2022/05/10

入院した高齢者の身体活動を妨げる要因-環境因子が大きい-

Barriers and enablers to physical activity behaviour in older adults during hospital stay: a qualitative study guided by the theoretical domains framework

BMC Geriatr (IF: 3.08; Q1). 2022 Apr 10;22(1):314.


【背景】
急性期病院に入院した高齢者は入院中に活動する時間が少なく、これは健康アウトカムにネガティブに関連している。
入院した高齢者に対して、これらの障壁と身体活動の向上することについて理解することは、身体活動を高めることを目的とした介入を評価および実施することが、変更可能な要因の可能性を調べる第一歩である。
非論理的なアプローチを使うよりも、理論的な枠組みを見つけることが行動変容を成功させるために必要である。
この研究の目的は、the Theoretical Domains Framework (TDF)を使って、高齢入院患者の身体活動行動を妨げるものと促進するものを調べること。

【方法】
オランダで行われた質的研究。
70歳以上の急性疾患にて入院した高齢者が対象。
医療者(看護師、専門医、理学療法士)がサンプリングを実施。
半構造化面接は録音、転写され、質的項目検討に直接解析された。
入院中の身体活動の障壁と促進因子はTDFのコードを用いて同定した。

【結果】
12人の患者と16人の医療者によって面接が行われた後に意思飽和度が決定された。
障壁と促進の主な項目は、それぞれのカテゴリーによってTDFの14項目中11項目に該当した
"環境とリソース"は参加者が最も多く回答した項目であり、病院環境が患者の不活動に影響していることを明らかにした。

【考察】
識別された多くの障壁を促進因子は、入院中の高齢者の身体活動に影響を与えることの複雑さを明らかにした。
入院した高齢者において身体活動の障壁と促進因子は、まず理論的に体系化された行動変化介入が入院中の身体活動を改善させるかもしれない。
これは、臨床医や研究者が将来の介入の対象となる可能性のある変更可能な要素を選択するのに役立つ。

TDFでコード化した身体活動の障壁と促進因子


TDFで環境因子に該当する項目の障壁と促進因子