難感の増強と全身炎症の上昇を感じる。ハイフローネーザルカニューラ(HFNC)は分時換気量、呼吸数、呼吸仕事量を減少させる。
しかし、運動中のHFNCが有効化は明らかでない。
この研究では、重症AECOPDで入院した患者の早期PRプログラムにおいて、運動中のHFNCの効果を調べた。
【方法】
急性増悪で入院したCOPD患者を対象。ランダムにHFNC中のPRとHFNC無しのPRに分けた。
評価項目は、肺機能、6MWT、血液の感染マーカー、動脈血ガス。
ベースラインと4週後、12週後に評価。
データ解析はSPSSを使用。
【結果】
12週のPRを完了した44人のAECOPD患者をリクルート。
HFNCとPRを行った患者は、運動耐容能(6MWD)が向上し、息切れ(mMRC)が減少、炎症レベル(CRP)が減少。
1年間追跡し、PRを行ったどちらのグループでも、入院日数の短縮が得られた。
HFNCを行ったグループでは、HFNCをしなかった方と比べて、最大吸気量(IC)の変化で示されるair trappingが減少し、健康関連QOL(CAT)の改善が得られた。
【考察】
早期PR中のHFNCは、重症AECOPD患者の運動耐容能を改善させ、全身炎症を減少させる。